2026年6月26日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に反落し、前日比3005円46銭(4.15%)安の6万9360円88銭で取引を終えました。下落幅は歴代3位となり、7万円の大台を再び割り込みました。メモリー価格高騰によるAI投資減速懸念、OpenAIのIPO延期検討報道、韓国市場のサーキットブレーカー発動、四半期末の利益確定という4つの要因が重なった複合的な急落の一日を深掘りします。

通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価69,360.88円-3,005.46円-4.15%
TOPIX3,963.36-53.11-1.32%
JPXプライム150指数1,646.28-30.07-1.79%

東証プライム市場の売買代金は概算で12兆1679億円、売買高は23億9793万株でした。値上がり銘柄数は915と全体の6割近くを占め、値下がりは613、変わらずは33でした。

特筆すべきは、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回りながら日経平均が歴代3位の下落幅を記録したという逆説的な構図です。これは、指数寄与度の大きい一部の値がさ株が集中的に売られたことで、相場全体とは乖離した形での指数急落が生じたことを示しています。

日経平均を動かした主な要因

今回の急落には、四つの要因が複合的に重なりました。

第一に、メモリー価格の高騰がAI投資の減速をもたらすかもしれないという懸念です。前日の米国市場でマイクロン・テクノロジーが市場予想を大幅に上回る好決算(売上高前年同期比4.5倍)を発表しましたが、市場はこれをポジティブに受け取りませんでした。「メモリー価格の高騰は、顧客であるハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の予算を圧迫し、結果的にAI投資が減速して将来のメモリー需給にも悪影響が出る恐れがある」という解釈が広がり、むしろAI・半導体株の売りを招く皮肉な展開となりました。

第二に、米紙ニューヨーク・タイムズが25日に報じたOpenAIのIPO延期検討です。2026年後半に計画していたIPOを27年に延期することを検討しているという内容で、主要出資者であるソフトバンクグループ(SBG)が急落し、その大きな指数寄与度が日経平均全体を大きく押し下げました。SBGの下落率は12.53%に達しました。

第三に、後場に発生した韓国総合株価指数(KOSPI)の急落とサーキットブレーカーの発動です。韓国市場で半導体関連株の下落が拡大しサーキットブレーカーが発動されると、日本株にも売りが加速し、日経平均は一時3700円超の下落まで下げ幅を広げ、節目の6万9000円を下回る場面もありました。

第四に、6月末という四半期末のタイミングです。前日までに日経平均は7万円台まで急ピッチで上昇していたとあって、機関投資家が利益確定売りを出しやすい地合いでした。

寄与度分析

下落の中心となったのはSBG、キオクシアホールディングス、アドバンテスト、東京エレクトロンなど指数寄与度の大きい値がさのAI・半導体関連株です。SBGはOpenAI IPO延期報道を受けて12.53%の急落となり、単独で日経平均を大幅に押し下げました。

区分銘柄名株価騰落率備考
下落1位(値下がり率)ソフトバンクグループ-12.53%OpenAI IPO延期報道が直撃
下落2位(値下がり率)デクセリアルズ-12.23%半導体関連の売りに連動
下落3位(値下がり率)キオクシアホールディングス-11.24%メモリー価格高騰→AI需要減速懸念
下落4位(値下がり率)太陽誘電-10.84%半導体関連の売りに連動
上昇(内需・バリュー)トヨタ自動車・スズキ上昇AI株から自動車・内需への資金シフト
上昇(金融)三菱UFJ上昇金利低下環境でも底堅い

※終値時点の確定寄与度(円換算)は本記事執筆時点では確認できておりません。後日の速報データで確認が取れ次第、補足する予定です。

東証プライム騰落状況

東証プライムの値上がり銘柄は915と全体の6割近くを占め、値下がりは613でした。相場全体としては値上がり銘柄が優勢だったにもかかわらず、日経平均が歴代3位の下落幅を記録したのは、SBGやキオクシア、アドバンテストなど指数寄与度の大きい値がさ株への売りが集中したためです。

この構図は先週のAI・半導体株主導の上昇局面と正反対であり、一部銘柄への資金集中が指数の値動きを歪めていることを改めて示しています。

業種別・テーマ別の動き

半導体・AI関連

ソフトバンクグループ、キオクシアホールディングス、アドバンテスト、東京エレクトロン、太陽誘電、村田製作所、イビデンが軒並み大幅安となりました。AIラリーをけん引してきた中心的な銘柄群が一斉に売られる展開となりました。

自動車・内需

トヨタ自動車、スズキ、三菱UFJ、花王、KDDI、サンリオ、三井不動産が上昇しました。AI・半導体株から内需・バリュー株への資金シフトが一部で見られました。

業種別動向

銀行、サービス、小売りなどが上昇した一方、非鉄金属、半導体関連などが大幅安となりました。

為替・米国株・金利の影響

ドル円は15時時点で161.54円となり、前日の17時時点(161円81〜82銭)から約27銭の円高方向となりました。日経平均の急落によるリスク回避的な円買いが入ったほか、WTI原油先物価格がサウジアラビアの石油積み込み再開報道を受けて70ドル台前半まで下落したことも円高要因となりました。

前営業日(6月25日)の米国市場はまちまちとなりました。NYダウは前日比71.72ドル(0.14%)高の51,920.62ドルで続伸しましたが、ナスダック総合指数はアップルやマイクロソフトなど主要ハイテク株の下落を受けて0.43%安で取引を終えました。このナスダックの軟調が、東京市場でのAI・半導体株売りの引き金の一つとなりました。

米10年債利回りは4.36%台まで低下しました。25日に発表された5月の米個人消費支出(PCE)物価指数のコア指数が前年同月比3.4%上昇と市場予想と一致したことで、早期利上げへの懸念がやや和らいだことが背景とみられます。

個別決算・材料株

銘柄・テーマ材料内容株価反応
ソフトバンクグループ出資先のOpenAI IPO延期検討報道(NYT報道)-12.53%の急落
キオクシアホールディングスマイクロン好決算→メモリー価格高騰→AI投資減速懸念という逆説的な売り材料-11.24%の大幅安
OpenAI(参考)2026年後半計画のIPOを2027年に延期検討と報道。アドバイザーが市場環境の不安定さと1兆ドル目標達成の困難を警告未上場のため直接影響なし(SBGに間接影響)

なお、OpenAIのIPO延期検討報道の背景には、スペースXの株価が上場初日の160ドルから153ドル台へ下落するなどAI・テック株市場全体が不安定化していることがあります。AIブームの収益化に対する懐疑的な見方が強まりつつあることも、今後の相場に影響を与える可能性があります。

テクニカル面

日経平均は6月19日(7日続伸)以降、23日に歴代5位の下落幅(-2565円)を記録し、25日に一時的に最高値を更新した後、本日再び歴代3位の下落幅(-3005円)を記録しました。7万円台に乗せてからわずか1週間余りで再び7万円を割り込んだことになります。

6月末の四半期末を経て、来週以降は7月に入ります。AIラリーが続くのか、それとも本格的な調整局面に入るのか、相場の方向性を見極める重要な局面に差し掛かっています。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日68,000円〜71,000円AIバブル懸念の払拭度合い、SBGの動向、米国市場の反応次第で振れやすい局面
1ヶ月後65,000円〜73,000円2026年4〜6月期決算発表シーズンの内容、AI関連企業の業績見通し修正の方向性次第
1年後62,000円〜80,000円AI・半導体需要の持続性、日米の金融政策の方向性、企業収益の改善ペースが上値・下値を左右

今日の結論

「好材料が悪材料に化けるAIバブル懸念の洗礼」。マイクロンの好決算が皮肉にもAI投資減速懸念を招き、OpenAI IPO延期報道がSBGを直撃し、韓国KOSPIのサーキットブレーカー発動がパニック売りを加速した複合的な急落でした。

ただし、値上がり銘柄数が6割近くを占めたことは、相場全体の崩壊ではなく、AI・半導体という特定セクターへの売り集中が指数急落の主因であることを示しています。来週以降、この急落がAIラリーの本格的な終焉なのか、それとも健全な調整に過ぎないのかを見極める局面となりそうです。

より簡潔な振り返りは通常版をご覧ください。

3
短く確認する(約3分)
【2026年6月26日】今日の日本株ノート|AIバブル懸念とOpenAI IPO延期報道が重なり歴代3位の暴落、日経平均-3005円で7万円台から転落
← 前の記事 【2026年6月25日】今日の日本株 深掘りノート|マイクロン「満点以上」決算でAIラリー完全復活、歴代4位の3191円高で最高値更新

日経平均を毎日チェックするなら、見やすい証券アプリを選ぶことも大切です。相場確認に使いやすいアプリの選び方をまとめた記事も、参考にしてみてください。