10月20日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比841.28円安の64,075.42円と大幅に続落しました。前日の米国市場ではナスダックが1%超反発しましたが、東京ではソフトバンクグループなどAI関連株や電線株への売りが止まりませんでした。
後場には半導体株が売り直されたうえ、銀行株も一段安となり、TOPIXも1.43%安と大きく下げました。前日の「日経平均だけが弱い相場」から、「幅広い銘柄が売られる相場」へと性格が変わった一日です。
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相場サマリー
| 指標 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 64,075.42円 | ▲841.28円 | ▲1.30% |
| TOPIX | 4,009.21 | ▲58.27 | ▲1.43% |
| 東証グロース250 | 確認できず | 確認できず | ▲2.7% |
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 東証プライム売買代金 | 約6兆7,900億円(概算) |
| 値上がり/値下がり | 335/1,181銘柄 |
| 日経平均 始値/安値 | 64,822.22円/63,807.15円(15:02) |
日経平均を動かした主な要因
米ハイテク反発を引き継げなかったAI関連株
19日の米国市場では、AI投資や債務への懸念がやや和らぎ、ナスダックが1.11%高と反発しました。しかし東京市場ではAI関連株の戻りが鈍く、ソフトバンクグループが6.01%安と大きく下げました。AI投資を巡る不安がなお根強いことを示す動きです。
アジア半導体株安と後場の売り直し
前場は63,800円台で売りが一巡し、64,500円台まで戻しました。しかし後場は韓国株が4%超下げるなどアジアのIT・半導体株安が広がり、東京エレクトロンやアドバンテストが売り直されました。日経平均は再び1,000円超安となりました。
銀行株の一段安
20年国債入札が好調だったことで、国内長期金利の上昇が一服するとの見方が広がりました。金利上昇の恩恵を受けやすい銀行株が後場に一段安となり、みずほFGは約5%安となりました。TOPIXが日経平均を上回る下げ率となった主因です。
寄与度分析
| 区分 | 銘柄 | 寄与度 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 押し上げ1位 | ファーストリテイリング | +122.17円 | +2.04% |
| 押し上げ2位 | テルモ | +17.93円 | +2.84% |
| 押し上げ3位 | コナミG | +13.15円 | +1.57% |
| 押し下げ1位 | ソフトバンクグループ | ▲235.43円 | ▲6.01% |
| 押し下げ2位 | 東京エレクトロン | ▲134.00円 | ▲2.56% |
| 押し下げ3位 | アドバンテスト | ▲125.13円 | ▲1.68% |
押し下げ上位3銘柄の合計は約495円で、下げ幅の約6割を占めました。フジクラ(▲58.66円)、イビデン(▲45.71円)、TDK(▲39.95円)、京セラ(▲38.03円)、キオクシアHD(▲32.56円)も重荷です。
ファーストリテイリング1銘柄で約122円を押し戻しましたが、ほかのプラス寄与はすべて20円未満でした。日経平均225銘柄でも値上がり77、値下がり144と、下落銘柄が大きく上回りました。
東証プライム騰落状況
値上がり銘柄は335、値下がり銘柄は1,181で、値下がりが全体の約76%を占めました。東証33業種でも上昇9・下落24と下落業種が大きく上回っています。
前日は値下がり銘柄が56%、上昇業種が21と「指数は弱いが市場全体は底堅い」状態でした。この日は売りが金融・機械・化学・海運などにも広がり、ほぼ全面安となりました。売買代金は約6兆7,900億円と2日連続で7兆円を下回り、買い手不在のなかでの下落といえます。
業種別・テーマ別動き
下落した業種
非鉄金属(▲5.65%)が下落率トップでした。フジクラ(▲6.47%)、住友電工(▲6.13%)、古河電工などデータセンター向け需要への期待で買われてきた電線株が急落しました。銀行業(▲4.33%)、ガラス・土石製品(▲2.87%)、保険業(▲2.59%)、金属製品、機械、証券業も大きく下げています。
電気機器(▲1.45%)では、東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、KOKUSAI、TDK、京セラ、太陽誘電が売られました。前日に逆行高だったキオクシアHDも3.38%安となりました。
上昇した業種
上昇はその他製品(+1.08%)、小売業(+1.05%)、医薬品(+1.02%)、精密機器(+0.97%)、鉄鋼、食料品などでした。いずれもディフェンシブ・内需色の強い業種です。
コーエーテクモHDの上方修正をきっかけに、任天堂、バンダイナムコHD、コナミGとゲーム株に買いが広がりました。テルモ、HOYA、オリンパスの精密機器や、中外製薬、第一三共などの医薬品株も堅調でした。
為替・米国株・金利の影響
| 指標 | 水準 | 備考 |
|---|---|---|
| ドル円(15時台) | 158.10円前後 | 東京レンジ158.06〜158.60円 |
| NYダウ(10/19) | 51,966.03ドル | ▲36.38ドル(▲0.07%) |
| S&P500(10/19) | 7,690.73 | +31.29(+0.41%) |
| ナスダック(10/19) | 26,430.89 | +290.85(+1.11%) |
| 米10年債利回り(10/19) | 確認できず | 仏国債安に連れて上昇 |
| WTI原油(12月限、10/19) | 98.39ドル | +0.70ドル |
ドル円は午前に158.60円まで上昇した後、アジア株安によるリスク回避の円買いや米長期金利の低下で158円近辺まで下げました。円安による輸出株への支えは得られませんでした。
米国株は、ナスダック反発という好材料があったにもかかわらず、東京では生かされませんでした。日本のAI関連株には米国以上に警戒感が残っていることがうかがえます。
個別決算・材料株
| 銘柄 | 材料内容 | 株価反応 |
|---|---|---|
| コーエーテクモHD | 上期見通しを上方修正 | 3%超高 |
| シライ電子工業 | 上方修正・増配・不採算事業からの撤退 | ストップ高(比例配分) |
| 吉野家HD | 証券会社が目標株価を引き上げ | 大幅高 |
| ツガミ | 後場に上方修正・増配を発表 | 9%超安 |
| ムニノバHD | 証券会社が投資判断を引き下げ | 大幅安 |
| みずほFG | 20年債入札好調で長期金利の上昇一服を意識 | 約5%安 |
ツガミのように上方修正・増配を発表しても売られる銘柄が出ており、中間決算シーズンを前に「好材料でも買われにくい」地合いがうかがえます。
テクニカル面
日経平均は2日連続で63,800円台まで下げ、いずれも同水準で下げ渋りました。目先はこの水準が下値支持として意識されます。一方、25日移動平均線と75日移動平均線のデッドクロスが接近しているとの指摘があり、中期トレンドの悪化には注意が必要です。
25日線は前日時点で66,400円前後と推定され、上値メドはまず65,000円、次いで25日線です。下値メドは63,800円台を割り込んだ場合、9月14日安値の62,726円、さらに7月29日安値の60,448円が挙げられています。TOPIXは26週線付近の4,009で引けており、ここで反転できるかが分岐点です。75日線の水準とRSIは確認できませんでした。
見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 63,500円〜64,800円 | 夕方の先物は64,400円。ネットフリックス決算と米ハイテク株の動向、63,800円台の攻防 |
| 1ヶ月後 | 60,500円〜67,500円 | 10月28日のFOMC、30日の日銀会合、国内中間決算の内容次第 |
| 1年後 | 55,000円〜75,000円 | AI投資の収益化、米金利5%台の定着有無、国内金利の動向 |
21日にはテスラとメタの決算が控えており、AI関連株の地合いを左右しそうです。米ハイテク株の反発が続き日本のAI関連株にも買い戻しが入れば65,000円台回復の余地がある一方、63,800円台を割り込むと62,000円台を試すリスクもあります。
今日の結論
「AI株安が全面安へ広がった日、6万4,000円台は辛うじて維持」
米ナスダックの反発という好材料も生かせず、AI・電線・銀行と主力株が売られました。2日続けて63,800円台で下げ渋った点は下支え材料ですが、決算発表を控えて買い手は慎重で、米AI関連株次第で振れやすい局面です。
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