7月22日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比116円59銭(0.18%)安の66,115円60銭と小幅に反落しました。数字だけ見れば静かな一日ですが、中身は今月でも屈指の乱高下でした。朝方は米半導体株高を追い風に上げ幅が一時1,300円を超えて6万7,000円台を回復。ところが後場に入ると急速に伸び悩み、大引け直前にマイナス圏へ沈んでいます。

一方でTOPIXは続伸しており、日経平均とは逆方向に動きました。本記事では、この日中の失速と指数間の逆行がなぜ起きたのかを深掘りします。数値を絞ったダイジェスト版は通常版ノートからご覧いただけます。

相場サマリー

指標終値前日比騰落率
日経平均66,115.60-116.59-0.18%
TOPIX4,033.13+18.18+0.45%
JPXプライム1501,682.89+2.11+0.13%
グロース250確認できず確認できず反落

日経平均の始値は66,449.27円、高値は67,592.20円、安値は65,955.60円でした。日中値幅は1,636円60銭にのぼり、高値から終値までは約1,477円の失速です。東証プライムの売買代金は概算10兆4,377億円、売買高は22億669万株でした。

日中の値動き——高値をつけたのは午前9時43分

寄り付きは前日比217円08銭高の66,449.27円。そこから一気に上げ幅を広げ、午前9時43分に高値67,592.20円を記録しました。前引けは1,278円93銭高の67,511円12銭で、この時点では大幅続伸の展開だったわけです。

後場に入っても13時台前半までは6万7,000円近辺を保っていましたが、そこから崩れます。14時台には前日比マイナス圏に接近し、大引けにかけて下げに転じました。前場の上昇分をすべて吐き出した格好です。

日経平均を動かした主な要因

前場を押し上げた材料

最大の材料は前日21日の米半導体株高です。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%上昇し、東京市場のAI・半導体関連株に買いを呼び込みました。加えて、TSMCが2027年に半導体の生産受託価格を最大10%引き上げるとの報道が21日に伝わり、値上げは半導体需要の強さを映すものと受け止められています。22日午前の韓国総合株価指数(KOSPI)の大幅高も投資家心理を強気に傾けました。

後場に効いた重荷

失速の引き金は複合的でした。第一に、米ナスダック100指数先物の伸び悩みと韓国株の失速です。第二に、今晩に控える米大手ハイテク企業の決算発表を前にした様子見姿勢の広がり。第三に、円相場が39年7カ月ぶりに1ドル=163円台となる円安加速と、中東情勢の緊迫による原油再騰でインフレ懸念が高まったことです。日経平均は前日に2,000円あまり上昇していたため、上値では戻り待ちの売りが出やすい地合いでもありました。

寄与度分析

押し上げ・押し下げの上位銘柄は以下の通りです。

区分銘柄(上位順)寄与度
押し上げ上位キオクシアHD、イビデン、京セラ確認できず
押し下げ上位ファーストリテイリング、リクルートHD、東京エレクトロン確認できず

押し上げ4位以下には太陽誘電、村田製作所が、押し下げ4位以下にはソフトバンクグループ、信越化学工業が続きました。寄与度の円換算値は本稿執筆時点で公表データを確認できなかったため、記載を控えています。

注目したいのは、半導体関連の中で明暗が分かれた点です。押し上げ側はキオクシア・イビデン・京セラ・太陽誘電・村田製といったメモリや電子部品、後工程寄りの銘柄。押し下げ側は東京エレクトロン、アドバンテストといった前工程装置株と、ソフトバンクグループ・ファーストリテイリング・リクルートという値がさグロース株でした。「半導体が買われた日」と一括りにできない構図です。

日経平均採用225銘柄の騰落は、値上がり122・値下がり102・変わらず1でした。

東証プライムの騰落状況

東証プライムの値上がりは840銘柄、値下がりは671銘柄、横ばいは47銘柄でした。比率では値上がり53.9%、値下がり43.0%となり、前日の値上がり8割からは後退したものの、市場全体としては上昇銘柄が上回っています。年初来高値の更新は42銘柄、年初来安値の更新は2銘柄でした。

ここが日経平均とTOPIXの逆行を読み解く鍵です。日経平均は株価の高い値がさ株の影響を強く受ける指数であるのに対し、TOPIXは時価総額加重。値がさハイテク数銘柄が下げても、銀行や商社など幅広い銘柄が上げればTOPIXはプラスを保てます。この日の相場は「全体が売られた」のではなく、「指数を動かす一部の銘柄が売られた」一日でした。

業種別・テーマ別の動き

上昇した業種

非鉄金属、銀行業、卸売業、石油・石炭製品、ガラス・土石製品などが上昇しました。原油高を受けた資源関連に加え、日銀の利上げが意識されて三菱UFJなど銀行株に買いが集まっています。

下落した業種

サービス業、空運業、小売業、精密機器、倉庫・運輸関連業などが下落しました。円安とインフレ懸念でニトリHDなど小売り・食料品の内需株に売りが優勢となり、原油高は空運業の逆風となっています。

物色の方向

グロースからバリューへ、という資金の流れが読み取れます。円安が「輸出株の追い風」よりも「コスト増の逆風」として意識された点は、これまでの円安局面と異なる反応でした。実際、中東情勢の緊張で世界景気の先行き不透明感がくすぶるなか、トヨタなど自動車株への輸出採算改善を見込んだ買いは限られています。

個別銘柄の動き

区分銘柄株価騰落率
上昇1位多木化学5,380円+9.46%
上昇2位インソース690円+9.35%
上昇3位富士紡ホールディングス4,085円+9.22%
下落1位澁澤倉庫1,838円-13.95%
下落2位松屋1,741円-7.69%
下落3位タカラトミー3,455円-6.37%

上昇率1位の多木化学は、英ファンドの大量保有報告を受けた思惑買いが材料視されました。決算関連では、オービックの4-6月期(1Q)経常が18%増益、OBCが同21%増益で着地しています。ストップ高は6銘柄、ストップ安は2銘柄でした。翌23日はディスコ、KOAなど7社が決算発表を予定しています。

為替・米国株・金利の影響

指標直近値前日比
NYダウ(7/21終値)52,224.64+385.38(+0.74%)
NASDAQ総合(7/21終値)25,837.21+1.29%
ドル円(東京15時台)約163.00円安方向
米10年債利回り(7/21)4.622%+0.030
WTI原油(7/21)85.15ドル+2.31%

ドル円は東京市場で下げ渋る展開でした。前日の海外市場で約40年ぶりに163円台へ乗せたあと、閣僚の円安牽制発言を受けて163円22銭から下落基調に転じ、午後は政府の為替介入への警戒感から162円66銭まで下押し。ただドル買い地合いが続き163円付近へ戻しています。17時時点は162円90-00銭でした。片山財務相は必要があれば断固たる対応をとる旨を述べましたが、市場の反応は限定的でした。

金利面では、米イランの軍事衝突が10日目に入り、トランプ大統領が攻撃強化の可能性を警告したことで原油が上昇。インフレ懸念から米国債利回りは全年限で上昇しました。日本の10年債利回りも2.7%台へ水準を切り上げており、日銀の利上げ観測が銀行株買いの背景にあります。

テクニカル面

本日の高値67,592円が目先の上値メド、安値65,955円が下値のフシとして意識されやすい水準です。前日高値圏から上に抜けきれずに失速した形のため、67,500円前後は当面の抵抗帯となる可能性があります。下値では前週末17日の安値62,704円までの間に明確な支持帯が乏しく、値幅が出やすい地合いが続いています。

25日・75日移動平均線との乖離率やRSIの具体値は本稿執筆時点で確認できず、数値の言及は控えます。

見通し(想定レンジ)

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日65,000円〜67,500円今晩の米ハイテク決算の内容、為替介入の有無
1ヶ月後62,000円〜69,000円FOMC、中東情勢と原油、国内決算、日銀の政策姿勢
1年後60,000円〜75,000円世界景気の方向、AI投資の持続性、国内長期金利の上昇ペース

いずれも確定的な予想ではなく、前提条件が変われば上下どちらにも振れやすい点にご留意ください。

今日の結論

朝方の1,300円超高を、円安とインフレ懸念、そして米ハイテク決算前の様子見が丸ごと吐き出させた一日——それが7月22日の相場でした。日経平均はマイナス、TOPIXはプラスという逆行が示す通り、売られたのは相場全体ではなく指数を支えてきた値がさグロース株です。円安が追い風ではなくコストとして意識され始めた点は、今後の物色を占ううえで気に留めておきたい変化といえます。

指標を絞って手早く振り返りたい方は通常版ノートをご覧ください。

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【2026年7月22日】今日の日本株ノート|朝方1,300円超高から失速、円安とインフレ懸念で日経平均は116円安の小幅反落
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