6月15日〜19日の東京株式市場は、米イラン戦闘終結合意、日銀の31年ぶり利上げ、米FOMCというマクロイベントが立て続けに発生する中、日経平均株価が週間で7000円を超える歴史的な急騰を演じました。週末19日には史上初めて終値で7万円台に到達しましたが、その裏でTOPIXの動きが日経平均と乖離する場面も目立ち、相場の中身には「ひずみ」も見え隠れした一週間でした。

今週の数字を一目で振り返る

曜日日付終値前日比騰落率
6/1569,317.50円+3,297.46円+4.99%
6/1669,404.50円+87.00円+0.13%
6/1769,902.25円+497.75円+0.72%
6/1871,053.49円+1,151.24円+1.65%
6/1971,250.06円+196.57円+0.28%
項目数値
週初(6/15始値水準の前営業日終値)66,020.04円(6/12終値)
週末終値71,250.06円
週間騰落+5,230.02円
週間騰落率+7.92%

5営業日中5日とも上昇という、極めて稀な全勝の週となりました。なかでも月曜(6/15)の+3,297円、木曜(6/18)の+1,151円という2回の急騰が週間上昇の大部分を牽引しています。

今週の主要テーマ

地政学リスクの後退が相場を動かした一週間

週の起点は、米国とイランの戦闘終結合意でした。月曜には合意発表とホルムズ海峡開放への期待から原油価格が急落し、インフレ懸念の後退が日本株全面高の引き金となりました。週末にかけても、覚書の内容公表(木曜)や正式署名式の予定(金曜)が相場の重要な材料であり続けましたが、金曜には署名式が直前で中止となるサプライズも発生し、地政学リスクが完全には払拭されていない現実を市場に突きつけました。

日銀・FOMCという重要イベントを「無難通過」した一週間

火曜には日銀が政策金利を1.0%に引き上げ31年ぶりの水準としましたが、市場想定通りの結果で株価への影響は限定的でした。水曜深夜(木曜未明)のFOMCはタカ派的な内容で米国株が下落したにもかかわらず、木曜の東京市場は逆行高となり、史上初めて終値で7万円台に乗せるという象徴的な展開となりました。日米双方の金融政策イベントが、結果的に株高を阻む材料にはならなかった一週間といえます。

指数の見た目の強さと相場の中身に生じた「ひずみ」

火曜と金曜の2日間は、日経平均が上昇する一方でTOPIXが下落するという逆行現象が見られました。値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回る中でも日経平均が最高値を更新する場面が複数あり、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、キオクシアホールディングス、フジクラといった一部の値がさ・人気株への資金集中が指数を押し上げた構図がうかがえます。一方で水曜には逆にTOPIXが終値として史上初めて4000台に乗せ、相場全体への広がりが確認された日もあり、週を通じて「広がりのある上昇」と「一部集中型の上昇」が交互に現れた点が今週の特徴です。

注目銘柄——明暗を分けたもの

銘柄名週間の動き材料コメント
フジクラ大幅高(金曜ストップ高水準)18日に今期業績を上方修正週後半のAI・電線株ラリーの中心銘柄
キオクシアホールディングス大幅高(初の10万円台到達)AI・半導体需要を背景とした継続的な物色週を通じて指数のプラス寄与度上位の常連
ソフトバンクグループ振れ幅大(上昇・下落混在)傘下アームの動向、日替わりで寄与度上位・下位に週後半に傘下アーム高で大幅上昇する場面も
東京エレクトロン振れ幅大米半導体株の動向に連動週前半は押し上げ役、週後半は利益確定売りの対象に
アドバンテスト振れ幅大半導体関連の物色循環日によって寄与度上位・下位が入れ替わる展開
太陽誘電軟調な場面が目立つ証券会社の投資評価引き下げ電子部品セクター内でも明暗が分かれた
日本航空・ANAホールディングス上昇(週前半)原油安による燃料コスト低下期待地政学リスク後退の直接的な受益銘柄

来週の注目点5選

1. イラン署名式の行方

金曜に直前中止となった米イラン署名式が、来週以降どのように進展するかが注目されます。再設定され順調に署名に至れば地政学リスクの後退が改めて意識されますが、交渉が難航すれば原油高・リスクオフが再燃する可能性もあります。

2. 為替介入の有無

ドル円は週末時点で161円台まで円安が進行し、4月30日の介入実施水準を大きく上回っています。政府・日銀が実際に介入に踏み切るかどうかが、来週の為替・株式市場双方の重要な分岐点になりそうです。

3. 日経平均の連騰記録更新となるか

今週は5営業日続伸となりました。来週も上昇が続けば連騰記録がさらに伸びることになりますが、短期的な過熱感も強まっているため、健全な調整が入るかどうかが注目されます。

4. AI・半導体ラリーの持続性

フジクラ、キオクシアホールディングスなど一部銘柄主導の上昇が週後半の相場を牽引しました。この物色の流れが来週も続くのか、それとも他セクターへ広がりを見せるのかが焦点となります。

5. 2026年4〜6月期決算発表シーズンへの意識の高まり

今週の市場関係者のコメントでも言及された通り、次の相場の転換点として決算発表シーズンが意識され始めています。発表本格化に向けて、個別企業の業績見通しへの関心が来週以降徐々に強まる可能性があります。

来週の日経平均シナリオ

シナリオ想定レンジ主な前提条件
強気シナリオ73,000円〜76,500円イラン署名式が早期に再設定され進展、為替介入が見送られ円安・株高基調が継続した場合
基本シナリオ69,500円〜73,500円中東情勢が膠着状態となり方向感を欠く中、短期的な過熱感の調整と押し目買いが交錯する場合
弱気シナリオ66,000円〜69,500円為替介入が実施されて円高方向に振れる、または中東情勢が再び緊迫化し原油高・リスクオフが強まる場合

今週の相場を一言で総括

「地政学イベントを次々と乗り越え、史上初の7万円台へ駆け上がった一週間」。米イラン合意、日銀利上げ、FOMCという重要イベントが連続する中、日経平均は週間で7000円超という歴史的な上昇を遂げました。

ただし、その上昇プロセスの中ではTOPIXとの逆行や値下がり銘柄優勢の場面も複数見られ、相場の強さと脆さが同居する一週間だったともいえます。来週はイラン署名式の行方と為替介入の有無が、この勢いの持続性を占う鍵となりそうです。

各日の詳しい値動きは、日次の深掘りノート(6/156/166/176/186/19)をあわせてご覧ください。

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