10月23日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比214.68円安の62,693.16円と続落しました。メタやテスラの決算を機に米国でAI投資の収益化への懸念が再燃し、ナスダックは2.6%安となりました。東京でも朝方は一時1,445円安の61,462円まで売られ、200日移動平均線(61,403円)の目前まで迫りました。

ただ、売り一巡後はディフェンシブ株への資金逃避や半導体主力株への押し目買いが入り、取引終了にかけて下げ幅を大きく縮めました。一方でTOPIXは0.79%安、値下がり銘柄は6割を超え、売買代金は8兆9,383億円まで膨らんでいます。指数の下げ幅以上に、市場の中身は重い一日でした。

通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指標終値前日比騰落率
日経平均62,693.16円▲214.68円▲0.34%
TOPIX3,965.81▲31.69▲0.79%
東証グロース250確認できず確認できず確認できず
項目数値
東証プライム売買代金8兆9,383億円
東証プライム売買高28億8,432万株
値上がり/値下がり/変わらず553/951/48銘柄
日経平均 始値/安値62,667.05円/61,462.61円(9:10)
週間騰落(10/16比)▲2,631.13円(▲4.03%)

日経平均を動かした主な要因

米国でAI投資への懸念が再燃

22日の米国市場では、メタ(▲6.97%)やインテル(▲8.03%)、アルファベット(▲3.07%)が大きく下げ、ナスダックは694ポイント安となりました。メタとテスラの決算をきっかけに「AIへの巨額投資は本当に収益に結びつくのか」という疑念が再び強まり、東京市場でも寄り付きからAI・半導体関連株に売りが先行しました。

国内の利上げ観測と原油高

寄り前に発表された9月全国コアCPIは前年比+2.1%と9カ月ぶりに2%台に戻り、コアコアCPIも+2.4%と予想を上回りました。30日の日銀会合に向けた利上げ観測が意識され、株価の重荷になったとされています。中東情勢への警戒からWTI原油先物が99ドル台に上昇したことも、投資家心理を冷やしました。

200日線手前からの下げ渋り

9時10分に61,462円をつけた後は売りが一巡し、日用品・医薬品などのディフェンシブ株や、金利低下を受けた不動産株に資金が向かいました。後場は韓国株が戻りを試すなかで、前日急落した半導体主力株にも押し目買いが入り、下げ幅は終値で200円台まで縮小しました。

寄与度分析

区分銘柄寄与度騰落率
押し上げ1位ファーストリテイリング+95.47円+1.58%
押し上げ2位中外製薬+18.30円+2.74%
押し上げ3位キオクシアHD+11.33円+1.27%
押し下げ1位TDK▲78.88円▲5.61%
押し下げ2位日東電工▲23.77円▲3.80%
押し下げ3位ソフトバンクグループ▲23.46円▲0.67%

前日に2銘柄で約805円を押し下げたアドバンテスト(▲0.09%)と東京エレクトロン(+0.08%)は、朝方の急落から持ち直してほぼ横ばいで引けました。代わりに押し下げ役となったのはTDKや日東電工、京セラ、村田製作所などの電子部品株と、コナミG(▲22.75円)などのゲーム株でした。

値下がり寄与の合計は▲478円と、前日の▲1,900円から大きく縮小しています。特定の値がさ株に下げが集中した前日とは異なり、押し下げが多くの銘柄に分散したのが特徴です。ファーストリテイリング1銘柄で約95円を押し戻したことが、指数の下げ幅縮小に大きく貢献しました。

東証プライム騰落状況

値上がり銘柄は553(全体の35.6%)、値下がり銘柄は951(61.3%)、変わらずは48でした。東証33業種は上昇8・下落25と下落業種が大きく上回り、前場時点では値下がり銘柄が1,050と全体の約3分の2に達していました。

日経平均の下落率は0.34%にとどまった一方、TOPIXは0.79%安で、NT倍率は約15.74倍から約15.81倍に上昇しました。指数だけを見ると小幅安ですが、市場全体では売りが優勢だったことになります。売買代金8兆9,383億円は今週最大で、持ち高調整や投げ売りを伴う売りが膨らんだとみられます。日本経済新聞は「需給警戒サイン」と見出しで伝えています。

業種別・テーマ別動き

上昇した業種

不動産業、小売業、水産・農林業が上昇率上位となりました。長期金利の低下を受けて三井不動産、三菱地所、住友不動産が買われ、小売ではファーストリテイリング、イオン、良品計画、ニトリHDが堅調でした。

医薬品(中外製薬、アステラス製薬)や日用品(資生堂、キッコーマン)にも資金が向かいました。ソニーグループやNTTは年初来高値を更新しており、資金は「AI関連から内需・ディフェンシブへ」と移っています。

下落した業種

銀行業、海運業、非鉄金属が下落率上位となりました。三菱UFJ(▲2.31%)や三井住友FG(▲1.80%)、郵船、商船三井、三井金属、古河電工が売られ、鉄鋼、機械、鉱業も下げました。

電気機器では電子部品株が軟調で、TDK、日東電工、京セラ、村田製作所、太陽誘電が下落しました。業績見通しが市場予想を下回ったディスコ(▲3.79%)は年初来安値を更新しています。一方、半導体の中でもキオクシアHDやレーザーテックは上昇し、前日の総崩れから銘柄ごとに明暗が分かれました。

為替・米国株・金利の影響

指標水準備考
ドル円(15時)156.88円東京レンジ156.08〜157.12円
NYダウ(10/22)52,867.98ドル+11.89ドル(+0.02%)
ナスダック(10/22)26,008.86▲694.00(▲2.60%)
米10年債利回り(10/22)確認できず年内利上げ観測の後退で低下
WTI原油(12月限、10/22)99.04ドル+1.89ドル(+1.95%)
9月全国コアCPI前年比+2.1%9カ月ぶりの2%台。コアコアは+2.4%

ドル円は朝方に156.08円まで円高が進んだ後は買い戻されましたが、157円台前半では戻りが鈍く、3日連続で円高方向に振れています。米国ではダウが横ばい、ナスダックが大幅安とハイテク株だけが売られる形で、米長期金利の低下は東京の不動産株などには追い風となりました。

個別決算・材料株

銘柄材料内容株価反応
ディスコ業績見通しが市場予想を下回る▲3.79%、年初来安値
メタ(米)決算後、AI投資の収益化に懸念▲6.97%
インテル(米)半導体株安▲8.03%
P&G(米)予想を上回る決算上昇
ウエスタンデジタル(米)好決算・増配時間外で上昇
メルカリ材料は確認できず+7.33%

テクニカル面

日経平均の終値は9月14日安値(62,726円)を小幅に下回り、7月29日安値と9月14日安値を結んだ支持線も割り込みました。22日時点の25日移動平均線は66,313円、10日線は65,986円で、株価は短中期の移動平均線を大きく下回っています。

一方、9日RSIは22日時点で16.0%と、一般に「売られすぎ」とされる水準まで低下しています。この日は200日線(61,403円)の約60円手前まで下げたうえで長い下ひげをつけて戻しており、200日線が当面の下値支持として意識されそうです。下値メドは62,000円、200日線、7月29日安値の60,448円、上値メドは64,000円、65,000円、10日線と25日線です。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日61,800円〜63,600円週末の米PMI速報と米ハイテク株の動向、200日線を守れるか
1ヶ月後59,000円〜66,500円10月28日のFOMC、30日の日銀会合、米大手ハイテクと国内半導体関連の決算
1年後54,000円〜74,000円AI投資の収益化の進み具合、日米金利と原油価格の動向

来週はFOMCと日銀会合が続くうえ、米大手ハイテク企業や国内半導体関連の決算も本格化します。売られすぎの水準にあるため自律反発の余地はありますが、AI投資への懸念が晴れないまま200日線を割り込めば、7月安値の60,448円まで下値を探るリスクもあります。

今日の結論

「200日線目前で踏みとどまるも、市場の中身は重い週末」

日経平均は朝方の1,445円安から大きく戻し、下げ幅は214円にとどまりました。ただ、値下がり銘柄は6割超、売買代金は9兆円規模に膨らみ、週間では2,600円超の下落です。売られすぎのシグナルと需給の悪化が同居する中、来週の日米金融政策と決算が方向感を決めることになりそうです。

要点をコンパクトにまとめた通常版はこちらからご覧いただけます。

3
短く確認する(約3分)
【2026年10月23日】今日の日本株ノート|AI投資懸念で一時1,445円安、200日線目前から下げ渋り続落、市場の中身は重い週末
PR

ネット証券で口座を開くなら

毎日の相場チェックや実際の売買には、使いやすいネット証券口座があると便利です。日本株の取引に対応したネット証券2社を紹介します。

ネット証券
松井証券
老舗として知られるネット証券
  • 日本株・投資信託・米国株など幅広く対応
  • 少額から積み立てられる
  • 電話・チャットの問い合わせ窓口あり
松井証券の詳細を見る
ネット証券
DMM 株
日本株も米国株もアプリひとつで
  • 取引に応じてポイントが貯まる
  • 米国株の取扱いにも対応
  • NISA口座にも対応

投資にかかる手数料、リスク等についてはこちらをご参照ください。

DMM 株の詳細を見る
2社のくわしい比較と選び方を読む →

※このセクションはアフィリエイト広告(PR)を含みます。手数料やサービスの最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

← 前の記事 【2026年10月22日】今日の日本株 深掘りノート|ラム・リサーチの失望売りで半導体株が総崩れ、日経1,713円安で約3カ月ぶり6万3,000円割れ 次の記事 → 【2026年10月26日】今日の日本株 深掘りノート|半導体売りで日経平均3日続落・3カ月ぶり安値、商社・資源株が支えTOPIXは反発