10月26日の東京株式市場で、日経平均株価は前週末比503.51円安の62,189.65円と3日続落し、7月30日以来、約3カ月ぶりの安値水準で取引を終えました。前週末の米国市場で原油高と米長期金利の上昇が嫌気された流れを受け、アドバンテストや東京エレクトロンなど値がさのAI・半導体関連株に売りが集中しました。
一方、商社や資源関連、内需株には買いが入り、TOPIXは3営業日ぶりに反発しています。指数の下げとは裏腹に、東証プライム市場では値上がり銘柄が値下がり銘柄を上回りました。日経平均の下げが一部の値がさ株に偏った一日だったといえます。
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相場サマリー
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 62,189.65円 | −503.51円 | −0.80% |
| TOPIX | 3,972.98 | +7.17 | +0.18% |
| 東証グロース市場250指数 | 763.49 | +8.89 | +1.18% |
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 東証プライム売買代金 | 6兆6,438億円 |
| 東証プライム売買高 | 21億2,782万株 |
| 東証プライム騰落銘柄数 | 値上がり816/値下がり682/変わらず49 |
日経平均を動かした主な要因
原油高と米金利上昇による米株安
前週末23日の米国市場では、中東情勢の緊迫化を背景にWTI原油先物が1バレル103ドル台へ上昇し、インフレ高止まりへの警戒が広がりました。米10年債利回りも4.99%へ上昇し、NYダウは652.82ドル安と大きく下げました。東京市場もこの流れを引き継ぎ、日経平均は243円安で寄り付きました。
AI関連投資への懸念が半導体株に集中
AI関連投資の資金回収を巡る懸念が根強く、値がさの半導体株には売りが続きました。朝方は押し目買いや海外勢とみられる先物買いで一時プラス圏に浮上したものの、半導体株の戻りは鈍く、大引けにかけて再び下げ幅を広げ、日中の安値圏で取引を終えています。高値と安値の差は約800円に達しました。
中銀ウィークと大型決算を前にした様子見
今週は日米欧の中央銀行会合と、国内外のAI・半導体大手の決算発表が集中します。持ち高を大きく傾けにくい局面で、プライム市場の売買代金は6兆円台にとどまりました。
寄与度分析
| 区分 | 銘柄 | 寄与度 | 株価騰落率 |
|---|---|---|---|
| 押し上げ1位 | 豊田通商 | +20.23円 | +2.77% |
| 押し上げ2位 | 三菱商事 | +19.72円 | +4.14% |
| 押し上げ3位 | 伊藤忠商事 | +11.71円 | +3.02% |
| 押し下げ1位 | アドバンテスト | −274.00円 | −3.93% |
| 押し下げ2位 | 東京エレクトロン | −175.97円 | −3.68% |
| 押し下げ3位 | ファーストリテイリング | −153.72円 | −2.50% |
押し下げ上位3銘柄だけで約604円のマイナスとなり、日経平均の下げ幅503円を上回りました。値下がり銘柄の寄与度合計は−823.20円、値上がり銘柄は+319.69円です。
押し上げ側は商社株が上位を占めましたが、1銘柄あたりの寄与は20円前後にとどまりました。値がさ半導体株の下げを、広く分散した上昇では埋めきれなかった構図です。
東証プライム騰落状況
東証プライムの値上がり銘柄数は816、値下がりは682、変わらずは49でした。業種別では33業種中22業種が上昇し、下落は11業種にとどまっています。日経平均の構成銘柄でも、値上がり149に対し値下がりは73でした。
指数は500円超の下げでも、物色の広がり自体は保たれていました。売りは半導体・AI関連に偏っており、相場全体が崩れたというより、主力株の調整と資金の入れ替えが同時に進んだ一日といえます。
業種別・テーマ別動き
上昇:鉱業・石油・商社などの資源関連
上昇率上位は鉱業(+4.58%)、石油・石炭製品(+3.03%)、卸売業(+2.79%)、海運業(+2.20%)でした。原油高で収益拡大が見込まれるINPEXなどの石油関連や、豊田通商・三菱商事・伊藤忠商事などの商社株が買われました。
日米ともに金利上昇がやや一服したことから、不動産株や建設株にも買いが入りました。
下落:非鉄金属・電気機器の半導体・AI関連
下落率上位は非鉄金属(−1.50%)、電気機器(−1.35%)のほか、証券、機械、金属製品でした。アドバンテスト、東京エレクトロンに加え、イビデン、TDK、キオクシアホールディングス、SCREENホールディングスも下落しました。原油高が逆風となる空運株も軟調でした。
グロース市場は短期資金の受け皿に
東証グロース市場250指数は1.18%高と続伸しました。半導体・AI関連を売り、ディフェンシブ株や内需株を買うセクターローテーションの中で、グロース市場にも資金が向かいました。
為替・米国株・金利の影響
ドル円は15時時点で157円09銭でした。日中は156円台後半から157円台前半でのもみ合いとなり、株式市場への影響は限定的でした。週半ば以降に日銀・FOMC・ECBの会合を控え、方向感の出にくい地合いです。
前週末23日の米国市場では、NYダウが652.82ドル安の52,215.16ドルと4日ぶりに反落しました。ナスダック総合指数は0.21%安の25,955.34、S&P500は0.52%安でした。一方、半導体株で構成するSOX指数は上昇しており、東京市場の朝方の下げ渋りにつながりました。
米10年債利回りは前日比0.04%高い4.99%で終えました。5%近辺の高い金利水準は、引き続きハイテク株やグロース株の評価の重荷となりやすい状況です。
個別決算・材料株
| 銘柄 | 材料内容 | 株価反応 |
|---|---|---|
| KOA | 27年3月期の営業利益予想を53億6000万円から83億1000万円へ上方修正、配当予想も増額 | 2,101円(+11.2%)、プライム上昇率トップ |
| メディパルHD | 27年3月期の最終利益予想を430億円から530億円へ上方修正、100億円を上限とする自社株買い | 3,396円(+5.9%)、5連騰で年初来高値 |
| ファナック | 27年3月期業績予想の上方修正と自社株買い | 朝方は大幅高、終値は5,639円(+0.93%) |
| 川崎汽船 | ばら積み船市況の好調で今期最終利益予想を大幅に上方修正 | 全体安のなか逆行高 |
| 三井海洋開発・東洋エンジニアリング | 日独首脳会談で重要鉱物が主要議題になるとの観測 | 三井海洋8,130円(+5.6%)、東洋エンジ2,222円(+5.8%) |
27年3月期上期の決算発表が本格化し、通期予想を見直す企業が増えています。指数が軟調でも、業績の上振れを示した銘柄には個別に買いが集まる展開でした。
テクニカル面
日経平均は25日移動平均線(66,230円)を大きく下回り、乖離率は−6.10%に広がりました。75日移動平均線(66,004円)からも約6%下方に位置しています。下降中の5日移動平均線を上回る場面はなく、上ヒゲを残した陰線で売り圧力の強さを示しました。
一目均衡表では三役逆転の売り手優位が続いています。前週末までの12営業日で上昇はわずか2日と、短期的な下げの勢いは強い状態です。
下値メドは、本日安値の62,094円と心理的節目の62,000円です。上値メドは63,000円、65,000円、その上に25日線と75日線が重なる66,000円台が控えます。一目均衡表の変化日が11月4日・9日にも続くため、地合いがどちらにも急変しやすい点には注意が必要です。
見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 61,600円〜62,900円 | 半導体株への売りが一巡するか、62,000円の節目を維持できるかが焦点 |
| 1ヶ月後 | 58,000円〜66,500円 | 日米のAI・半導体決算と日米欧の中銀会合を通過し、25日線・75日線を回復できるか。原油高と金利高が続けば下振れ余地 |
| 1年後 | 55,000円〜75,000円 | AI需要の持続性、中東情勢と原油価格、日米の金融政策の方向性 |
今週はアドバンテスト(28日)、キーエンス・イビデン(29日)、キオクシアホールディングス・東京エレクトロン(30日)と主力企業の決算が続きます。米国でも大手テック企業の決算が予定されており、AI投資への懸念が和らぐか強まるかで、指数の方向感が変わりうる局面です。
今日の結論
「指数は3カ月ぶり安値、中身は二極化」
日経平均の下げは、アドバンテスト・東京エレクトロン・ファーストリテイリングの3銘柄でほぼ説明できます。プライム市場では値上がり銘柄が多く、商社・資源株や好決算銘柄には資金が向かいました。半導体株の調整が続くか、それとも今週の決算を機に落ち着くかが、次の展開を左右しそうです。
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