9月4日の東京株式市場で日経平均株価は806円46銭高の65,020円94銭と5営業日ぶりに反発しました。上昇率は1.26%です。

ただし日経225構成銘柄の騰落は、値上がり86に対して値下がり137。値下がりのほうが51銘柄も多いなかで、指数だけが800円超上昇しました。TOPIXは1.19ポイント高の4,103.23と、ほぼ横ばいです。ソフトバンクグループ1銘柄で約473円という極端な寄与度が、この差を生みました。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価65,020.94円+806.46円+1.26%
TOPIX4,103.23pt+1.19pt+0.03%

日経平均は284円46銭高の64,498円94銭で始まり、上げ幅は一時900円を超えました。前日までの4日続落で2,200円近く下落していたため、押し目買いや自律反発狙いの買いが入りやすい地合いでした。

項目数値
東証プライム 売買代金8兆3,282億円
東証プライム 売買高22億1,033万株
値上がり銘柄比率50.6%
値下がり銘柄比率45.7%
ストップ高/ストップ安7銘柄/2銘柄

今週5営業日で何が起きたのか

日付日経平均TOPIX日経225の値上がり数相場の性格
8月31日-93.63円+9.58pt131銘柄半導体株の買い戻し
9月1日-96.59円+25.57pt170銘柄バリューへの資金移動
9月2日-1,889.70円-100.26pt14銘柄全面安、逃げ場なし
9月3日-111.16円+20.44pt6割超日経安・TOPIX高が復活
9月4日+806.46円+1.19pt86銘柄日経高・TOPIXほぼ横ばい

今週は「日経平均が下げてもTOPIXは上がる」という日が3回ありました。今日はその完全な鏡像です。市場全体では値上がり50.6%対値下がり45.7%とほぼ拮抗しており、TOPIXが横ばいだったことが実態を示しています。それでも日経平均だけが1.26%上昇しました。

指数8月28日終値9月4日終値週間騰落騰落率
日経平均66,405.56円65,020.94円-1,384.62円-2.08%
TOPIX4,146.71pt4,103.23pt-43.48pt-1.05%

週間では日経平均が2.08%安、TOPIXは1.05%安。下落率に2倍の差がつきました。値がさ株の下げが日経平均を余分に押し下げた一週間だったことになります。

日経平均を動かした主な要因

1つ目は、ウォラーFRB理事の発言による米利上げ観測の後退です。FRBのウォラー理事は講演で、インフレ圧力の鈍化が確認されれば政策金利の据え置きを支持すると発言しました。これを受けて早期利上げ観測が後退し、9月3日の米国市場ではダウが624ドル16セント高の53,686ドル11セント、ナスダックが366.23ポイント高の26,584.06と大幅高となっています。

2つ目は、日米の長期金利の上昇一服です。国内長期金利は9月2日に3.015%と1996年9月以来の高水準を付けましたが、その後は落ち着きました。金利という重石が外れたことで、成長期待の大きい値がさ株が買われています。9月1日から2日にかけて「金利上昇でバリュエーションが圧迫される」として売られた銘柄が、金利の一服とともに買い戻されました。

3つ目は、4日続落2,200円安からの自律反発です。押し目買い待ちの資金が入りやすい水準まで下げていました。

一方の重石が円高です。ドル円は9月3日のNY市場で155円30銭前後まで下落し、直近2日間で5円前後の円高が進みました。円相場の急騰は自動車など輸出関連株の売りを促し、相場全体の上値を抑えています。

寄与度分析

区分銘柄寄与度
押し上げ1位ソフトバンクグループ約+473円(11%高、一時12%上昇)
押し上げ2位アドバンテスト確認できず(上位2銘柄で669円)
押し上げ3位ファーストリテイリング確認できず
押し下げ1位リクルートHD約-20円
押し下げ2位三菱商事確認できず
押し下げ3位三井物産確認できず

押し上げ側はキオクシアHD、イビデン、TDK、ファナックが続きます。押し下げ側は信越化学、ダイキン工業、アステラス製薬、テルモの順です。押し下げトップでも約20円と小さく、下落側の影響は限定的でした。

ソフトバンクグループ1銘柄の約473円は、この日の上げ幅806円の59%にあたります。今週の値がさ株の寄与度を並べると、指数がいかに少数の銘柄に振り回されたかが見えてきます。

日付銘柄寄与度
8月31日アドバンテスト約-381円
9月1日東京エレクトロン約-146円
9月2日ソフトバンクグループ約-271円
9月3日ファーストリテイリング約-193円
9月4日ソフトバンクグループ約+473円

ソフトバンクグループは9月2日に約271円押し下げ、9月4日に約473円押し上げました。2営業日で700円以上の振れ幅です。株価水準の高い銘柄ほど日経平均への影響が大きくなる株価加重という算出方法の性質が、今週は5営業日連続で主役でした。

東証プライム騰落状況

プライム市場全体では値上がりが50.6%、値下がりが45.7%とほぼ拮抗しました。日経225構成銘柄では値上がり86、値下がり137、変わらず2です。

この数字が意味するのは、今日の上昇が市場全体の底上げではなかったということです。TOPIXが+0.03%とほぼ横ばいだったことが、それを裏づけています。買われたのは値がさのハイテク株に集中しており、それ以外の多くの銘柄はむしろ下げました。

売買代金は8兆3,282億円と前日から増加したものの、今週は5営業日連続で10兆円を下回っています。今晩の米8月雇用統計を控え、積極的にポジションを傾ける動きは限定的でした。

業種別・テーマ別動き

情報・通信業——本日の主役

33業種の上昇率トップ。ソフトバンクグループの11%高が牽引し、富士通、NEC、トレンドマイクロ、野村総合研究所なども上昇しました。金利低下の恩恵を最も受けやすいセクターです。

半導体・AI関連——ほぼ全面高

アドバンテスト、キオクシアHD、イビデン、TDK、太陽誘電、村田製作所、フジクラ、ディスコが上昇。キオクシアHDは5.40%高で底入れの動きを見せました。半導体・AI関連7銘柄のうち下落したのはレーザーテック(1.51%安)のみです。前日の米SOX指数が12.88ポイント高の11,352.13と上昇したことも支えになりました。

商社・資源——バークシャー効果が一巡

前日にバークシャー・ハサウェイCEOの発言で買われた三菱商事、三井物産、豊田通商、丸紅が反落しました。鉱業も下落業種の上位です。株探は「バークシャー効果を減殺する6万円プットの存在感」と報じており、オプション市場の需給要因も指摘されています。

医薬品——避難先から資金が抜ける

アステラス製薬、テルモ、塩野義製薬、第一三共、武田薬品、大塚ホールディングスが押し下げ寄与に並びました。9月2日の全面安で唯一の逃避先だった業種です。リスク選好が回復すると真っ先に資金が抜けるという、ディフェンシブ銘柄の典型的な動きでした。

電気・ガス業——3日続いた上昇が止まる

8月31日の関西電力、9月1日の九州電力、9月3日の上昇率2位と続いていた電力セクターが、この日は下落業種入りしました。

為替・米国株・金利の影響

今週の円の推移

日付・時点ドル円
8月31日 15:24159円80銭
9月1日 15:26159円90銭
9月2日 15:00159円81銭
9月3日 15:00157円37銭
9月4日 15:00156円34銭

週初の159円80銭から156円34銭まで、週間で3円46銭の円高です。9月2日の高田日銀審議委員による「連続利上げあり得る」との発言が起点でした。9月3日は終値ベースで約1.8%の大幅安となり、直近2日間で5円前後の下落。ドル高・円安トレンドは終了したのではないかとの見方も出ています。

今日の東京市場は155円29銭から156円45銭のレンジ。片山財務相が、ベッセント米財務長官から日本の政策について異議や要求はなかったと述べると、日本の財政健全化への期待が後退してドル円は156円44銭台まで上昇しました。なお7月末の日米協調介入後の8月3日安値155円21銭を割り込まなかったことから、この水準が当面の下値メドとして意識されそうです。

項目水準備考
NYダウ(9/3終値)53,686.11ドル+624.16ドル
NASDAQ(9/3終値)26,584.06+366.23
SOX指数(9/3終値)11,352.13+12.88
国内10年債利回り上昇一服9/2に3.015%(1996年9月以来の高水準)
米長期金利低下ウォラーFRB理事の発言を受けて

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
ソフトバンクグループ確認できず11%高、一時12%上昇。1銘柄で日経平均を約473円押し上げ
キオクシアHD確認できず5.40%高。底入れの動き
タムラ製作所業績上方修正。営業利益が9期ぶり最高益へ。AIデータセンター需要が追い風確認できず
カナモト11-7月期(3Q累計)経常が31%増益、5-7月期も44%増益確認できず
レーザーテック確認できず1.51%安。半導体関連で唯一の下落

東証プライムで売買代金上位となった銘柄のうち、上昇したのはソフトバンクG、古河電工、ニトリHD、富士通、フジクラ、キオクシアHD、NEC、太陽誘電、ファナック、リクルートHD、住友金属鉱山、JX金属、アドバンテスト、ディスコ、ファーストリテイリング、東京海上。下落したのは武田薬品、三菱商事、丸紅、商船三井、JT、レーザーテック、ゆうちょ銀行、オリックス、三菱電機、三菱重工業、日本製鉄、ルネサス、りそなHD、日本郵船でした。

テクニカル面

前日までの4日続落で2,200円近く下げた後の反発です。9月3日の安値63,772円80銭を下値サポートとして、65,000円台を回復しました。ただし25日移動平均線(8月31日時点で65,700円)にはまだ約680円届いておらず、戻りの途上といえます。

需給面では、株探が「バークシャー効果を減殺する6万円プットの存在感」と報じており、オプション市場で6万円のプットが意識されている模様です。

水準位置づけ
65,700円25日移動平均線(8/31時点)。当面の上値抵抗
65,020円本日終値
64,214円9月3日終値
63,772円9月3日安値。直近の下値サポート
60,448円7月29日安値。大きな下値メド

本日の高値・安値、および9月4日時点の移動平均線の数値、乖離率、RSIは確認できずでした。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日64,000円〜66,000円今晩の米8月雇用統計の結果次第で振れ幅が大きくなりやすい。9月7日は米国が休場
1ヶ月後61,000円〜69,000円9月16日のFOMCと9月18日の日銀会合。日米の金融政策が同じ週に動きます
1年後58,000円〜80,000円金利水準の切り上がりが定着するか、企業業績が金利上昇と円高を吸収できるか

今晩の米雇用統計は当面の最大の焦点です。市場のFRB9月利上げ織り込みは60%前後で推移しており、結果次第で大きく変化する可能性があります。ウォラー理事が据え置き支持に言及した直後だけに、雇用が弱ければ利上げ観測はさらに後退しそうです。一方、日銀については9月の0.25%利上げをほぼ完全に織り込んだ状態で、市場の関心は利上げ幅とその後のペースに移っています。

今日の結論

値下がり137銘柄、値上がり86銘柄。それでも806円高。指数と実態が最も乖離した一日で今週が終わりました。

米利上げ観測の後退と金利の上昇一服を受け、値がさのハイテク株に買いが集中しました。ソフトバンクグループ1銘柄で約473円、上げ幅の59%です。市場全体を映すTOPIXは0.03%高とほぼ横ばいで、これがこの日の実態を示しています。

週間では日経平均が2.08%安に対しTOPIXは1.05%安。今週は5営業日すべてで値がさ株1銘柄が指数の方向を左右しました。指数の数字だけを追っていると、市場で何が起きているかを見誤りやすい局面が続いています。

今晩は米8月雇用統計、再来週にはFOMCと日銀会合が控えます。

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【2026年9月4日】今日の日本株ノート|日経平均806円高で5日ぶり反発、TOPIXは横ばい
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