9月3日の東京株式市場で日経平均株価は111円16銭安の64,214円48銭と4日続落しました。下落率は0.17%です。

ただし今日の主役は株ではなく為替でした。日銀の利上げ観測を背景に、ドル円は9月2日15時の159円81銭から今日15時の157円37銭まで、2日間で3円超の円高が進んでいます。これだけの円高があって日経平均が111円安にとどまり、TOPIXがプラス着地したという事実のほうが、指数の数字より重要です。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価64,214.48円-111.16円-0.17%
TOPIX4,102.04pt+20.44pt+0.50%
グロース250先物776pt+3pt4日ぶり反発

日経平均は64,724円81銭で始まり、その始値がこの日の高値となりました。安値は63,772円80銭で、日中の値幅は952円です。前日の米株高を受けて朝方は堅調でしたが、後場中盤に韓国KOSPIが急速に軟化すると連れ安となり、一時6万4,000円を割り込みました。

項目数値
東証プライム 売買代金7兆5,770億円
東証プライム 売買高21億8,832万株
値上がり銘柄比率約50%
33業種 上昇20業種
33業種 下落13業種

日経平均を動かした主な要因

1つ目は、日銀の利上げ観測による円の急騰です。9月2日に高田審議委員が連続利上げや大幅利上げの可能性に言及したことで、ドル円は160円台前半から急落しました。今日の東京市場では一時156円36銭と8月3日以来の安値を更新しています。市場は9月18日の日銀会合での0.25%利上げを完全に織り込み、年内もう1回の追加利上げもほぼ織り込んだ状態です。

2つ目は、バークシャー・ハサウェイのCEO発言です。グレッグ・アベルCEOが商社株への投資意欲を示したことが伝わり、投資家心理の追い風となりました。卸売業が33業種の上昇率トップとなっています。

3つ目は、前日の米国株高と長期金利の上昇一服です。9月2日のダウは295ドル07セント高の53,061ドル95セントと4営業日ぶりに反発。米10年債利回りは一時4.818%と2023年11月以来の高水準を付けたものの、終盤には4.78%程度へ低下しました。NY連銀のウィリアムズ総裁が、長期金利の上昇は市場機能の混乱ではなく米経済の強さを反映したものだとの見方を示したことも安心材料となっています。

4つ目は、後場の韓国株安です。KOSPIが急速に軟化したのを受けてAI・半導体関連に売りが膨らみ、日経平均は一時500円あまりの下げとなりました。

寄与度分析

区分銘柄寄与度
押し上げ1位ソフトバンクグループ+82.06円(5,026円、+102円、+2.07%)
押し上げ2位ニトリHD確認できず
押し上げ3位三菱商事確認できず
押し下げ1位ファーストリテイリング約-193円
押し下げ2位アドバンテスト確認できず
押し下げ3位イビデン確認できず

押し上げ側は東京エレクトロン、レーザーテックが続き、上位5銘柄の押し上げ効果は合計で約140円。押し下げ側はフジクラ、TDKが続き、上位5銘柄で約342円です。そのうち193円がファーストリテイリング1銘柄によるものでした。

今週は値がさ株1銘柄が指数を左右する日が続いています。8月31日はアドバンテストが約381円、9月2日はソフトバンクグループが約271円、そして今日はファーストリテイリングが約193円。株価水準の高い銘柄ほど日経平均への影響が大きくなる株価加重という算出方法の性質が、今週は毎日のように表面化しています。

もう一つ注目したいのが、前日に約271円押し下げたソフトバンクグループが、今日は約82円の押し上げに転じた点です。東京エレクトロンとレーザーテックも押し上げ側に回っており、半導体には買い戻しが入りました。

東証プライム騰落状況

東証プライムの値上がり銘柄数は半数程度。33業種のうち20業種が上昇しました。日経225構成銘柄でも値上がりが6割を超えています。前日は33業種すべてが下落し、日経225の値上がりはわずか14銘柄でしたから、市場の状態は大きく改善したことになります。

ただし売買代金は7兆5,770億円と、今週4営業日連続で10兆円を下回りました。積極的に買い上がる資金は戻っていません。個別材料株への物色は根強かったものの、相場全体としては様子見が続いている状態です。

今週4営業日の推移

日付日経平均TOPIX構図
8月31日-93.63円+9.58pt半導体株の買い戻し
9月1日-96.59円+25.57ptバリューへの資金移動
9月2日-1,889.70円-100.26pt全面安、逃げ場なし
9月3日-111.16円+20.44pt日経安・TOPIX高が復活

4営業日のうち3日が「日経安・TOPIX高」でした。週初からの騰落率で見ると、日経平均が3.2%安に対しTOPIXは1.3%安。値がさ株の下げが指数を押し下げる構図が、週を通して続いていることになります。

業種別・テーマ別動き

卸売業——バークシャー発言で商社が主役に

33業種の上昇率トップ。三菱商事、豊田通商、三井物産、住友商事、伊藤忠が押し上げ寄与に並びました。バークシャー・ハサウェイは以前から日本の5大商社に出資しており、アベルCEOの投資意欲を示す発言が追加投資への期待につながったとみられます。円高局面で商社が買われた点も、この日の相場の特徴です。

電力・公益——3営業日連続の上昇

電気・ガス業が上昇率2位。8月31日の関西電力、9月1日の九州電力に続き、3日連続で電力セクターに資金が向かっています。金利上昇局面でのディフェンシブ需要が継続しているとみられます。

半導体——買い戻しと売りが混在

東京エレクトロンとレーザーテックが押し上げ寄与に入る一方、アドバンテスト、イビデン、フジクラ、ディスコ、TDKは押し下げ側。後場のKOSPI急落でAI・半導体関連に売りが膨らんだ影響です。同じセクター内で明暗が分かれる展開が今週続いています。

鉱業・非鉄金属——2日続けて下落上位

鉱業が下落率トップ、非鉄金属が2位。ただし個別では日鉄鉱業が値上がり率上位に入り、住友金属鉱山も反発しました。前日に日鉄鉱業が15.47%安、住友金属鉱山が11.55%安と急落した後だけに、業種全体と個別で方向が分かれています。

食料品——ディフェンシブ買いが一巡

下落率3位。前日はキッコーマンやニッスイが数少ない上昇銘柄でしたが、この日は反落しました。第一三共も下落しており、前日の避難先から資金が抜けています。

為替・米国株・金利の影響

時点ドル円出来事
9/2 15:00159円81銭—
9/2 日中160円台前半から急落日銀・高田審議委員が「連続利上げあり得る」と発言
9/2 NY158円19銭NY連銀ウィリアムズ総裁のハト派発言。一部で「レートチェック」観測も
9/3 15:00157円37銭日銀の利上げペース加速観測と介入警戒
9/3 16:18156円36銭8月3日以来の安値
9/3 16:42157円台前半へ戻す関係者の話として日銀が9月会合で0.25%利上げの公算と伝わる

一時156円36銭まで下げた後に157円台へ戻したのは、日銀の利上げ幅が0.25%との観測が伝わったためです。一部では0.25%を超える利上げに踏み切るとの見方もあったことから、巻き戻しが入りました。

項目水準備考
NYダウ(9/2終値)53,061.95ドル+295.07ドル(+0.56%)、4日ぶり反発
NASDAQ(9/2終値)26,217.83+118.06(+0.45%)
S&P500(9/2終値)7,666.60+35.13(+0.46%)
米10年債利回り一時4.818%→終盤4.78%程度2023年11月以来の高水準を付けた後、上昇一服
国内10年債利回り確認できず前日は3.015%(1996年9月以来の高水準)

米国ではエヌビディアがAI新興企業ハギングフェイスの買収報道を材料に3%高となり、ハイテク株が相場を牽引しました。

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
ニトリHD夏のセール・CM効果による増収を発表。株価は直近1カ月で約24%上昇東証プライム値上がり率1位、日経平均押し上げ寄与2位
日鉄鉱業確認できず値上がり率上位。前日は15.47%安の値下がり率1位
松屋確認できず値上がり率上位。8月31日18.10%安、9月2日9.58%安からの反発
ファーストリテイリング確認できず場中で2,370円安。日経平均を約193円押し下げ

東証プライムの値上がり率上位10傑は、ニトリHD、フルヤ金属、テクセンド、Appier Group、エアウォーター、稀元素、日鉄鉱業、住友重機械工業、松屋、プロクレアHDでした。前日までに大きく売られた銘柄の反発が目立ちます。

テクニカル面

始値がそのまま高値となり、後場に安値を付けてから戻すという値動きでした。一時6万4,000円を割り込んだものの、終値では回復しています。約1カ月ぶりの6万4,000円割れでした。

25日移動平均線(8月31日時点で65,700円)は大きく上方に離れており、当面の上値抵抗として意識されそうです。グロース250先物では日足パラボリックの陰転が続いています。

水準位置づけ
65,700円25日移動平均線(8/31時点)。上値抵抗
64,724円本日の高値(=始値)
64,000円心理的節目。この日は一時割り込む
63,772円本日の安値。直近の下値
60,448円7月29日の安値。大きな下値メド

9月3日時点の移動平均線の具体的数値、乖離率、RSIは確認できずでした。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日63,500円〜65,200円今晩の米ISM非製造業景況指数と、日本時間夜の米8月雇用統計。円高がどこまで進むかも焦点
1ヶ月後60,000円〜68,000円9月16日のFOMCと9月18日の日銀会合。利上げ幅と今後のペースが示されるかが最大の変数
1年後58,000円〜80,000円金利水準の切り上がりが定着するか、企業業績が金利上昇と円高を吸収できるか

市場はFRBの9月利上げを60%前後、日銀の9月利上げをほぼ完全に織り込んでいます。明日の米雇用統計の結果次第で、FRB側の織り込みが大きく変化する可能性があります。日銀については利上げ幅が0.25%か、それを超えるかが焦点となりそうです。

今日の結論

2日で3円超の円高を受けて111円安。数字だけ見れば4日続落ですが、内容は前日までとまったく違います。

日銀の利上げ観測で円が急騰し、輸出関連には明確な逆風が吹きました。それでも33業種のうち20業種が上昇し、TOPIXはプラス着地。バークシャー・ハサウェイCEOの発言を材料にした商社買いが相場を支えたことに加え、前日に売られすぎた銘柄への買い戻しも広がりました。日経平均が下げたのは、ファーストリテイリング1銘柄で約193円という値がさ株の集中があったためです。

明日は米8月雇用統計が控えます。再来週にはFOMCと日銀会合が続き、日米の金融政策が同時に動く局面に入ります。

当日の要点を短くまとめた通常版は今日の日本株ノートでご覧いただけます。

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【2026年9月3日】今日の日本株ノート|円3円高でも111円安、商社買いでTOPIXはプラス
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