8月7日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続落し、終値は前日比76円55銭(0.12%)安の6万5,606円71銭となりました。

ところがTOPIXは19.08ポイント(0.47%)高の4,074.93と4日続伸。JPXプライム150は3日続伸、東証グロース市場250指数も反発しています。主要4指数のうち、下げたのは日経平均だけでした。前日8月6日に続き、2営業日連続で同じ現象が起きています。今日はこの構図と、それが1週間続いた意味を整理していきます。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価65,606.71円-76.55円-0.12%
TOPIX4,074.93+19.08pt+0.47%
JPXプライム1501,708.48+11.05pt+0.65%
東証グロース市場250指数724.09+3.17pt+0.44%
項目8月7日8月6日
東証プライム 売買代金10兆8,960億円9兆6,880.87億円
東証プライム 売買高28億7,610万株26億7,117万株
値上がり銘柄数939銘柄(約6割)1,130銘柄
値下がり銘柄数582銘柄401銘柄
横ばい35銘柄25銘柄
ストップ高/ストップ安12銘柄/4銘柄確認できず

始値は6万5,746円13銭と小幅高でしたが、AI・半導体関連への買いが続かず売りが優勢に。午前中に安値6万4,651円49銭(1,031円77銭安)まで下げ、前引けは6万5,039円16銭でした。後場は押し目買いが入り、14時にフジクラが通期業績予想の大幅上方修正を発表して急騰したことで、下げ幅を955円縮小して引けています。日中値幅は1,339円23銭でした。

日経平均を動かした主な要因

1. ソフトバンクグループとレーザーテックの決算

前日引け後に発表されたソフトバンクグループの4〜6月期は純利益3,473億円と前年同期比17.7%の減益。野村は目標株価を1万220円から9,040円へ引き下げました。加えてレーザーテックの今期純利益見通しが市場予想を下回り急落。この2社が寄与度マイナスの2位と4位を占めています。

2. 今週3度目の「決算は良いがガイダンスが弱い」

レーザーテックのパターンは今週3度目です。8月4日引け後のAMDは第2四半期が市場予想を超えながら第3四半期見通しが物足りず時間外で売られ、8月5日夕のサンディスクとウエスタンデジタルも通期は増収黒字転換ながら7〜9月期見通しが予想に届きませんでした。AI・半導体関連では、決算の中身よりガイダンスが株価を決める局面が続いています。

3. フジクラの上方修正が後場の転換点

14時に27年3月期の連結純利益見通しを大きく上方修正したフジクラは一時14%上昇しました。市場では「手元資金が豊富な個人は投資余力が大きい。決算発表と併せて業績見通しを引き上げた銘柄には押し目買いが入りやすい」(立花証券の鎌田重俊参与)との見方があります。この日の決算発表は679社で今週のピークでした。

寄与度分析

押し上げ上位コード材料
フジクラ5803通期純利益見通しを大幅上方修正、一時+14%
バンダイナムコHD7832ゲーム関連の上昇
ファーストリテイリング99832日連続のプラス寄与
押し下げ上位コード材料
アドバンテスト6857
ソフトバンクグループ99844-6月期が17.7%減益
東京エレクトロン8035

ここでも決定的な数字があります。アドバンテストとソフトバンクグループの2銘柄だけで、日経平均は約293円押し下げられました(株探)。実際の下げ幅は76円55銭ですから、残り223銘柄は合計で約216円分プラスに寄与していた計算になります。

前日8月6日は「4銘柄で850円押し下げ、実際の下げ幅は617円」でした。2営業日続けて、ごく少数の銘柄が指数の方向を決めています。

5営業日の寄与度変遷

銘柄8/38/48/58/68/7
アドバンテストマイナス1位マイナス2位プラス1位マイナス3位マイナス1位
ソフトバンクGプラス2位マイナス1位プラス2位マイナス2位マイナス2位
東京エレクトロンマイナス4位プラス1位プラス4位マイナス1位マイナス3位
ファーストリテイリングプラス1位マイナス3位マイナス1位プラス1位プラス3位
フジクラプラス5位マイナス5位プラス1位

同じ7〜8銘柄が、5営業日にわたってプラスとマイナスを行き来し続けた1週間でした。

東証プライム騰落状況

東証プライムの値上がりは939銘柄で約6割、値下がりは582銘柄。日経225構成銘柄でも値上がり148、値下がり75、変わらず2で、65.8%が値上がりしながら指数はマイナスでした。ストップ高は12銘柄、ストップ安は4銘柄で、個別では明らかに買いが優勢です。

今週5営業日の「指数と実感のズレ」

日付日経平均市場の実感ズレの向き
8月3日-0.94%プライムの68%が下落指数が実感より強い
8月4日+0.32%プライムの58%が下落指数が実感より強い
8月5日+3.66%プライムの65%が上昇一致
8月6日-0.93%プライムの73%が上昇指数が実感より弱い
8月7日-0.12%プライムの60%が上昇指数が実感より弱い

週の前半は指数が実感より強く見え、後半は弱く見えました。ズレの向きは途中で反転していますが、原因は一貫して同じです。NT倍率は16.10倍と前日の16.20倍から低下しました。

業種別・テーマ別の動き

石油・石炭製品が上昇トップ

業種別の上昇トップは石油・石炭製品でした。中東情勢の悪化を受けて原油が反発したためです。8月5日には「原油急落で鉱業・海運業が下落率上位」だったので、今週はこのセクターが原油の急落と反発に合わせて往復したことになります。

AI・半導体関連は軟調

アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテックが寄与度マイナス上位を占めました。この日はアナリストの目標株価引き下げも相次いでいます。

銘柄機関目標株価
太陽誘電岩井コスモ24,000円→14,000円
ソフトバンクG野村10,220円→9,040円
コクサイエレクトリックUBS13,200円→11,500円
古河電気工業ゴールドマン・サックス7,200円→6,400円
富士フイルムHD野村4,700円→4,500円

いずれも投資判断は最上位を継続したうえで目標株価だけを引き下げており、半導体・電子部品セクターの下げ幅が目立ちます。

ゲーム関連と好業績中小型株が下支え

バンダイナムコHD、コナミG、任天堂が揃って上昇し、日経平均を下支えしました。8月6日の「その他製品」上昇に続き2日連続です。加えて上方修正や黒字転換を発表した中小型株にストップ高が集中しました。

為替・米国株・金利の影響

項目水準
ドル円(7日15時時点)158.33円
東京の取引レンジ158.22円 - 158.57円
200日移動平均線158.08円
NYダウ(6日)53,885.10ドル(-464.02ドル、6日ぶり反落)
ナスダック総合(6日)26,348.35(-15.09、続落)
S&P500(6日)7,704.62(-18.93)
米10年債利回り確認できず(6日は上昇)
WTI原油先物確認できず(6日は上昇)

今週のドル円は「介入から3円の円安戻し」

日付15時時点備考
8月3日156.39円協調介入公表。午前に155.23円まで急伸
8月4日157.70円(17時時点)15時台の確定値は未取得
8月5日157.63円膠着
8月6日157.70円膠着
8月7日158.33円200日線158.08円を上回る

協調介入直後の安値155円23銭から、週末には158円台前半まで3円以上戻しました。ここに今週最大の皮肉があります。8月3日は「円高で通期業績の下方修正が出るのでは」という警戒が相場を押し下げた週の始まりでしたが、8月7日にはロート製薬が「円安効果など」を理由に上方修正を発表してストップ高になっています。わずか5営業日で前提が反転しました。

米国では6日のNY市場でダウが464ドル安と6営業日ぶりに反落。対イラン協議の不透明感と原油高が嫌気されたうえ、FRBのクック理事が利上げ支持を示し、英紙報道でウォーシュFRB議長がインフレ高進なら利上げの用意があると伝わったことで、早期利上げ観測が売り圧力となりました。

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
ロート製薬円安効果などで27年3月期業績予想を上方修正(営業利益438億円→450億円)ストップ高、プライム上昇率1位
フジクラ14時に通期純利益見通しを大幅上方修正一時+14%、寄与度1位
デジタルハーツHDAI関連+19.9%(903円)ストップ高
J-MAX車載電池向け生産拡大で4-6月期黒字転換+19.9%(603円)ストップ高
PHC HD4-6月期は最終黒字に転換+19.5%(1,300円)
タングスHD上期業績・中間配当予想を大幅上方修正+19.2%(3,120円)ストップ高
KDDI今期最終3%増、2期連続最高益更新へ寄与度プラス5位
レーザーテック今期純利益見通しが市場予想を下回る急落、寄与度マイナス4位
高知銀行上期経常を一転赤字に下方修正、通期も減額-8.9%(1,050円)

※上昇率は前場終値時点の数値です。

ストップ高12銘柄という数字が示す通り、決算を評価された銘柄はきちんと買われました。日経平均が下げたのは市場が弱かったからではなく、指数構成の問題です。

テクニカル面

水準
7月22日高値67,592円前後
25日移動平均線66,656.34円(8月3日時点)
8月7日 高値65,990.72円
8月7日 終値65,606.71円
7月31日高値65,364円前後
75日移動平均線65,260円前後(8月5日時点)
8月7日 安値64,651.49円
均衡表雲下限(日足)64,532.26円(8月3日時点)
8月4日 安値62,864.43円

※移動平均線・一目均衡表の値は8月3日〜5日時点のものです。

注目したいのは、2営業日連続で「ザラ場では75日線と7月31日高値を割り込み、引けでは回復する」というパターンが出ていることです。8月5日に上抜けた支持帯を、6日と7日で続けて守り切っています。

上値ではこの日の高値6万5,990円72銭が示す通り、6万6,000円の心理的節目が壁になりました。その先に25日線6万6,656円、7月22日高値6万7,592円。下値はこの日の安値6万4,651円と、その直下の雲下限6万4,532円が重なるゾーンです。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日(8月10日)64,800円〜66,600円本日夜の米7月雇用統計の結果と米金利の反応。日銀決定会合「主な意見」(7月30〜31分)の内容。TSMC月次売上高
1ヶ月後62,500円〜70,000円米7月CPI(8月12日)通過後の米金利水準。8月14日のオプションSQ。介入効果が続くか、あるいは円安が再進行するか
1年後60,000円〜80,000円AI・半導体投資サイクルの持続性、日銀の利上げペース、中東情勢と原油価格の推移

本稿執筆時点で、今週最大のイベントである米7月雇用統計(21時30分発表)はまだ結果が出ていません。前哨戦のADP雇用は4.4万人増と伸びが鈍化して予想を下回った一方、長期金利はむしろ上昇しました。指標と金利の反応が食い違う状況が続いており、雇用統計の結果次第で来週の前提が変わる可能性があります。

なお来週は8月11日が山の日で休場となり営業日が4日しかありません。8月14日のオプションSQに向けて需給が振れやすい点にも留意が必要です。

今日の結論

「主要4指数のうち日経平均だけがマイナス。2銘柄で293円押し下げられた週末」

TOPIXは4日続伸、JPXプライム150は3日続伸、グロース250も反発。プライムの約6割が値上がりし、ストップ高は12銘柄。それでも日経平均だけが76円下げたのは、アドバンテストとソフトバンクグループの2銘柄が293円分を引きずり下ろしたからです。

今週は5営業日を通じて、日経平均という数字と市場の実感がずれ続けました。週の前半は指数が実感より強く見え、後半は弱く見えています。向きは反転しましたが、原因は同じです。指数の方向を決めているのが、ごく少数の値がさ株だということ。

もうひとつ、この1週間で前提そのものが反転した点も記録しておく価値があります。月曜は「円高で業績の下方修正が出るのでは」という警戒から始まり、金曜にはロート製薬が「円安効果」を理由に上方修正を出してストップ高になりました。5営業日で3円の円安戻しが、企業の見通しを書き換えています。日経平均の週間騰落は+1,244円69銭(+1.93%)でしたが、この数字だけでは今週何が起きたかはほとんど分かりません。

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編集者メモ(公開本文には含めない)

記事化に際して重視した点

  • 対比データペアの主軸は「主要4指数のうち日経平均だけがマイナス」。TOPIX・JPXプライム150・グロース250がすべて上昇した点を冒頭で提示
  • 副軸は「2銘柄で約293円押し下げ」vs「実際の下げ幅76円55銭」。差し引き「残り223銘柄で+216円」は算出値。前日の「4銘柄で850円」と2日連続の構図であることを明示
  • 5営業日の寄与度変遷表と「指数と実感のズレ」表を両方掲載し、週の総括として機能する形にした。週次まとめ(④)にそのまま転用可能
  • 結論では「月曜=円高で下方修正懸念 → 金曜=ロート製薬が円安効果で上方修正」という前提の反転を最後に置いた。今週を象徴する最も分かりやすい事実
  • 「決算は良いがガイダンスが弱い」パターンが今週3度(AMD→サンディスク/WD→レーザーテック)繰り返された点を要因パートで整理

通常版から省略した詳細情報

  • 陳満咲杜氏・今井雅人氏・西原宏一氏の為替見通し(150円説から160〜162円防衛ライン説まで大きく割れている)
  • 上海総合指数1.02%高の3,940.037、ハンセン指数0.54%高の25,668.03
  • 8月7日の決算発表679社の内訳(大林組、出光興産、ENEOS、日本郵政、SMC、オリンパス、第一生命HD、商船三井、ブリヂストンなど)
  • ヒーハイスト-8.8%などの値下がり率下位
  • 6日の米市場でセールスフォース・ハブスポットなどソフトウエア株が急落した件

事実確認が必要な点

  • 寄与度の円換算値が5日連続で未取得。ただし「2銘柄で約293円」があるため記事は成立している
  • 東証33業種の騰落ランキング詳細が未取得。上昇トップの石油・石炭製品のみ判明し、下落トップは不明。本文では下落業種に言及していない
  • 東証REIT指数、年初来高値/安値更新銘柄数が未取得
  • 米10年債利回りの6日終値、WTI原油の6日終値が未取得。定性情報のみのため本文では「確認できず」表記
  • 日本10年債利回りが未取得
  • 個別銘柄の上昇率は前場終値時点の数値。大引けベースでは変動している可能性があるため本文に注記済み
  • 移動平均線・一目均衡表の値は8月3日〜5日時点のもの。本文に注記済み

媒体差に注意(重要)

  • 6日のNY市場のドル円終値について、ザイFX!(DZH)は158.43円、フィスコは157.46円と1円近い差がある。日次の一貫性のためザイFX!系を採用し、本文では「6日NY終値」に言及していない

ドル円の基準時点

  • 本日は15:00時点158.33円(ザイFX!)。今週は8/4のみ17:00基準で、他の4日は15:00基準
  • 本文のドル円推移表に8/4の注記を入れてある

通常版へのリンク設定状況

  • 冒頭リード・今日の結論の2箇所に 20260807-nikkei へのリンクを設置済み
  • ファイル名:20260807-deep.md

週次まとめ(④)への申し送り

  • **週の主軸は「日経平均という数字と市場の実感がずれ続けた週」を推奨。**本文の乖離表がそのまま使える
  • 日次終値:7/31 64,362.02 → 8/3 63,754.90 → 8/4 63,957.53 → 8/5 66,300.44 → 8/6 65,683.26 → 8/7 65,606.71
  • 週間:日経平均 +1,244.69円(+1.93%)/TOPIX +71.63pt(+1.79%)
  • TOPIXは8/4以降4営業日続伸。日経平均は「-607 → +202 → +2,343 → -617 → -77」と乱高下したが、週間騰落率はほぼ同水準に着地
  • サブテーマ①:協調介入ショックとその往復(155.23円→158.33円の円安戻し)
  • サブテーマ②:AI・半導体の「決算は良いがガイダンスが弱い」3連発
  • サブテーマ③:決算ピーク(8/5に178社、8/6に322社、8/7に679社)と連日2桁のストップ高
  • 注目銘柄表の候補:イビデン(8/5ストップ高+24.49%)、フジクラ(8/7 +14%)、ロート製薬(8/7ストップ高)、ファナック(8/3 -14.31%)、レーザーテック(8/7急落)、トヨタ(8/4上方修正も下落)、SBG(減益決算)、太陽誘電(目標株価24,000→14,000円)
  • 来週の注目点:日銀「主な意見」(8/10)、8/11山の日で休場、米CPI(8/12)、オプションSQ(8/14)。営業日4日のみ
  • 本日夜の米雇用統計は未発表。週次まとめ作成時には結果が出ているため、必ず反映すること

用語解説(glossary)のネタ

2営業日連続で日経平均とTOPIXが逆方向に動いた。**「日経平均とTOPIXが逆方向に動く理由」**で1本書けば、今週の相場ノート5本すべてに内部リンクを張れる。関連用語は「寄与度」「NT倍率」「値がさ株」。

公開前チェックリスト

  • 寄与度の円換算値を補完できたか
  • 業種別の下落トップを確認したか
  • 個別銘柄の上昇率を大引けベースに更新したか
  • フロントマターの引用符がすべて半角ストレートクォート(‘)か
  • nikkei / topix / usd / dow / nasdaq がすべてクォート付きの数字のみか
  • category が ‘deep’ か
  • 通常版リンクのスラッグが 20260807-nikkei になっているか
  • アフィリエイトプレースホルダーが2箇所以内か
3
短く確認する(約3分)
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