8月5日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸し、終値は前日比2,342円91銭(3.66%)高の6万6,300円44銭となりました。節目の6万6,000円台を回復し、7月23日以来約2週間ぶりの高値です。

この3営業日は、ひとつの物語として読むと理解しやすくなります。8月3日は日米協調介入の発表で全面安。8月4日は米ダウが693ドル高と最高値を更新したのに日経平均は202円高(0.32%)しか反応できませんでした。そして8月5日、米ダウがさらに907ドル高となりSOX指数が6.55%高となったところで、東京市場は2日分の出遅れを一気に精算しました。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価66,300.44円+2,342.91円+3.66%
TOPIX4,046.17+84.39pt+2.13%
JPXプライム1501,692.25+30.14pt+1.81%
東証グロース市場250指数確認できず確認できず5日続伸
項目8月5日8月4日
東証プライム 売買代金10兆9,236億円10兆2,837億円
東証プライム 売買高27億8,122万株26億214万株
値上がり銘柄数1,019銘柄(約65%)629銘柄
値下がり銘柄数491銘柄902銘柄
変わらず48銘柄26銘柄

始値は6万4,565円27銭で607円高のスタート。前場中ごろには一時2,200円あまり上昇して6万6,000円台に乗せ、前引けは6万5,861円00銭でした。後場も堅調に推移し、大引けにかけてさらに水準を切り上げてほぼ高値引けとなっています。10時時点の売買代金がすでに3兆2,923億円に達しており、序盤から商いが膨らんだ一日でした。

日経平均を動かした主な要因

1. 米国市場の連日最高値更新とSOX指数の急騰

4日のNYダウは907ドル47セント高の5万4,085ドル88セントと連日で最高値を更新しました。ナスダック総合指数は671ポイント高の2万6,584、S&P500も136ポイント高の7,736.52です。とりわけ重要だったのが、主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の6.55%高でした。この流れが朝方から東京市場の半導体関連株に直接波及しています。

2. 中東情勢の緊張緩和と原油急落

ベッセント米財務長官がホルムズ海峡の開放でイランと合意する可能性に言及し、WTI原油は75.77ドルと4.57ドル安。3日の5.1%安に続く2日連続の急落で、7月末の高値圏からは2割近く下げたことになります。米10年債利回りも4.614%と0.064ポイント低下し、株式にとっての追い風が揃いました。

3. 好決算の連発

4日引け後にイビデンが純利益予想を580億円から840億円へ上方修正し、あわせて株式分割も発表。この日ストップ高となりました。日本製鉄、ウシオ電機も好決算組として買われています。米イラン和平期待と好決算という二つの材料が重なり、朝方の買いが一日を通して途切れませんでした。

寄与度分析

押し上げ上位コード寄与度
アドバンテスト6857確認できず
ソフトバンクグループ9984確認できず
イビデン4062確認できず
押し下げ上位コード寄与度
ファーストリテイリング9983確認できず
ダイキン工業6367確認できず
横河電機6841確認できず

寄与度の円換算値は確認できていませんが、3営業日の順位の変遷を並べると、この相場の性格がはっきり見えてきます。

銘柄8月3日8月4日8月5日
アドバンテストマイナス1位マイナス2位プラス1位
ソフトバンクGプラス2位マイナス1位プラス2位
イビデンマイナス3位プラス4位プラス3位
東京エレクトロンマイナス4位プラス1位プラス4位
ファーストリテイリングプラス1位マイナス3位マイナス1位

8月3日にマイナス寄与の1位・3位・4位だったアドバンテスト、イビデン、東京エレクトロンが、2営業日でプラス寄与の1位・3位・4位に転じました。逆にファーストリテイリングは8月3日のプラス1位からマイナス1位へ。指数の中身が3営業日で完全に入れ替わっています

日経225構成銘柄の騰落は値上がり152銘柄、値下がり71銘柄、変わらず2銘柄。約68%が上昇しました。

東証プライム騰落状況

東証プライム市場の値上がりは1,019銘柄で全体の約65%、値下がりは491銘柄。3営業日ぶりに、指数と市場の実感が一致しました。8月3日は「全面安なのに下落率1%未満」、8月4日は「指数プラスなのに6割が下落」と乖離が続いていましたが、この日は上昇が市場全体に広がっています。

ただし上昇の「深さ」には偏りがあります。プライムの65%が上昇して日経平均+3.66%・TOPIX+2.13%という差は、上位の値がさ半導体株が突出して買われたことを意味します。NT倍率は16.39倍と前日の16.14倍から大きく上昇しました。

もうひとつ見落とせないのが、年初来安値更新が12銘柄から23銘柄へ増えている点です。年初来高値更新も38から54銘柄へ増えており、全体が上がる中でも取り残された銘柄群が確実に存在しています。

業種別・テーマ別の動き

上昇したセクター

非鉄金属、ガラス・土石製品、情報・通信業、電気機器、金属製品が上昇しました。非鉄金属・ガラス土石・金属製品はいずれも半導体材料・部材に関連するセクターで、三井金属、レゾナック、住友電工、古河電工、日東紡が売買代金上位に並んでいます。情報・通信業はソフトバンクグループが牽引しました。

下落したセクター

海運業、鉱業、倉庫・運輸関連業、水産・農林業、電気・ガス業が下落。原油急落が海運・鉱業を直撃し、川崎汽船は5.2%安となりました。8月4日に上昇していた海運が反転しています。ディフェンシブ性の高い電気・ガス業や水産・農林業からは、リスクオンで資金が抜けました。

半導体の二極化が解消

この日の最大の変化は、8月3日・4日と続いていた半導体セクター内の二極化が解消したことです。アドバンテスト、東京エレクトロン、イビデン、フジクラ、レーザーテック、村田製作所、TDK、キオクシアが揃って上昇しました。「半導体関連」という括りで相場を説明できる状態に戻ったことになります。

為替・米国株・金利の影響

項目水準
ドル円(5日15時時点)157.63円
12時時点157.45円
4日NY終値157.75円
NYダウ(4日)54,085.88ドル(+907.47ドル)
ナスダック総合(4日)26,584.99(+671.09)
SOX指数(4日)+6.55%
米10年債利回り(4日)4.614%(-0.064pt)
WTI原油先物(4日)75.77ドル(-4.57ドル)
VIX指数16.50(+0.64)

ドル円は157円台後半でこう着しました。協調介入による円高圧力は一巡した格好ですが、前日のNY時間にベッセント米財務長官が「介入効果の維持には追加措置が必要」「植田日銀総裁が必要な措置を講じると確信」と述べており、日銀の追加利上げ観測が上値を抑えています。

注目したいのは、この日の上昇が為替要因ではなかったことです。ドル円がほぼ横ばいだったにもかかわらず輸出関連が買われたのは、米株高と半導体サイクルという別の理由によるものでした。8月3日は円高に振り回され、8月5日は米国の材料で動いた。相場のドライバーが2営業日で入れ替わっています。

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
イビデン純利益予想を580億円→840億円へ上方修正、株式分割も発表+24.49%(20,330円)ストップ高
荒川化学工業+20.65%(2,337円)
ヤマハ発動機+19.46%(1,805円)
日本郵船4-6月期経常27%増益、今期配当を40円増額修正
横河電機-10.04%(5,302円)
東邦HD医薬品仕入原価上昇で4〜6月営業益36%減-7.6%(3,613円)
日清食品HD1Q上振れも先行き不透明感拭えず-6.6%(2,775円)
IHI今期業績予想引き上げも市場の期待に届かず-6.5%(2,691.5円)
ダイキン工業4〜6月期決算受け目先利益確定売り-6.3%(22,265円)
SUBARU米国販売減少し4〜6月期最終益10%減-4.2%(2,475.5円)

この日の主役はイビデンでした。8月3日には6.70%安でマイナス寄与の3位だった銘柄が、2営業日でストップ高・プラス寄与3位へ反転しています。8月5日だけで178社が決算を発表しており、ストップ高は10銘柄、ストップ安は0銘柄でした。

一方で、IHIのように「業績予想を引き上げたのに市場の期待に届かず売られる」パターンも複数出ています。8月4日のトヨタと同じ構図で、決算そのものより市場コンセンサスとの差が株価を決める局面が続いています。

テクニカル面

水準
年初来高値(6月22日)72,831.73円
7月22日高値67,592円前後
25日移動平均線66,656.34円(8月3日時点)
8月5日 終値66,300.44円
7月31日高値65,364円前後
75日移動平均線65,260円前後
均衡表雲下限(日足)64,532.26円(8月3日時点)
ボリンジャー -1σ63,830円前後
8月4日 安値62,864.43円

この日の上昇で、75日線と7月31日高値6万5,364円をいずれも明確に上抜けました。テクニカルアナリストの伊藤智洋氏は「今日の上げは、7月29日以降の反発が6月22日以降の下げ幅全体の修正であることを示唆する動きになる。目先は7月22日高値の6万7,592円前後まで上昇する可能性が出てきた」と指摘しています。

上値では25日線6万6,656円の回復が直近の関門で、その先に7月22日高値6万7,592円。下値は支持に転換した6万5,364円、次いで75日線6万5,260円前後です。7月29日終値6万1,434円から数えると、5営業日で約4,866円(7.9%)戻したことになります。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日65,300円〜67,000円米7月ADP雇用リポートとISMサービス業指数の内容。AMDの弱い第3四半期見通しがどこまで織り込まれるか。ソフトバンクグループ決算(15:30頃)
1ヶ月後62,000円〜70,000円米7月雇用統計(8月7日)とCPI(8月12日)通過後の米金利水準。ベッセント発言が示唆した日銀の追加利上げ観測の行方
1年後60,000円〜80,000円AI・半導体投資サイクルの持続性、日銀の利上げペース、中東情勢と原油価格の推移

ひとつ注意点があります。AMDが4日の取引終了後に発表した第2四半期決算は、調整後の1株利益が市場予想を上回った一方、第3四半期の見通しが物足りないと受け止められ時間外で売られました。この日の東京市場はSOX指数6.55%高だけを見て買われた面があり、AMDの弱い見通しはまだ織り込まれていない可能性があります。

今日の結論

「SOX6.5%高で半導体が一斉復活。2日分の出遅れを一気に精算した2,342円高」

8月3日から5日までの3営業日は、ひとつの往復として読めます。協調介入で全面安になり、翌日は米株高に乗れずに出遅れ、そして3日目に一気に取り戻しました。7月29日終値からは5営業日で7.9%の戻りです。

この間、日経平均という数字と市場の実感は2営業日連続でずれていましたが、この日ようやく一致しました。ただし全体が上がる中で年初来安値更新が23銘柄に増えている点、そしてAMDの弱い見通しが未消化である点は、素直な楽観に一呼吸置く材料になりそうです。

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編集者メモ(公開本文には含めない)

記事化に際して重視した点

  • 3日間で1つの物語が完結している点を冒頭リードと結論の両方で提示。8/3「協調介入ショックで全面安」→ 8/4「米株高に乗れず出遅れ」→ 8/5「出遅れを一括精算」。前日記事の伏線回収になっている
  • 対比データペアは「8/4は米ダウ+693ドルに対し日経+0.32%」vs「8/5は米ダウ+907ドルに対し日経+3.66%」を主軸に設定
  • 寄与度の円換算値が取得できないため、3営業日の順位変遷表で代替。結果的に「指数の中身が完全に入れ替わった」という強い論点になった
  • 副軸として「プライムの65%が上昇」vs「年初来安値更新が12→23銘柄に増加」を配置
  • AMDの弱い3Q見通しが未消化である点を「見通し」パートで明示

通常版から省略した詳細情報

  • 個別銘柄の下落率上位(シグマクシスHD -12.07%、三井倉庫HD -11.10%、あすか製薬HD -7.6%、TDCソフト -7.2%、博報堂DY -5.9%、川崎汽船 -5.2%、アルフレッサ -5.2%、DMG森精機 -4.6%)
  • 当日発表で買われた小型株(玉井商船、東京インキ、テクノ菱和、指月電機、インフォネット)
  • S&P500 7,736.52、NY金4,152.6ドル、上海総合+1.47%
  • シカゴ日経225先物の円建て清算値6万5,485円(大取比+1,585円)
  • 8月5日の決算発表178社の内訳(太陽誘電、ホンダ、スズキ、JFE、神戸鋼、三井化学、鹿島、王子HD、レンゴーなど)
  • 8/10以降の日程(日銀「主な意見」、TSMC月次、8/11山の日休場、8/12米CPI、8/14オプションSQ)

事実確認が必要な点

  • 寄与度の円換算値が3日連続で未取得。フィスコ「日経平均寄与度ランキング(大引け)」の8月5日分が検索に出ていない。本文の寄与度表は「確認できず」のまま。公開前に補完が必要
  • 日経平均の高値・安値の確定値が未取得。13:57時点の高値66,197.62円と終値66,300.44円から、終値が最高値である可能性が高いが未確定。本文では「ほぼ高値引け」と表現
  • 東証グロース市場250指数・東証REIT指数の終値が未取得(グロース250は「5日続伸」との報道のみ)
  • 東証33業種の上昇/下落業種数が未取得(業種名のみ)
  • 日本10年債利回りが未取得
  • 移動平均線・一目均衡表の一部は8月3日時点の値。75日線6万5,260円前後とボリンジャー-1σ 6万3,830円前後は外部アナリストの言及値

ドル円の基準時点について

  • 今日は15:00時点157.63円(ザイFX!)を取得でき、8月3日と同じ基準に戻せている。8月4日のみ17:00基準(157円70〜80銭)でずれているため、週次まとめ作成時は注意

通常版へのリンク設定状況

  • 冒頭リード・今日の結論の2箇所に 20260805-nikkei へのリンクを設置済み
  • ファイル名:20260805-deep.md

週次まとめへの申し送り

  • 週初7/31終値64,362.02円 → 8/5終値66,300.44円で週間+1,938.42円(+3.01%)(8/5時点)
  • 週のテーマは「日米協調介入ショックとその往復」で確定的
  • 日次終値:8/3 63,754.90 → 8/4 63,957.53 → 8/5 66,300.44

公開前チェックリスト

  • 寄与度の「確認できず」を実数値に差し替えたか
  • 高値・安値の確定値を確認したか
  • グロース250・REIT指数の欄を埋めたか
  • フロントマターの引用符がすべて半角ストレートクォート(‘)か
  • nikkei / topix / usd / dow / nasdaq がすべてクォート付きの数字のみか
  • category が ‘deep’ か
  • 通常版リンクのスラッグが 20260805-nikkei になっているか
  • アフィリエイトプレースホルダーが2箇所以内か
3
短く確認する(約3分)
【2026年8月5日】今日の日本株ノート|半導体が一斉復活で日経平均2342円高、2日分の出遅れを一気に精算
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