10月22日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比1,713.40円安の62,907.84円と大幅に反落し、この日の安値で取引を終えました。終値で6万3,000円を下回るのは7月30日以来、約3カ月ぶりです。
米半導体製造装置大手ラム・リサーチが決算発表後の時間外取引で7%超下落したことをきっかけに、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体関連株に売りが殺到しました。TOPIXも1.14%安と4,000ポイントを割り込みましたが、下げの大半は値がさ半導体株に集中しており、日経平均の下落率がTOPIXの2倍以上に達した一日です。
通常版の記事はこちらからご覧いただけます。
相場サマリー
| 指標 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 62,907.84円 | ▲1,713.40円 | ▲2.65% |
| TOPIX | 3,997.50 | ▲46.23 | ▲1.14% |
| 東証グロース250 | 753.27 | ▲13.42 | ▲1.75% |
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 東証プライム売買代金 | 7兆569億円 |
| 東証プライム売買高 | 21億9,167万株 |
| 値上がり/値下がり/変わらず | 684/821/48銘柄 |
| 日経平均 始値/安値 | 64,539.36円/62,907.84円(安値引け) |
日経平均を動かした主な要因
ラム・リサーチの決算が半導体株の売りを誘発
ラム・リサーチは好決算を発表したものの、売上高が会社予想レンジの下限近辺にとどまり、時間外取引で7%超下落しました。東京市場では同業の半導体製造装置株を中心に売りが連鎖し、アドバンテスト(▲6.01%)、東京エレクトロン(▲6.99%)、SCREEN(▲8.83%)が大きく下げました。
AI投資の収益化に対する警戒
メタは1株利益が予想を上回ったものの、ザッカーバーグCEOがAIエージェントへの投資について、本格的な収益化は来年以降になるとの見方を示しました。テスラも時間外で売られ、「AI投資はいつ回収できるのか」という市場の疑問が再び意識されました。ソフトバンクグループ(▲6.86%)やイビデン(▲9.49%)などAI関連株も大幅安です。
アジア株安と先物売り、円高
韓国総合株価指数や香港ハンセン指数は日経平均以上の下げとなり、時間外のナスダック100先物も軟調でした。短期筋の先物売りが断続的に入り、後場に下げ幅が拡大しました。リスク回避の円買いでドル円は157円台前半まで円高が進み、株価の重しとなりました。
寄与度分析
| 区分 | 銘柄 | 寄与度 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 押し上げ1位 | リクルートHD | +33.37円 | +1.75% |
| 押し上げ2位 | トレンドマイクロ | +19.72円 | +8.69% |
| 押し上げ3位 | ベイカレント | +13.99円 | +3.76% |
| 押し下げ1位 | アドバンテスト | ▲446.60円 | ▲6.01% |
| 押し下げ2位 | 東京エレクトロン | ▲359.02円 | ▲6.99% |
| 押し下げ3位 | ソフトバンクグループ | ▲256.47円 | ▲6.86% |
押し下げ上位3銘柄で約1,062円、4位のイビデン(▲121.63円)を加えると約1,184円となり、日経平均の下げ幅の約7割を4銘柄が占めました。キオクシアHD(▲64.77円)、TDK(▲61.69円)、フジクラ(▲54.41円)も続いています。
値下がり銘柄の寄与度は合計▲1,900円に対し、値上がり銘柄は合計+186円でした。リクルートHDやセキュリティー関連のトレンドマイクロが支えましたが、半導体株の下げを埋めるにはまったく足りませんでした。
東証プライム騰落状況
値上がり銘柄は684(全体の44.0%)、値下がり銘柄は821(52.9%)、変わらずは48でした。東証33業種は上昇13・下落20です。
日経平均が2.65%も下げた割には、値上がり銘柄が4割を超えています。全面安となった20日とは異なり、売りは半導体製造装置・AI関連・非鉄金属に集中しました。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は前日の約15.98倍から約15.74倍に低下し、値がさ株主導の下げであったことを示しています。売買代金は7兆569億円と4営業日ぶりに7兆円台に乗せており、AI関連の持ち高を減らす売りが膨らんだとみられます。
業種別・テーマ別動き
下落した業種
非鉄金属が下落率トップとなり、古河電工(▲7.92%)、三井金属(▲7.06%)、フジクラ(▲6.19%)が前日の反発分を打ち消しました。ガラス・土石製品ではNGK(▲5.58%)や日東紡、電気機器ではアドバンテスト、東京エレクトロンのほか、KOKUSAI(▲7.65%)、レーザーテック、キオクシアHDが売られました。
機械(ディスコ、SMC)、金属製品(SUMCO)、銀行(三菱UFJ、みずほ)、証券(大和証G、野村)も下落しました。AI関連の素材株ではレゾナックHDが11.2%安と急落しています。
上昇した業種
鉱業、保険業、サービス業、空運業などが上昇しました。中東情勢への警戒からINPEXや石油資源開発が買われ、保険ではMS&ADや東京海上HDが堅調でした。
テーマ面では、世界のウェブサイトの約7割で使われる開発言語「PHP」に深刻な脆弱性が見つかったと伝わり、トレンドマイクロ(+8.69%)、HENNGE、SHIFTなどセキュリティー関連株に資金が向かいました。野村総研、富士通、NECなどIT関連も堅調です。
為替・米国株・金利の影響
| 指標 | 水準 | 備考 |
|---|---|---|
| ドル円(15時) | 157.32円 | 12時比約56銭の円高。その後157.06円まで |
| NYダウ(10/21) | 52,856.09ドル | +360.21ドル(+0.69%) |
| ナスダック(10/21) | 26,702.86 | +278.04(+1.05%) |
| 米10年債利回り(10/21) | 確認できず | 原油安で低下後、大使館退避報道で再上昇 |
| WTI原油(12月限、10/21) | 97.56ドル | ▲0.26ドル、3日続落 |
| 国内10年債利回り | 2.87% | ▲0.020pt |
21日の米国株は、スペースXの好決算でAIへの懸念が和らぎ、主要指数がそろって上昇しました。しかし東京時間には、引け後に発表されたラム・リサーチやメタの決算が材料視され、前日の米株高は帳消しになりました。
ドル円は日経平均の急落とアジア株安を受けたリスク回避の円買いに加え、米10年債利回りの低下によるドル売りも重なり、前日の158円台から157円台前半へ円高が進みました。米国務省が湾岸地域の大使館職員に退避命令を準備しているとの報道もあり、中東情勢への警戒も残ります。
個別決算・材料株
| 銘柄 | 材料内容 | 株価反応 |
|---|---|---|
| ラム・リサーチ(米) | 好決算も売上高が予想レンジの下限近辺 | 時間外で7%超安、東京の半導体株に波及 |
| メタ(米) | 1株利益は予想上回る。AI投資の本格収益化は来年以降との見方 | 時間外は上昇も、AI投資回収への警戒が残る |
| テスラ(米) | 決算発表 | 時間外で下落 |
| UEX | 後場に上方修正を発表 | 一時ストップ高 |
| トレンドマイクロ | PHPの深刻な脆弱性公表でセキュリティー需要に思惑 | +8.69% |
| レゾナックHD | AI関連株の総崩れ | ▲11.2% |
テクニカル面
日経平均は19日・20日に下げ止まった63,800円台をあっさり下回り、安値引けの「陰の大引け坊主」となりました。一目均衡表では、弱気シグナルとされる「三役逆転」が点灯したとの指摘があります。25日移動平均線(19日時点で66,400円前後と推定)からは大きく下方に離れ、トレンドは明確に悪化しています。
下値メドは9月14日安値の62,726円で、終値からわずか約180円の位置にあります。ここを割り込むと7月29日安値の60,448円が意識されます。上値は割り込んだ63,800円台、さらに6万5,000円が戻り売りの出やすい水準です。75日線の水準、RSIは確認できませんでした。
見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 62,200円〜63,800円 | 夕方の先物は63,200円。9月安値62,726円を守れるか、米半導体株の反応 |
| 1ヶ月後 | 59,500円〜66,500円 | 10月28日のFOMC、30日の日銀会合、国内半導体関連の中間決算、中東情勢 |
| 1年後 | 54,000円〜74,000円 | AI投資の収益化の進み具合、米金利5%台の定着有無、原油価格 |
23日には国内の9月全国消費者物価指数と米10月PMI速報が控えています。夕方の先物は現物終値を上回っており、短期的な自律反発の余地はありますが、9月安値を割り込めば6万円台前半まで下値を探るリスクもある局面です。
今日の結論
「半導体4銘柄で1,184円、AI投資回収への疑念が再燃した日」
ラム・リサーチの決算とメタのAI投資コメントが重なり、日経平均を支えてきた半導体・AI関連株が総崩れとなりました。値上がり銘柄も4割を超え市場全体の崩れは限定的でしたが、指数は約3カ月ぶりの安値圏に沈み、9月安値の攻防が当面の焦点です。
要点をコンパクトにまとめた通常版はこちらからご覧いただけます。
ネット証券で口座を開くなら
毎日の相場チェックや実際の売買には、使いやすいネット証券口座があると便利です。日本株の取引に対応したネット証券2社を紹介します。
- 取引に応じてポイントが貯まる
- 米国株の取扱いにも対応
- NISA口座にも対応
投資にかかる手数料、リスク等についてはこちらをご参照ください。
DMM 株の詳細を見る※このセクションはアフィリエイト広告(PR)を含みます。手数料やサービスの最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。