2026年6月1日(月)〜6月5日(金)の東京株式市場を振り返ります。今週の日経平均株価は前週末(5月29日終値:66,329円50銭)比346円38銭安(▲0.52%)の66,588円12銭で週を終えました。週の前半は上昇基調で3日(水)に年初来高値(68,786円49銭)を更新しましたが、後半はブロードコムの決算失望を契機とした急調整に見舞われ、2日間で累計1,814円下落するという波乱の週となりました。
日経平均は年初来高値から週末にかけて▲3.2%のスピード調整を強いられましたが、TOPIXは週間を通じて相対的に底堅く推移しました。「AI・半導体関連の値がさ株が指数を動かす」という日経平均特有の構造が、上昇局面でも下落局面でも鮮明に表れた一週間でした。
今週の数字を一目で振り返る
日次値動き
| 曜日 | 日付 | 日経平均終値 | 前日比 | 騰落率 | 一言 |
|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 6月1日 | 66,934.33円 | +604.83円 | +0.91% | SBG+14%急騰が牽引、最高値圏へ |
| 火 | 6月2日 | 66,734.24円 | ▲200.09円 | ▲0.30% | 一時1300円超安→キオクシアV字、▲200円まで縮小 |
| 水 | 6月3日 | 68,402.13円 | +1,667.89円 | +2.50% | 年初来高値更新・初の68,000円台・過去最大上げ幅 |
| 木 | 6月4日 | 67,470.69円 | ▲931.44円 | ▲1.36% | ブロードコム失望・SBG▲11%・日銀利上げ観測 |
| 金 | 6月5日 | 66,588.12円 | ▲882.57円 | ▲1.31% | 続落も8割が上昇・バリューへのローテーション |
週間サマリー
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 週初(6月1日) | 66,934.33円 |
| 週末(6月5日) | 66,588.12円 |
| 前週末(5月29日)比 | ▲346.38円(▲0.52%) |
| 週中の最高値 | 68,786.49円(6月3日日中)年初来高値 |
| 週中の最安値 | 確認できず(6月5日日中が有力) |
| 週間値幅(終値ベース高低差) | 約1,814円(68,402円〜66,588円) |
| 東証プライム週間売買代金(参考) | 6月3日だけで10兆8448億円(週間最大) |
今週の主要テーマ
① AI・半導体バブルの「試金石」となったブロードコム決算
今週最大のイベントは、6月3日引け後に発表されたブロードコム(AVGO)の四半期決算でした。売上高は前年同期比48%増の221.9億ドルと過去最高を更新しましたが、第3四半期のAI半導体売上高見通し(160億ドル)がアナリスト予想平均(172億ドル)を下回り、時間外取引で株価が10%超急落しました。
この「好業績なのに失望売り」という現象は、AI・半導体株に対する市場の期待水準がいかに高かったかを如実に示しています。翌4日の東京市場でブロードコムショックが波及し、日経平均は931円安と急反落。さらに5日も882円安と続落したことで、3日に記録した年初来高値からわずか2日間で2200円超の調整幅となりました。高いバリュエーションに乗った相場は、わずかな「期待との乖離」でも急速に調整しうることを改めて示した出来事でした。
② SBGがけん引した歴史的急騰と、その反動
週明け6月1日、ソフトバンクグループ(SBG)が+14%の急騰を演じ、日経平均を600円超押し上げました。AI関連企業への積極投資が評価されたものとみられ、一時は時価総額が国内首位となる場面もありました。この流れを受けて6月3日には日経平均が+1,667円の過去最大上げ幅を記録し、年初来高値を更新しています。
ところが6月4日にはブロードコムショックの余波でSBGが-11%超と急落、1銘柄だけで日経平均を754円押し下げました。SBGは今週の日経平均の上昇と下落の双方で主役を演じた形で、「少数の値がさ株への依存度が高い日経平均の構造リスク」が改めて注目されました。SBGの時価総額は一時48兆円超に達しましたが、4日午後にはキオクシアに逆転される場面もありました。
③ 日銀6月利上げ観測と資金ローテーションの萌芽
6月4日午後、ブルームバーグが「日銀は6月の金融政策決定会合で政策金利を0.25ポイント引き上げる方向で検討する」と報道し、相場に追加の重しとなりました。一方で翌5日には、AI・半導体関連から海運・保険・不動産・医薬品などの出遅れバリュー株への資金シフトが鮮明となり、日経平均が882円安の一方でプライム市場の約8割が上昇するという異例の乖離が生じました。
これは「AI相場の調整」というより「AI相場一本足打法から、より広い相場への移行」を示唆している可能性があります。日銀の利上げ観測が金利上昇恩恵セクターへの注目を高めており、来週以降もこのローテーションが続くか注目されます。
注目銘柄——明暗を分けたもの
| 銘柄名 | コード | 週間の主な動き | 材料・コメント |
|---|---|---|---|
| ソフトバンクグループ | 9984 | 月曜+14%急騰→木曜▲11%急落 | AI投資テーマで急騰後、ブロードコムショックで急落。1銘柄で週の日経平均を最大+600円・▲754円動かした |
| キオクシアHD | 285A | 6月2日に売買代金3兆円超の異次元商い | 投資家向け説明会への期待買いが殺到。6月3日には一時トヨタを上回り時価総額国内2位に浮上。最高値を更新 |
| ブロードコム(米) | AVGO | 決算発表後に時間外▲10%超 | AI半導体Q3ガイダンスが市場予想を下回り失望売り。東京市場の半導体・AI関連全体に波及 |
| アドバンテスト | 6857 | 6月3日に大幅上昇→その後反落 | WSTS半導体市場1兆ドル突破予測が追い風。3日の急騰後は4・5日と調整 |
| 東京エレクトロン | 8035 | 3日急騰後に調整 | 半導体製造装置の主力として週前半の上昇を牽引。ブロードコムショック後は利益確定売りにさらされた |
| 第一三共 | 4568 | 金曜日に上昇 | AI・半導体調整局面でディフェンシブ銘柄への資金シフトを体現。バリューローテーションの受益銘柄の一つ |
| ファナック | 6954 | 週後半に続落 | 半導体・精密機器関連の値がさ株として、ブロードコムショック後の売り圧力を受けた。日経平均の押し下げに寄与 |
来週の注目点5選
① 米5月雇用統計の結果(6月5日発表後の反応確認)
本日(6月5日)夜21時30分に発表された米5月雇用統計が、来週の相場の起点となります。非農業部門雇用者数の市場予想は8.5万人増と前回から鈍化見込みで、底堅い結果となればFRBのタカ派姿勢が強まり、ドル高・米金利上昇を通じて日本株に影響が及ぶ可能性があります。週明けの日本株は雇用統計結果を受けた米市場の動きを確認してから始まります。強い結果ならドル高による輸出株への恩恵、弱い結果なら米利下げ期待で米株高・円高というシナリオが想定されます。
② 日銀金融政策決定会合(6月16〜17日)への観測報道
今週のブルームバーグ報道を受け、「日銀6月利上げ(0.25ポイント→1.0%)の方向で検討中」という観測が市場に広まっています。来週も日銀関係者の発言や追加報道に市場が神経質に反応する可能性があります。利上げが確実視されれば金融セクターへの買いが続く一方、高バリュエーション銘柄への圧力が続く展開が想定されます。植田総裁や審議委員の発言次第で方向感が変わりうる局面です。
③ AI・半導体株の調整が一巡するかどうか
ブロードコムショック後の調整が続くAI・半導体関連株が、週明けに下げ止まりを見せるかどうかが注目されます。今週の調整でSBG・アドバンテスト・東京エレクトロン等の主要銘柄が高値から一定の水準を切り下げており、押し目買いの好機とみる向きもあります。一方でブロードコムの米国本市場での継続的な動向が東京市場に直接波及するため、来週もブロードコム株の値動きが東京市場の半導体関連銘柄の先行指標となりうる点に注意が必要です。
④ バリュー・内需株へのローテーションの持続性
今週末(6月5日)に鮮明となった「AI・半導体→海運・保険・不動産・医薬品」への資金シフトが来週も続くか注目されます。このローテーションが継続すれば、日経平均は値がさ株の重荷で軟調でも、TOPIXや中小型株は堅調というパターンが続く可能性があります。TOPIXが週末に▲0.07%にとどまったという事実は、「日本株全体の基調は崩れていない」との解釈も成り立ちます。
⑤ 中東情勢(イスラエル・レバノン停戦の行方)と原油価格
今週、イスラエルとレバノンの停戦合意が報じられ(ただしヒズボラは拒否)、WTI原油は6月4日時点で96ドル台と高止まりしています。中東情勢の一段の緊張緩和があれば原油安・円安修正のシナリオも考えられる一方、情勢が悪化すれば原油高→インフレ圧力→FRBタカ派という展開も想定されます。「有事のドル買い」でドル円が160円台に乗せてくると、日本政府・日銀による為替介入への警戒感も高まりそうです。
来週の日経平均シナリオ
| シナリオ | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 強気シナリオ | 68,000円〜70,000円 | 米雇用統計が適度な軟化→FRB利下げ期待復活。AI・半導体株の下げ止まり・反発。日銀利上げ観測が「経済の強さの証左」と前向きに解釈される |
| 基本シナリオ | 65,500円〜68,000円 | 雇用統計は概ね予想通り。AI・半導体株は不安定も下値は限定的。日銀利上げ観測は継続、バリュー株への緩やかなローテーションが続く |
| 弱気シナリオ | 63,000円〜66,000円 | 雇用統計が強くFRBタカ派強まり米株安。日銀利上げ観測が株式全般への逆風に。中東情勢が再度悪化し原油急騰・リスク回避加速 |
今週の相場を一言で総括
「68,786円の頂を踏んだ後、2日間で2200円を失う——ブロードコムが引いた引鉄と、SBGという振り子が描いた波乱の週」
今週の相場は「AIバブルの試金石」とも言える展開でした。前半は歴史的な急騰で年初来高値を更新しましたが、ブロードコム決算がそのバブルに針を刺すような結果となりました。それでも週末のプライム市場で8割の銘柄が上昇したという事実は、日本株全体の地力の強さを示唆しています。相場の主役がAI・半導体からより広いセクターへと広がるプロセスが始まった可能性もあり、来週の日銀会合と米国マクロ指標が今後の方向性を示すことになりそうです。
各日の詳しい分析は日次の深掘りノートをご参照ください: 6月1日(月)・ 6月2日(火)・ 6月3日(水)・ 6月4日(木)・ 6月5日(金)
編集者メモ(非公開)
【取得できた深掘りノートと各日の概要】
- 6月1日(月):過去チャット(6月2日リサーチ内の前日終値)から確認。終値66,934.33円(+604.83円)。SBG+14%急騰。深掘りノート本文は未取得(会話履歴になし)
- 6月2日(火):過去チャットから完全取得。終値66,734.24円(▲200.09円)。一時1300円安→V字回復。キオクシア3兆円商い。アンソロピックIPO申請報道
- 6月3日(水):過去チャットから完全取得。終値68,402.13円(+1,667.89円)。年初来高値・過去最大上げ幅。TOPIX 3,996.20。キオクシア一時トヨタ超え
- 6月4日(木):本セッションで作成。終値67,470.69円(▲931.44円)。ブロードコム失望・SBG▲11%(▲754円寄与)。日銀利上げ観測
- 6月5日(金):本セッションで作成。終値66,588.12円(▲882.57円)。プライム8割が上昇。TOPIX▲0.07%。バリューローテーション
【今週の主要テーマ選定理由】
- ブロードコム決算:今週の最大の転換点。「好業績なのに失望売り」という現象が今後の相場解説にも重要
- SBGの急騰・急落:日経平均構造リスクを最もわかりやすく体現した動き
- 資金ローテーション:週末の特異な「日経▲1.3% vs TOPIX▲0.07%」が来週の注目点としても重要
【シナリオのレンジ設定根拠】
- 強気:週間最高値68,786円回復を念頭に。70,000円は心理的節目として上限設定
- 基本:週末終値66,588円を挟んだ±3〜5%の水準。日銀観測が継続する中での小動き
- 弱気:5月末水準(66,329円)を下抜けた場合の延長線上。5月25日以前の水準(65,000円台前半)が意識される
【事実確認が必要な数値】
- 6月1日深掘りノート:本文未作成のため、週次まとめでは終値と前日比のみ反映
- 6月3日深掘りノート:本文未確認。TOPIX終値3,996.20は過去チャットから確認
- 各日のドル円・東京15時台確定値:usd/usdDateは複数日で「確認できず」のまま
- 各日のナスダック総合終値(6/4現地):26,853.97は暫定値
- 来週の日経平均シナリオレンジ:あくまで参考値。投資判断の根拠にしないよう本文でも明示