8月4日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、終値は前日比202円63銭高の6万3957円53銭となりました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均が約1カ月ぶりに最高値を更新し、ナスダック総合指数も2.1%高となった流れを受けての上昇です。
ただし上昇率は0.32%にとどまりました。前日の米国市場の上げ幅と比べると、明らかに物足りない数字です。しかも東証プライムでは約6割の銘柄が下落しており、指数のプラスは市場全体の実感を表していません。今日は「なぜ米株高の波に乗れなかったのか」を軸に読み解いていきます。
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相場サマリー
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,957.53円 | +202.63円 | +0.32% |
| TOPIX | 3,961.78 | +1.75pt | +0.04% |
| JPXプライム150 | 1,662.11 | -2.84pt | -0.17% |
| 東証グロース市場250指数 | 確認できず | 確認できず | 確認できず |
| 項目 | 8月4日 | 8月3日 |
|---|---|---|
| 東証プライム 売買代金 | 10兆2,837億円 | 11兆7,886億円 |
| 東証プライム 売買高 | 26億214万株 | 28億2,409万株 |
| 値上がり銘柄数 | 629銘柄(約40.4%) | 464銘柄 |
| 値下がり銘柄数 | 902銘柄(約57.9%) | 1,060銘柄 |
| 変わらず | 26銘柄 | 33銘柄 |
日中の値動きは荒いものでした。始値は6万3995円28銭で買い先行のスタートを切りましたが、その後マイナス圏に沈み、安値は6万2864円43銭(前日比890円47銭安)。一時800円あまり下落した後、午後に押し目買いが入って再びプラス転換し、高値は6万4240円50銭まで戻しています。日中値幅は1,376円07銭に達しました。
日経平均を動かした主な要因
1. 米国市場の最高値更新(追い風)
3日の米市場でダウ平均は693ドル38セント高の5万3178ドル41セントと、約1カ月ぶりに最高値を更新しました。ナスダック総合指数は540ポイント高の2万5913、S&P500種も1.47%高の7600.50です。トランプ米大統領がイランへの攻撃停止を明らかにしたことで中東情勢の緊張が和らぎ、原油急落と米金利低下がリスク選好を後押ししました。米10年債利回りは4.68%と前日から0.07ポイント低下しています。
2. 円高進行と追加介入への警戒(向かい風)
日米協調介入を背景に、7月下旬には1ドル=163円台だった円相場は157円台後半まで水準を切り上げています。この日の東京時間は早朝157円19銭から午後157円84銭まで円安方向に戻したものの、7月下旬比では6〜7円の円高です。輸出関連株にとっては、業績前提が崩れる水準が続いていることになります。
3. 介入の意図が読めないことによる方向感の欠如
市場では「日米がわざわざ協調介入した真意が分からず、株式相場も方向感が出づらい」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれました。追加介入をめぐっては、IMFが為替介入を「半年で3回以内」「1回あたり3営業日以内」であれば自由変動相場制に区分しているとされ、4営業日連続の介入は基準から外れる可能性があることから、当局は動きにくいとの見方も広がっています。市場は介入の有無を読み切れないまま、値幅だけが膨らむ展開となりました。
寄与度分析
| 押し上げ上位 | コード | 寄与度 |
|---|---|---|
| 東京エレクトロン | 8035 | 確認できず |
| キオクシアホールディングス | 285A | 確認できず |
| フジクラ | 5803 | 確認できず |
| 押し下げ上位 | コード | 寄与度 |
|---|---|---|
| ソフトバンクグループ | 9984 | 確認できず |
| アドバンテスト | 6857 | 確認できず |
| ファーストリテイリング | 9983 | 確認できず |
寄与度の円換算値は本稿執筆時点で確認できていませんが、順位そのものに読むべき点があります。前日8月3日と顔ぶれがほぼ逆転しているのです。
8月3日にプラス寄与のトップ2だったファーストリテイリングとソフトバンクグループは、この日はマイナス寄与の1位と3位。逆に8月3日にマイナス寄与だった東京エレクトロン、イビデン、京セラは、この日はプラス寄与の側に回りました。わずか1営業日で指数の中身が入れ替わったことになります。
日経225構成銘柄の騰落は値上がり94銘柄、値下がり129銘柄、変わらず2銘柄。前日の52/169/4からは改善しましたが、指数がプラスで引けたにもかかわらず値下がりが値上がりを上回っています。
東証プライム騰落状況
東証プライム市場の値上がりは629銘柄、値下がりは902銘柄。指数はプラスなのに、市場の約58%が下落しました。前日8月3日は「全面安なのに日経平均の下落率は1%未満」という乖離が生じましたが、この日はその逆向きの乖離です。2営業日続けて、日経平均が市場の実感より強く見える状態が続いています。
売買代金は10兆2,837億円と、前日の11兆7,886億円から約1兆5,000億円減少しました。介入ショックの初日に比べて商いは細り、様子見ムードが強まっています。一方で年初来安値更新銘柄は前日の20から12へ減っており、下値の切迫感はやや和らぎました。
業種別・テーマ別の動き
上昇したセクター
非鉄金属、機械、精密機器、海運業、電気機器が上昇しました。前日に売られた電気機器・機械が反転している点が特徴で、米ハイテク株高とデータセンター投資への期待が効いています。海運業の上昇は原油急落によるコスト低下期待とみられます。
下落したセクター
陸運業、水産・農林業、情報・通信業、食料品、保険業が下落しました。陸運業は2営業日連続の下落率上位です。食料品・水産農林の下落は日本ハムの急落が象徴的で、前日までディフェンシブに逃げていた資金がリスク資産へ戻る動きの裏返しとも読めます。
半導体・AI関連は2日連続で二極化
買われたのは東京エレクトロン、キオクシアHD、フジクラ、イビデン、京セラ。売られたのはアドバンテスト、TDKです。8月3日も同一セクター内で明確な選別が働いており、「半導体関連」という括りでは相場を説明できない状態が続いています。
為替・米国株・金利の影響
| 項目 | 水準 |
|---|---|
| ドル円(4日17時時点) | 157円70〜80銭 |
| ドル円 東京の値動き | 早朝157.19円 → 午後157.84円 |
| 3日NY終値 | 157円15〜25銭(4営業日続伸) |
| NYダウ(3日) | 53,178.41ドル(+693.38ドル、+1.32%) |
| ナスダック総合(3日) | 25,913.90(+540.05、+2.13%) |
| S&P500(3日) | 7,600.50(+1.47%) |
| 米10年債利回り(3日) | 4.68%(前日比-0.07pt) |
| WTI原油先物(3日) | 80.34ドル(-5.1%) |
米国では原油と金利がそろって低下し、株式にとって理想的な組み合わせが揃いました。アマゾンの時価総額は3兆ドルを突破しています。それでも東京市場がこの追い風を0.32%しか取り込めなかったのは、海外投資家がドル建てで日本株の採算を測るためです。円高が進めばドル建ての株価は円建てより有利に見えますが、同時に輸出企業の業績見通しが下振れます。この綱引きが、指数の上値を抑えました。
個別決算・材料株
| 銘柄 | 材料 | 株価反応 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 通期純利益を3兆円→3兆2,500億円に上方修正。営業利益は3兆4,000億円へ4,000億円上方修正。自社株買いも発表 | 一時+2.17%も値を消し下落で終了 |
| 三菱重工業 | 4-6月期純利益97%増 | 午後に上昇へ転じる |
| 三菱UFJFG | 通期予想を据え置き | -3.4% |
| JPMC | — | +21.95%(2,222円) |
| トーメンデバイス | 連日ストップ高、1週間で株価約2倍 | +19.12%(31,150円) |
| JVCケンウッド | 前日発表の1Q最終71%減益 | -18.41%(930.1円) |
| 日本ハム | 食肉事業の先行きに慎重な見方 | -8.41%(5,796円) |
この日を象徴するのはトヨタです。通期の営業利益を4,000億円も上方修正し、自社株買いまで発表しながら、株価は下げて終えました。上方修正の主因が「想定為替レートを円安方向に見直したこと」だったためです。協調介入で為替の前提が崩れた局面では、円安を根拠にした上振れは素直に評価されません。年初来高値更新は38銘柄、安値更新は12銘柄でした。
テクニカル面
| 水準 | 値 |
|---|---|
| 25日移動平均線 | 66,656.34円(乖離率 約-4.05%) |
| 75日移動平均線 | 64,942.09円(乖離率 約-1.52%) |
| 均衡表雲下限(日足) | 64,532.26円 |
| 8月4日 高値 | 64,240.50円 |
| 均衡表転換線(日足) | 64,020.55円 |
| 8月4日 終値 | 63,957.53円 |
| 6日移動平均線 | 63,119.11円 |
| 8月4日 安値 | 62,864.43円 |
| 26週移動平均線 | 61,489.94円 |
※移動平均線・一目均衡表の各値は8月3日終値時点のものです。乖離率は8月4日終値からの算出値です。
この日の高値6万4240円は転換線6万4020円を上回りましたが、終値では維持できませんでした。上値では転換線の回復が第一関門で、その先に雲下限6万4532円、75日線6万4942円が控えます。下値はこの日の安値6万2864円、次いで26週線が意識される6万1500円前後です。
参考として、日経平均ボラティリティー・インデックスは8月3日14時30分時点で38.36と前日比8.98ポイント上昇していました。年率38%は1営業日あたり約2.4%、6万3754円に当てはめると1,500円前後の値幅に相当します。実際の8月4日の値幅は1,376円でしたから、市場が織り込んでいた荒れ方はおおむね現実になったといえます。
見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 63,300円〜64,700円 | ドル円が156〜158円で推移し、追加介入の観測が新たに出ないこと。AMD決算、米7月ADP雇用統計、米7月ISM非製造業景況指数の結果 |
| 1ヶ月後 | 60,500円〜67,500円 | 円高を前提とした通期業績の下方修正がどの程度出るか。米7月雇用統計(8月7日)とCPI(8月12日)通過後の米金利水準。ソフトバンクグループ決算(8月6日) |
| 1年後 | 58,000円〜78,000円 | AI・半導体投資サイクルの持続性、日銀の追加利上げペース、中東情勢と原油価格の推移 |
レンジは前提条件が成り立った場合の目安です。日経VIが38を超える水準にある局面では、1日で1,500円前後動くことも想定しておく必要があります。
今日の結論
「ダウ最高値更新でも日経は202円高止まり。円高がリスクオンの追い風を打ち消した」
原油が5%下がり、米金利が低下し、ダウが最高値を更新する——株式にとってこれ以上ないほど揃った条件を、東京市場は0.32%しか受け取れませんでした。プライムの約6割は下落し、値幅は1,376円に広がっています。
その理由を最も分かりやすく示したのがトヨタでした。営業利益を4,000億円上方修正しても株価が下げたのは、その上振れの根拠が円安だったからです。前日8月3日は「全面安なのに下落率1%未満」、この日は「指数はプラスなのに6割が下落」。2営業日続けて、日経平均という数字と市場の実感がずれています。この乖離がいつ収束するかが、当面の注目点になりそうです。
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編集者メモ(公開本文には含めない)
記事化に際して重視した点
- 対比データペアを「ダウ+693ドル・ナスダック+2.13%」vs「日経平均+0.32%」に設定。副軸として「指数プラス」vs「プライムの57.9%が下落」を配置
- 前日8月3日が「全面安なのに下落率1%未満」だったのに対し、今日は逆向きの乖離。2日連続で日経平均が市場の実感より強く見えているという連続性を結論で明示した。週次まとめへの接続を意識
- トヨタの「上方修正しても株価下落」を、円高局面を象徴する個別事例として位置づけた
- 寄与度の顔ぶれが1営業日で逆転した点を、円換算値がなくても語れる材料として活用
通常版から省略した詳細情報
- 個別銘柄の騰落率2位以下(JUKI +18.52%、ダイトロン +15.92%、日東紡 +14.23%、ソフトクリエイトHD -9.24%、三井E&S -8.02%、ジョイフル本田 -8.01%)
- IMFの介入区分基準(半年3回以内・1回3営業日以内)の詳細
- ブレント原油83.77ドル(-4.7%)、ユーロ円・ユーロドルの動き
- 8月4日の決算発表は約90社(三井物、日本製鉄、住友化、AGC、クボタ、ヤマハ発、マツダ、日清食HD、モノタロウなど)
- 韓国市場の続落(スペースX決算と中国CXMTへの警戒感)
事実確認が必要な点(重要)
- 寄与度の円換算値がすべて未取得。フィスコ「日経平均寄与度ランキング(大引け)」8月4日分が検索で拾えず、順位のみ判明。本文の寄与度表は「確認できず」で埋めている。公開前に必ず数値を補完すること。あわせて各銘柄の終値・前日比・騰落率も未取得
- 東証グロース市場250指数・東証REIT指数の終値が未取得。相場サマリー表で「確認できず」表記
- 東証33業種の上昇/下落業種数が未取得(業種名のみ判明)
- 日本10年債利回りが未取得
- ドル円の基準時点が前日とずれている。8月3日は15:00時点(156.39円)、8月4日は17:00時点(157円70〜80銭)。15時台の確定値が取得できなかったため。日次の一貫性を重視するなら差し替えが望ましい
- 移動平均線・一目均衡表の各値は8月3日終値時点のもの。8月4日時点の更新値は未取得のため、本文に注記を入れてある
- 売買代金は媒体により「10兆2,837億円」「10兆2,837.36億円」表記あり
通常版へのリンク設定状況
- 冒頭リード・今日の結論の2箇所に
20260804-nikkeiへのリンクを設置済み - ファイル名:20260804-deep.md
公開前チェックリスト
- 寄与度の「確認できず」を実数値に差し替えたか
- グロース250・REIT指数の欄を埋めたか
- フロントマターの引用符がすべて半角ストレートクォート(‘)か
- nikkei / topix / usd / dow / nasdaq がすべてクォート付きの数字のみか
- usdDate の基準時点(17:00)をこのまま公開してよいか
- category が ‘deep’ か
- 通常版リンクのスラッグが 20260804-nikkei になっているか
- アフィリエイトプレースホルダーが2箇所以内か
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