本記事は、2026年6月24日(水)の東京株式市場を多角的に深掘りした上級者向けの分析記事です。通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価69,174円約▲613円約▲0.88%
TOPIX確認できず確認できず確認できず
JPXプライム150前引け1,657.09▲6.96(前引け)▲0.42%(前引け)
項目数値(前引け時点)
東証プライム売買代金(前引け)5兆6,209億円
東証プライム売買高(前引け)10億2,603万株
値上がり銘柄数(前引け)865銘柄
値下がり銘柄数(前引け)635銘柄
横ばい銘柄数(前引け)60銘柄

日経平均株価は前日比約613円安の69,174円で大引けを迎え、2日続落となった。後場では一時1,300円安まで急落する場面があったが、韓国総合株価指数(KOSPI)が前日の急落から持ち直したことや、同日夜に予定されている米マイクロン・テクノロジーの決算発表への期待感から下げ幅が縮小した。前引け時点では値上がり865対値下がり635と、日経平均の下落幅に比して市場全体への売りの広がりは限定的だった。日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時40を超え、高ボラティリティーの相場環境が3日連続で継続している。

日経平均を動かした主な要因

① 米SOX▲8%・ナスダック▲2%超の直撃

最大の下落要因は、6月23日(月)の米国市場でのAI・半導体株の大幅安だ。ナスダック総合指数は2%超の大幅下落となり、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は8%近い急落を記録した。NYダウも前日比45.87ドル安(▲0.08%)の51,666.84ドルと3営業日ぶり反落となり、ディフェンシブ株が下支えしたものの相場の重心はリスクオフ方向だった。東京市場では東京エレクトロン・ディスコ・TDKなど前週まで相場を牽引してきたAI・半導体関連が朝から売られた。

② 四半期末リバランス売り

6月末は四半期末にあたり、国内機関投資家によるポートフォリオのリバランス(資産配分の調整)目的の株売りが需給面で重荷となっているとの指摘があった。大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは「四半期末を控えた国内機関投資家によるリバランス目的の株売りが需給面で重荷となっている」とコメントしており、通常の相場要因に加えて需給面からの売り圧力が加わった。

③ 日経平均VI指数が一時40超——恐怖指数の高まり

日経平均の予想変動率を示すボラティリティー・インデックス(VI)は連日上昇し、6月24日も一時40を上回った。VI指数40超は相場参加者の間で強い不安感が広がっていることを示し、リスクの高まりを嫌う投資家が保有株の一部を売る動きも出た。前場中ごろにはこのVIの上昇を受けたリスク管理売りが相場を一段と押し下げる局面があった。

④ 後場:韓国KOSPI反発・マイクロン決算期待で下げ渋り

後場に入ると、前日9.9%急落していた韓国KOSPIが持ち直す動きを見せ、連動性の高い日本のAI・半導体株への売りが一服した。さらに、同日夜(日本時間6月25日早朝)に予定されている米マイクロン・テクノロジーの2026年3〜5月期決算発表への期待感から、同業のキオクシアHDに見直し買いが入ったことも相場を下支えした。市場では「マイクロン決算が期待を上回れば、AI・半導体が再びけん引する株高トレンドが戻る」との声もあり、1,300円安から613円安へと下げ幅を大幅に縮小した。

寄与度分析

6/24の大引け確定寄与度ランキングは本記事作成時点で財経新聞等に未掲載のため、前場NQNニュース・日経前引け記事・日経CNBC大引け解説タイトルを参照した暫定データを示す。

区分銘柄名動き主な背景
押し下げ①東京エレクトロン(8035)大幅下落米SOX▲8%の直撃、半導体売り中心
押し下げ②ディスコ(6146)下落半導体関連の売り継続
押し下げ③TDK(6762)下落電子部品全般への売り
押し下げ④信越化学(4063)下落素材・半導体関連の売り
押し下げ⑤ソフトバンクG(9984)朝高後失速・下落後場にかけて売り優勢
押し下げ⑥フジクラ(5803)下落前日の逆行高から利確売り転換
押し上げ①ファーストリテイリング(9983)上昇内需ディフェンシブ買い継続
押し上げ②キオクシアHD(285A)上昇米マイクロン決算期待の連想買い
押し上げ③村田製作所(6981)上昇電子部品の一部に見直し買い
押し上げ④パナソニックHD(6752)上昇内需系への資金流入

特筆すべきは前日(6/23)逆行高だったフジクラが今日は下落に転じた点だ。3日間の動きを見ると、6/22には寄与度上位(プラス寄与)、6/23は+5.29%の逆行高、6/24は利確売りで下落と、個別材料株としての役割を終え、相場全体の流れに飲み込まれた形となった。

東証プライム騰落状況

前引け時点での値上がり865対値下がり635という構図は、日経平均の下落幅(前引け▲264円)に比して市場全体への売りの広がりが限定的であることを示している。前日(6/23)の値下がり1,154(全体の約7割)と比べると、この日は相場の「傷の深さ」が異なる。

一方、後場は1,300円安まで急落する場面があった。前場は前日の買い戻し需要もあって相対的に底堅かったが、後場に入ると米国先物や韓国市場の動向に敏感に反応する展開となった。最終的には下げ幅を大幅に縮小して引けており、「1,300円安から613円安への回復」という後半の動きが今日の特徴といえる。

日経平均の10日移動平均線(69,248円)付近でのサポートと、TOPIXの25日移動平均線付近でのサポートが機能し、「移動平均線がテクニカルの下値めど」として市場参加者に意識された。

業種別・テーマ別動き

半導体・AI関連:米SOX▲8%の余波で3日連続安

東京エレクトロン、ディスコ、TDK、信越化学など前週まで相場を牽引した半導体・AI関連が朝から売られ、3日連続の下落となった。6月15日〜22日の8日続伸で急騰した銘柄群の調整が続いており、利益確定売りと米半導体株安の二重の圧力を受けた形だ。ただし後場にキオクシアHDがマイクロン決算期待で上昇に転じたことが、半導体セクター全体の下落を幾分和らげた。

内需ディフェンシブ:3日連続の受け皿に

ファーストリテイリング、リクルートHD、パナソニックHDが上昇し、半導体株から逃避した資金の受け皿となった。6月22日(8連騰最終日)には利確売りされていたこれらの銘柄が、今週は逆にリスクオフ相場での安全資産として機能している。

電子部品の明暗:村田製↑、TDK↓

同じ電子部品セクターでも、村田製作所が上昇したのに対してTDKは下落するなど、銘柄選別が進んでいる。村田製はAI・データセンター向けMLCC(積層セラミックコンデンサー)需要への期待が根強く、TDKは直近の急騰からの利確売りが優勢だったとみられる。

フジクラの変遷——材料株から市場平均へ

前日(6/23)に+5.29%の逆行高を演じたフジクラが、今日は下落に転じた。6月18日の業績上方修正を契機に注目を集め、電線・AI関連の象徴銘柄として市場で取り上げられ続けてきたが、その材料効果も3日分の消化が進んだ形だ。今後は改めてファンダメンタルズに基づく評価に戻っていくかどうかが注目点となる。

為替・米国株・金利の影響

指標水準取得時点・備考
ドル円(東京15時台)161円50銭〜161円69銭のレンジみんかぶFX 15:45配信の東京為替概況記事より
NYダウ(6/23終値)51,666.84ドル(▲45.87ドル、▲0.08%)日経電子版より確認。3営業日ぶり反落
NASDAQ総合(6/23終値)確認できず(2%超の大幅下落)株探マーケット日報に「ナスダックは2%超の下げ」と記載
SOX指数(6/23)8%近い急落日経前引け記事に「SOXが8%近く下げた」と記載
米10年債利回り(6/24)低下傾向みんかぶ6/24 5:40記事「米10年債利回り低下 原油下落続く」より
WTI原油(6/24)続落(ホルムズ海峡の航行回復)みんかぶ6/24 5:35記事より

ドル円は東京15時台に161円50〜69銭という狭いレンジでのもみ合いとなった。前日に162円を試す動きがあり日米財務相会談報道で161円台まで戻した流れを受け、この日は方向感が定まらない展開だった。米金利は前夜のNY債券市場で低下し、原油先物の続落(ホルムズ海峡の航行回復傾向)を受けたインフレ懸念の後退が背景にある。原油の続落は短期的にはインフレ圧力低下としてグロース株に追い風の側面もあるが、すでに半導体株の調整が先行している局面では影響は限定的だった。

植田日銀総裁が大引け後の15時40分に発言する予定があり、市場では次回利上げのタイミングへの言及があるかどうかが注目されていた。発言内容の詳細は本稿作成時点では未確認のため、翌日(6/25)の円相場・長期金利の動向から市場の受け止め方を確認されたい。

個別決算・材料株

銘柄名材料内容株価反応
キオクシアHD(285A)同日夜発表の米マイクロン決算を先取りした連想買い。「決算が期待を上回れば半導体相場が再加速」との市場期待上昇(相場全体の下落に逆行)
三菱重工(7011)特段の材料は不明。相場全体の売りに押される11ヵ月ぶり安値(日経CNBC大引け解説タイトルより)
伊藤園(2593)材料詳細未確認急落(日経CNBC大引け解説タイトルより)
三越伊勢丹HD(3099)日経CNBC大引け解説で「上場」との言及(新規上場イベントの可能性)詳細未確認
フジクラ(5803)6/18業績上方修正の材料効果が一巡下落(3日ぶりに市場平均に合流)

テクニカル面

日経平均の終値69,174円は、前日の69,788円から続落し、6月15日の急騰起点(69,317円)をも下回った。6月15日以前の水準に相場が押し戻された形で、急騰の起点へ「全戻し」に近い状態となっている。

テクニカル上の注目ポイントとして、株探マーケット日報は「日経平均は10日移動平均線(69,248円)、TOPIXは25日移動平均線にそれぞれサポートされ反転の態勢を整えつつある」と指摘している。これは、この水準を維持できるかどうかが短期的なトレンド継続の分岐点になることを示唆している。

また日経平均VIが一時40を超えたことは、2024年8月の急落時(いわゆる「令和のブラックマンデー」)に近い恐怖水準にある。過去のパターンでは、VIが高水準で推移した後に相場が安定化する局面があり、今後のVIの推移が底入れのシグナルになるかどうかが注目される。

下値のめどとしては、6月16日終値(69,404円)・6月15日終値(69,317円)が意識されてきたが、今日の終値(69,174円)はこれらを下回った。次の支持水準は6月12日ごろの水準(67,000〜68,000円台)が意識されやすい。上値めどは7万円の大台回復が短期的な焦点となる。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日(6/25)68,000円〜71,000円米マイクロン決算(6/24夜)の結果、米5月PCEデフレーター(6/25発表)、植田日銀総裁発言(6/24 15:40)への市場反応
1ヶ月後(7月下旬)65,000円〜74,000円米マイクロン決算後のAI・半導体相場の方向性、次回日銀利上げ時期、米イラン最終合意の進捗
1年後(2027年6月)62,000円〜88,000円米金融政策の転換有無、日銀利上げサイクル、AI需要と企業業績の持続性

翌6月25日(木)の最大の焦点は、6月24日夜(日本時間早朝)に発表される米マイクロン・テクノロジーの2026年3〜5月期決算だ。マイクロンはHBM(高帯域幅メモリー)の主要供給者であり、その決算内容はAI関連の設備投資動向を示すバロメーターとして注目される。市場予想を上回る好決算であれば、日本株のAI・半導体セクターにとって大きな買い材料となりうる。逆に失望内容であれば、さらなる売り圧力が加わる可能性がある。

同日発表される米5月PCEデフレーターも重要だ。FOMCが示したタカ派的なインフレ見通しが正当化されるかどうかを確認する指標であり、予想を上振れた場合は年内利上げ観測が一段と強まりグロース株に逆風となる。マイクロン決算とPCEの二大イベントを通過することで、6月末にかけての相場の方向感がある程度定まりやすい局面だ。

今日の結論

6月24日は米SOX指数▲8%・ナスダック▲2%超という強烈な逆風を受けて続落した。後場には一時1,300円安まで売られる場面もあったが、韓国KOSPIの持ち直しと米マイクロン決算期待というポジティブな手がかりを受け、日経平均は最終的に613円安まで下げ幅を縮小した。「急落後の半値戻し」のような動きは、市場に底値を探る動きが出てきたことを示している。日経平均VI指数の40超という高ボラティリティーの状態が続く中、マイクロン決算とPCEという2つの重要イベントを通過できれば、相場が安定化に向かう可能性も十分あるだろう。

より詳しい数字の確認や通常版の相場解説は、通常版(日経ノート)もあわせてご覧ください。

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【2026年6月24日】今日の日本株ノート|後場一時1300円安も下げ渋り613円安、VI指数40超の高ボラ相場が3日続く
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