8月21日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比200円43銭安の6万6016円36銭となり、反落しました。前日の米国市場でNYダウが703ドル安と大幅に下げた流れを受け、一時は900円を超える下落となる場面もありましたが、売り一巡後は下げ渋っています。

ただし同じ日にTOPIXは7.56ポイント(0.19%)高と小幅ながら続伸しました。日経225の構成銘柄でさえ、値上がり135に対して値下がり86と、上がった銘柄のほうが1.6倍多い。それでも日経平均だけが下げています。理由はひとつの銘柄にありました。通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価66,016.36円▲200.43円▲0.30%
TOPIX4,067.29pt+7.56pt+0.19%
グロース250指数先物763pt▲2pt確認できず

始値6万5427円69銭、高値6万6125円88銭、安値6万5260円22銭。日経225先物が1150円安で寄り付いたことを思えば、現物が6万6000円台を回復して引けたのは想定外の底堅さでした。東証グロース市場250指数の現物終値は確認できていません。

項目数値
東証プライム 売買代金概算7兆9,134億円(今週最少)
東証プライム 売買高22億859万株
値上がり/値下がり56.7%/39.9%
日経225構成銘柄の騰落値上がり135/値下がり86/変わらず4
寄与度合計値上がり+415.14円/値下がり▲615.57円

日経平均を動かした主な要因

最大の要因は米ウォルマートの決算でした。20日朝に発表した5〜7月期決算で米国の既存店売上高が市場予想を下回り、27年1月期の利益見通しも予想に届かず、株価は一時10%安。米国の個人消費への警戒感が広がり、NYダウは703ドル84セント安の5万2759ドル21セントで引けました。東京市場ではこの流れがファーストリテイリングや良品計画といった消費関連株を直撃しています。

第二に、日米の長期金利の再上昇です。20日の米債券市場で10年債利回りは一時4.71%と前日比0.07%上昇し、30年債も5.26%を付ける場面がありました。前日に米財務省がバイバックの増額を発表して金利が急低下したばかりですが、市場では効果が長期的には限られるとの見方が優勢となり、わずか1日で発表前の水準に戻っています。国内の長期金利も小幅ながら上昇しました。

一方、下値を支えたのが半導体関連の買い戻しと資源関連です。韓国のKOSPIが堅調に推移したこともあり、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアHDに買いが入りました。原油高を追い風に鉱業、石油・石炭製品、海運にも資金が向かい、指数は後場に6万6000円台を回復しています。

寄与度分析——1銘柄で指数の下落幅を超える

区分銘柄寄与度株価騰落率
押し下げ1位ファーストリテイリング(9983)▲222.85円▲3.63%
押し下げ2位ソフトバンクG(9984)▲106.20円▲2.45%
押し下げ3位リクルートHD(6098)▲24.64円▲1.52%
押し上げ1位アドバンテスト(6857)+130.33円+1.53%
押し上げ2位キオクシアHD(285A)+32.15円+2.59%
押し上げ3位東京エレクトロン(8035)+27.15円+0.50%

ファーストリテイリング1銘柄の押し下げが222円85銭。指数の下落幅200円43銭を単独で上回っています。割合にすると下落幅の約111%です。ソフトバンクGを加えた2銘柄では約329円で、下落幅の約164%になります。

言い換えれば、この2銘柄を除いた223銘柄は差し引きでプラスに働いていたということです。実際、値上がりした135銘柄の寄与度合計は+415.14円ありました。株価が高いために指数への影響力が大きい銘柄——いわゆる値がさ株——が1社下げただけで、市場全体の方向が指数上で反転してしまう。これが日経平均という指数の構造です。

東証プライム騰落状況——週の始まりと終わりが鏡像になった

今週の5営業日を並べると、月曜と金曜が対になっていることがわかります。

項目8/17(月)8/18(火)8/19(水)8/20(木)8/21(金)
日経平均+0.74%▲2.54%▲3.16%+1.36%▲0.30%
TOPIX▲0.31%▲1.05%▲3.09%+1.18%+0.19%
プライム値上がり比率約40%46.4%23%84.8%56.7%
売買代金8.9兆円10.2兆円10.1兆円8.6兆円7.9兆円
NT倍率16.54倍16.29倍16.28倍16.31倍16.23倍
相場の性格指数だけ上昇指数だけ下落全面安全面高指数だけ下落

月曜は日経平均が上がってTOPIXが下がり、上位5銘柄が上昇幅の140%を稼ぎました。金曜は日経平均が下がってTOPIXが上がり、上位2銘柄が下落幅の164%を作っています。同じ現象が符号を変えて週の両端に現れたことになります。詳しくは月曜の深掘りノートもあわせてご覧ください。

週間では日経平均が▲3.93%(6万8713円→6万6016円)、TOPIXが▲3.10%(4197.20→4067.29)。NT倍率は16.37倍から16.23倍へ低下しました。

業種別・テーマ別の動き

上昇したセクター

海運業が上昇トップ。川崎汽船が約7.3%高、商船三井が約4.6%高です。原油高と中東情勢の緊迫が追い風で、今週を通じて最も安定して買われたセクターでした。鉱業、石油・石炭製品も上昇上位です。

商社にも資金が向かい、伊藤忠商事が約3.8%高、三井物産が約2.6%高、三菱商事が約2.1%高。保険も業種別で上位に入り、東京海上HDとMS&ADが上昇しました。金融株の解釈は、18日は金利上昇で買い、19日は金利低下とリスクオフで売り、20日は金利低下で売り、そして本日は金利再上昇で買い。今週だけで4回変わっています。

下落したセクター

その他製品が下落トップで、任天堂が約2.1%安。消費関連ではファーストリテイリングが▲3.63%、良品計画が▲3.24%と、米ウォルマート決算の余波を受けました。

そして医薬品が下落2位です。今週は17日から20日まで4日連続で上昇上位に入り続けた唯一のセクターでしたが、5日目に転換しました。大塚HDが▲3.21%、中外製薬が▲1.27%。避難先としての役割が一巡した可能性があります。

為替・米国株・金利

ドル円は東京時間の午後、節目の159円付近で売り買いが交錯しました。日中の取引レンジは158円86銭から159円13銭。日本の貿易赤字拡大や消費者物価指数を受けた円売りが継続する一方、原油先物が86ドル前半に失速したことでドル売りに振れやすい面もあり、狭いレンジでの推移となっています。なお15時ちょうどの確定値は取得できておらず、159円前後としています。

指標水準基準日
NYダウ52,759.21ドル(▲703.84ドル、▲1.31%)2026-08-20
NASDAQ総合26,067.17pt(▲263.92pt、▲1.00%)2026-08-20
S&P5007,641.16pt(▲66.82pt、▲0.87%)2026-08-20
米10年債利回り一時4.71%(前日比+0.07%)2026-08-20
米30年債利回り一時5.26%2026-08-20
WTI原油先物86.47ドル(+2.08ドル、+2.46%)2026-08-20

今週の金利の動きを振り返ると、国内要因で上昇し、世界的な債券売りでさらに上昇し、米財務省のバイバック発表で急低下し、そして効果が疑問視されて再上昇しました。株価がこの4段階にそのまま連動したのが今週です。ベッセント米財務長官は買戻し額が40億ドルを上回る可能性にも言及しており、週明けの財政健全化策の内容が次の焦点になります。

個別決算・材料株

企業の決算発表は完全に一巡し、翌営業日以降の発表予定は該当銘柄なしとなりました。

銘柄材料株価反応
ファーストリテイリング(9983)米ウォルマート株安を受けた消費関連株売り▲3.63%(73,510円)
日本甜菜製糖(2108)21日午後3時に株式分割を発表(9月30日基準日)一時300円高の5,880円で連日の年初来高値
シーイーシー(9692)今期経常を8%上方修正、最高益予想を上乗せ確認できず
川崎汽船(9107)原油高・中東情勢の緊迫約+7.3%(3,405円)
ヒューマンメイドグロース市場で材料視ストップ高(前引け時点)
大塚HD(4578)医薬品セクターの利益確定▲3.21%(12,195円)

テクニカル面

本日高値6万6125円88銭、安値6万5260円22銭。8月14日の高値6万9608円からは3600円近い距離があります。上値のメドは20日高値6万6325円と6万7000円、下値は19日安値6万5133円と6万5000円です。

日経225先物が1150円安の6万5210円で寄り付きながら、現物が6万6016円で引けた点は、下値では買いが入る地合いであることを示しています。25日移動平均線からの乖離率、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は今週を通じて確認できませんでした。

今後の見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日65,000円〜67,000円週明けは26日のエヌビディア決算とジャクソンホールを控え様子見になりやすい。ベッセント財務長官の財政健全化策の内容が金利を左右する
1ヶ月後62,000円〜70,000円エヌビディア決算、ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演、9月の日銀会合、東京8月CPI
1年後57,000円〜79,000円AI関連投資の資金調達環境と企業業績、日米の金利水準、中東情勢と原油価格の動向

今日の結論

「下げたのは日経平均であって、日本株ではない」——1銘柄が指数の下落幅を丸ごと作った日。

TOPIXは上昇し、東証プライムの56.7%が値上がりし、日経225構成銘柄でも上がった銘柄のほうが1.6倍多い。それでも日経平均は下げました。ファーストリテイリング1社の222円が、市場全体の方向を指数の上で反転させたからです。月曜は逆に、5銘柄が上昇幅の140%を稼いで指数だけを押し上げていました。この1週間は、日経平均という数字が何を映していて何を映していないかを、これ以上ないほどはっきり示した5日間だったと言えます。来週は26日のエヌビディア決算と27日からのジャクソンホール会合に視線が集まります。

1日の値動きを手早く押さえたい方は、通常版の日経ノートもあわせてご覧ください。

3
短く確認する(約3分)
【2026年8月21日】今日の日本株ノート|200円安で反落もTOPIXは続伸、ファストリ1銘柄が重荷
PR

ネット証券で口座を開くなら

毎日の相場チェックや実際の売買には、使いやすいネット証券口座があると便利です。日本株の取引に定評のある2社を紹介します。

ネット証券
松井証券
老舗として知られるネット証券
  • 日本株・投資信託・米国株など幅広く対応
  • 少額から積み立てられる
  • サポート体制に定評
松井証券の詳細を見る
ネット証券
DMM株
日本株も米国株もアプリひとつで
  • 取引に応じてポイントが貯まる
  • 米国株の取扱いにも対応
  • NISA口座にも対応
DMM株の詳細を見る
2社のくわしい比較と選び方を読む →

※このセクションはアフィリエイト広告(PR)を含みます。手数料やサービスの最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

← 前の記事 【2026年8月20日】今日の日本株 深掘りノート|890円高でも半導体は下落、指数と主役が入れ替わった日 次の記事 → 【2026年8月24日】今日の日本株 深掘りノート|プライムの過半が上昇しても日経平均は488円安、値がさAI株2銘柄が指数を押し下げ