10月19日の東京株式市場で、日経平均株価は前週末比407.59円安の64,916.70円と反落しました。前週末の米国市場でAI・半導体株が大きく売られた流れを受け、朝方には一時1,492円安の63,831円まで下落し、約1カ月ぶりに6万4,000円を割り込みました。
ただ、その後は先物主導で急速に下げ渋り、大引け直前には一時6万5,000円台を回復しました。TOPIXは資源・海運・内需株に支えられて小幅続伸しており、「半導体の値がさ株が日経平均を押し下げた一方、市場全体は崩れなかった」一日といえます。
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相場サマリー
| 指標 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 64,916.70円 | ▲407.59円 | ▲0.62% |
| TOPIX | 4,067.48 | +1.48 | +0.04% |
| 東証グロース250 | 766.91 | ▲12.27 | ▲1.57% |
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 東証プライム売買代金 | 6兆7,835億円 |
| 東証プライム売買高 | 20億6,192万株 |
| 値上がり/値下がり/変わらず | 621/873/58銘柄 |
| 日経平均 始値/高値/安値 | 64,819.56円/65,067.80円/63,831.78円 |
日経平均を動かした主な要因
米AI・半導体株の急落
前週末16日の米国市場では、ナスダック総合指数が2.14%安、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.83%安となりました。SOX指数は8日続落で、2008年以来の長い連続安です。AIクラウド企業コアウィーブの社債・株価が下落したことで「AI投資を支える借入への不安」が再燃し、東京でも半導体製造装置株やソフトバンクグループに売りが波及しました。
原油100ドル台への上昇
WTI原油先物は6営業日続伸し、約1カ月ぶりに1バレル100ドル台を回復しました。中東やロシア・ウクライナ情勢の緊迫化が背景で、インフレ再燃への警戒が投資家心理を冷やしました。一方で、鉱業や石油関連株には追い風となりました。
朝方の売り一巡後の買い戻し
9時16分に安値をつけた後は、時間外取引での米株価指数先物の上昇や韓国株のプラス転換を受けて買い戻しが進みました。売買代金が7兆円を下回るなか、先物主導で下げ幅が縮小した点が特徴です。
寄与度分析
| 区分 | 銘柄 | 寄与度 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 押し上げ1位 | リクルートHD | +35.90円 | +1.93% |
| 押し上げ2位 | ベイカレント | +18.37円 | +5.35% |
| 押し上げ3位 | キオクシアHD | +15.93円 | +1.68% |
| 押し下げ1位 | 東京エレクトロン | ▲141.58円 | ▲2.63% |
| 押し下げ2位 | ファーストリテイリング | ▲139.97円 | ▲2.29% |
| 押し下げ3位 | ソフトバンクグループ | ▲80.10円 | ▲2.00% |
東京エレクトロンとファーストリテイリングの2銘柄だけで約281円、上位3銘柄では約362円の押し下げとなり、日経平均の下げ幅(407円)の大半を占めました。イビデン(▲34.79円)、レーザーテック(▲21.71円)、アドバンテスト(▲17.26円)も重荷となっています。
一方、押し上げ上位3銘柄の合計は約70円にとどまり、値がさ半導体株の下げを打ち消すには力不足でした。
東証プライム騰落状況
値上がり銘柄は621(全体の40.0%)、値下がり銘柄は873(56.2%)、変わらずは58でした。値下がり銘柄の方が多かったものの、東証33業種では上昇21・下落12と上昇業種が上回っています。
銘柄数では弱く、業種数では強いというねじれは、売りが半導体・電子部品などに集中し、資金が資源・海運・内需へ移ったことを示しています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は前週末の約16.07倍から約15.96倍に低下しました。日経平均主導の地合いが一服したかどうかが今後の注目点です。
業種別・テーマ別動き
上昇した業種
鉱業(+3.41%)、海運業(+1.84%)、石油・石炭製品(+1.83%)、サービス業(+1.34%)が上昇率上位でした。INPEXや石油資源開発、日本郵船、商船三井、出光興産、ENEOSが買われました。不動産業(+0.89%)も堅調でした。
テーマ面では外食株が目立ちました。高市首相が外食業界への需要喚起策(プレミアム付き商品券など)を検討する意向を示したと伝わり、サイゼリヤがプライム値上がり率1位となりました。クリエイト・レストランツHD、物語コーポレーション、ギフトHD、SRSHDも上昇しています。
下落した業種
非鉄金属(▲1.18%)が下落率トップで、電気機器(▲0.69%)、繊維製品、証券・商品先物、情報・通信業が続きました。半導体製造装置(東エレク、レーザーテック、SCREEN、KOKUSAI)や電子部品(太陽誘電、TDK、村田製作所)に売りが集中しました。住友電工やフジクラなどAI・データセンター関連の非鉄株も連れ安しています。
銀行業(+0.11%)、輸送用機器(+0.08%)はほぼ横ばいで、方向感は出ませんでした。
為替・米国株・金利の影響
| 指標 | 水準 | 備考 |
|---|---|---|
| ドル円(15時) | 158.09円 | 日中レンジ157.70〜158.15円 |
| NYダウ(10/16) | 52,002.41ドル | ▲175.28ドル(▲0.34%) |
| S&P500(10/16) | 7,659.44 | ▲84.62(▲1.09%) |
| ナスダック(10/16) | 26,140.04 | ▲572.99(▲2.14%) |
| 米10年債利回り(10/16) | 5.07% | +0.01pt |
| WTI原油(10/16) | 101.70ドル | +3.73ドル、6日続伸 |
ドル円は158円前後でほぼ横ばいで、輸出株への追い風にはなりませんでした。米10年債利回りは5%台で高止まりしており、ハイテク・グロース株の重荷となっています。FRBのウォーシュ議長が政策の事前示唆を避けたことで10月FOMCでの追加利上げ観測はやや後退したものの、米インフレ指標は上振れが続いており、金利動向には引き続き警戒が必要な局面です。
個別決算・材料株
| 銘柄 | 材料内容 | 株価反応 |
|---|---|---|
| サイゼリヤ | 首相の外食需要喚起策検討の報道、15日の値上げ発表 | プライム値上がり率1位 |
| 東宝 | 11月公開予定の映画によるIP成長期待 | 大幅高 |
| ベイカレント | 大和証券が目標株価を1万1,200円に引き上げ | +5.35% |
| INPEX | 原油の1カ月ぶり高値 | 大幅高 |
| スズケン | 野村證券が投資判断を格上げ | 上昇 |
| テンシャル | 好決算発表も材料出尽くし | 下落 |
| トレードワークス | 提供システムへの不正アクセスを発表 | 大幅安 |
| 太陽誘電 | 電子部品・AI関連への売り | ▲4.85% |
テクニカル面
5日移動平均線が25日移動平均線を下抜け、短期のデッドクロスが形成されました。25日線からの乖離率は▲2.27%で、25日線は66,400円台前半と推定されます。株価は一目均衡表の雲の下限を下回り、日中高値は8日連続で切り下がるなど、トレンドは弱含みです。75日線との位置関係、RSIは確認できませんでした。
一方、長い下ひげをつけて6万4,000円近辺での買い需要を確認した点は下支え材料です。上値メドは65,000円と25日線(66,400円前後)、下値メドは64,000円、次いで当日安値の63,800円台が意識されます。25日線乖離率が▲5%程度まで広がると自律反発が入りやすいとの見方もあり、下値余地は残る形です。
見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 64,200円〜65,500円 | 夜間先物は64,810円前後。米半導体株の下げ止まりと20年国債入札の結果が焦点 |
| 1ヶ月後 | 61,500円〜68,000円 | 10月28日のFOMC、30日の日銀会合、国内中間決算の内容次第で振れ幅が拡大しやすい |
| 1年後 | 56,000円〜76,000円 | AI投資の収益化が進むか、米金利5%台・原油高が定着するかで上下どちらにも振れうる |
今週はネットフリックス(20日)、テスラ・メタ(21日)の決算や、23日の全国消費者物価指数・米PMI速報が控えています。米AI関連株の地合いが戻れば25日線方向への戻りを試す余地があり、SOX指数の連続安が続けば6万4,000円割れを再び試すリスクもあります。
今日の結論
「日経平均は半導体に引きずられ、市場全体は資源と内需が支えた一日」
朝方の1,492円安から大きく戻したことで、6万4,000円近辺の買い意欲は確認できました。ただ、短期デッドクロスや雲下限割れなどテクニカルは弱く、米半導体株と米金利の動向次第で振れやすい局面が続きそうです。
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