本記事は、2026年6月22日(月)の東京株式市場を多角的に深掘りした上級者向けの分析記事です。通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価72,353.96円+1,103.90円+1.55%
TOPIX4,095.05+50.09+1.24%
JPX日経40037,178+478+1.30%
項目数値
東証プライム売買代金(概算)9兆8,247億円
東証プライム売買高(概算)20億8,253万株
値上がり銘柄数792銘柄
値下がり銘柄数727銘柄
横ばい銘柄数43銘柄

日経平均株価は前日比1,103円90銭高の72,353円96銭で引け、8日続伸を達成した。終値で初めて7万2,000円台に乗せ、2023年8月28日〜9月6日の8連騰以来となる記録となった。この8営業日で日経平均は8,000円超の水準を切り上げており、6月15日からは6日連続で最高値を更新している。TOPIXも4,095.05と最高値を更新した。

日経平均を動かした主な要因

① 米イラン協議の進展期待:60日ロードマップ合意

最大の上昇材料は、米国とイランの戦闘終結に向けた協議の進展だ。仲介役のパキスタンとカタールが6月22日、「60日以内の最終合意に向けたロードマップで一致した」と発表。協議を終えてイランのアラグチ外相も日本時間22日午前、X(旧ツイッター)で「一連の協議がレバノンでの戦闘終結に向け大きな進展をもたらした」と投稿した。地政学リスクの緩和期待が投資家心理を大きく改善させ、株価指数先物への買いが先行した。

② 米国株・AI関連ラリーの継続

先行する米国市場では、6月18日(木)にNASDAQ100が前日比+2.48%の大幅高となり、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が最高値を更新した。これはトランプ大統領が中東での戦闘終結に向けた暫定合意に署名したことを受け、原油先物が急落・ハイテク株買いが加速したことによる。6月17日(水)のFOMC後に一時売られたハイテク株は翌18日には買い戻され、この流れが東京市場でも継続した。

③ ナイト先物が示した強気継続シグナル

週明け6月22日朝方のCME円建て日経225先物は、6月18日の225先物比2,160円高の72,070円で推移しており、市場参加者は週明け早々から強気の姿勢で東京市場に臨んだ。寄り付き後は一時72,648円まで上昇し、前引けの段階で1,398円高を記録した。

④ 官民投資関連報道と工作機械株への波及

ファナックや安川電機など工作機械株の上昇が目立った背景には、政府の官民投資に絡む報道があったとの見方がある。AI・半導体関連に留まらず産業機械株にも物色が波及したことで、相場の裾野が広がる動きも見られた。

寄与度分析

6月22日大引け時点の確定寄与度ランキングは本記事作成時点で財経新聞等に未掲載のため、日経電子版・市況記事を参照した暫定データを示す。記事化後に最終確認を推奨する。

区分銘柄名主な動き・備考
押し上げ①TDK(6762)電子部品・AI向け需要期待で上昇
押し上げ②村田製作所(6981)電子部品全般への買い
押し上げ③ファナック(6954)官民投資報道で工作機械株上昇
押し下げ①ファーストリテイリング(9983)高値圏での利益確定売り
押し下げ②セブン&アイHD(3382)高値圏での利益確定売り
押し下げ③太陽誘電(6976)電子部品の一部に利確売り

前週までの相場では東京エレクトロン・アドバンテスト・キオクシアHD・ソフトバンクGなど特定の値がさ半導体株が指数を押し上げる構図が続いていたが、6月22日はTDKや村田製・ファナックなど、やや裾野の広い銘柄群に物色が移った点が特徴だ。

東証プライム騰落状況

値上がり792対値下がり727という騰落状況は、指数の上昇幅(+1.55%)に比べて市場全体への広がりがやや限定的であることを示している。前場では前週比1,398円高まで上げ幅を拡大したものの、後場は上昇幅が縮小し、最終的に1,103円高での着地となった。

TOPIXが最高値(4,095.05)を更新したことは、市場全体の底上げを裏付けるポジティブな材料だ。しかし騰落比率が拮抗していることを見ると、指数の上昇の相当部分は値がさ株の寄与によるものであり、市場全体で一様に上昇している状況とは言い難い。これは前週から続くAI・半導体関連への集中物色の構図が続いていることと整合する。

JPX日経400も最高値を更新(3万7,178)しており、広義には市場全体に資金が入っている側面もある。業種別では電子部品・機械が上位に位置する一方、食品・小売・精密機器・電力などの下落が目立った。

業種別・テーマ別動き

電子部品:AI向け需要継続で買い

TDK、村田製作所を中心に電子部品株が上昇した。AI・データセンター向けの受動部品需要の拡大期待が継続しており、前週のフジクラ(電線)の上方修正や、住友電工・古河電工など電線株の大幅高の余韻も残る。ただ太陽誘電・京セラなど一部銘柄には利益確定売りが出た。

工作機械・産業機械:官民投資報道で上昇

ファナック・安川電機が上昇した。政府の官民投資ファンドに絡む報道が材料視されたとの見方がある。AI・半導体の川下需要として製造装置・工作機械への期待が高まっている流れも追い風だ。

小売・ディフェンシブ:高値圏で利確売り

ファーストリテイリング、セブン&アイHDが売られた。前週の急騰後の持ち高整理と見られる。日用品・食品などのディフェンシブ銘柄も軟調で、相場の重力はリスクオン銘柄に集中している状況だ。

銀行・金融:小幅な動き

三菱UFJが日経検索ランキング1位に入るなど注目が集まったが、米金利上昇局面では銀行株への追い風も意識される一方、株式市場全体の過熱感が意識される中で大きな方向性は出なかった。みずほFG・三井住友FGも同様の動き。

為替・米国株・金利の影響

指標水準取得時点・備考
ドル円(東京15時台)161円70銭前後(推定)15:05時点「強含み」、161.75円まで本日高値
NYダウ(6/18終値)51,564.70ドル(+72.15ドル、+0.14%)6/19は米ジューンティーンス休場のため6/18を使用
NASDAQ総合(6/18終値)26,517.93(推定)NASDAQ100は30,406.19(+2.48%)で確認
米10年債利回り(6/22午後)2.670%午前2.660%から上昇

ドル円は東京15時台に161円70銭前後で強含みに推移した。週明けの朝方は161円45銭(前NY終値161.30円比+15銭)からスタートし、日中は161円台半ばから後半でもみ合い、本日高値161.75円まで上昇した。約2年ぶりの円安水準であり、約40年ぶりの高値圏に接近している。円安は輸出株や値がさ株を下支えしたが、162円台から163円にかけては日本当局の介入警戒が強まるゾーンとして市場では意識されており、上値追いには慎重な動きも見られた。

米金利は6/22午後に2.670%まで上昇した。FOMC後のタカ派的な姿勢(ドットプロットで年内利上げ見込み9人)が引き続き意識されており、米イラン協議が停滞しているとの一部報道から原油先物の先高観が残り、インフレ警戒から債券売りが継続した。金利上昇はグロース・ハイテク株にとって理論上の逆風だが、AI需要の強い成長見通しがその逆風を相殺し続けている。

個別決算・材料株

銘柄名材料内容株価反応
フジクラ(5803)6/18に今期業績予想を上方修正発表。電線・AI関連で急騰後、6/22は高値圏での利益確定売り値下がり寄与として指数の重荷に
あさひ(3333)6/22に決算発表予定発表後の反応は確認が必要
Jフロントリテイリング(3086)(材料詳細は確認中)値上がり率プライム1位:+18.55%急騰
GMOインターネット(9449)(材料詳細は確認中)値上がり率プライム2位:+18.07%急騰
倉元製作所ペロブスカイト太陽電池事業のプロジェクト投資枠組み協定書締結を発表急騰(ストップ高圏)

テクニカル面

日経平均は終値72,353.96円と、初の7万2,000円台に乗せた。前週までの急騰(6月15日から6日で約8,000円超の上昇)により、テクニカル面では著しく過熱した状態にある。6月22日朝のテクニカルアナリスト伊藤智洋氏の分析では「7万2,000円を前に上値重く推移するなら、戻り高値を確認する作業の途中」との見方が示されていた。実際、前場では72,648円まで上昇したものの後場は失速し、終値は72,353円と引値では高値を下回って着地している。

移動平均線との乖離は、このペースの上昇が続いた結果として相当大きな水準に達していると推測される。25日移動平均・75日移動平均からの乖離率の確認は、記事化前に最新データで行うことを推奨する。短期的なRSIも過熱圏(70超)にある可能性が高い。

上値メドとしてはテクニカル的に7万5,000円・8万円が目標水準として意識される一方、7万円台の節目や6月15日の急騰起点が下値サポートとして意識されやすい局面だ。

見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日(6/23)71,500円〜73,500円米イラン協議の続報、為替介入有無、米PMI(6/23夜発表)の結果次第
1ヶ月後(7月下旬)68,000円〜76,000円米PCE・GDP確定値・雇用統計の推移、植田日銀総裁発言(6/24)、FOMCの次回会合方針
1年後(2027年6月)65,000円〜88,000円米利上げ転換の有無、日銀利上げペース、企業業績見通し(AI需要継続・自動車への影響)

翌営業日(6月23日)の焦点は、まず米イラン協議をめぐる続報だ。60日ロードマップが示されたとはいえ、細部の交渉が続いており、進展・後退いずれの報道も相場のボラティリティを高める材料となりうる。夜間には米6月製造業・サービス業PMI(速報値)の発表が予定されており、米景気の強弱感を測る指標として注目される。上振れは利上げ観測を強め、株式にとっては上下双方に働く材料となりやすい。

6月25日(木)には米5月PCEデフレーターの発表があり、FOMCが示したタカ派的なインフレ見通しを裏付けるか否かが問われる。上振れなら年内利上げ観測がさらに高まり、円安加速と高PER株の調整圧力が同時に発生する複雑な展開となりうる。植田日銀総裁の6月24日の発言も、利上げペースについてのヒントを市場が探るイベントとして注目度が高い。

今日の結論

6月22日の東京株式市場は「米イラン60日ロードマップ合意への期待」という新たな材料を手掛かりに日経平均が8日続伸し、初の7万2,000円台に乗せた。ただし値上がり792対値下がり727という騰落状況が示すように、8,000円超の上昇は一部の値がさ株・AI関連株による指数の押し上げという性格が色濃く、市場全体への資金の広がりはまだ限定的だ。TOPIXの最高値更新は頼もしい材料だが、中東情勢・米金利・ドル円の介入リスクという三重の不確定要因を抱えながらの高値圏の推移であることを忘れてはならない。

より詳しい数字の確認や通常版の相場解説は、通常版(日経ノート)もあわせてご覧ください。

3
短く確認する(約3分)
【2026年6月22日】今日の日本株ノート|8連騰で初の7万2,000円台、TOPIXも最高値更新も相場の広がりは限定的
← 前の記事 【2026年6月19日】今日の日本株 深掘りノート|日経平均7日続伸も史上最高値裏でTOPIX反落、イラン署名式中止で円安加速 次の記事 → 【2026年6月23日】今日の日本株 深掘りノート|歴代5位の下落幅2565円安、韓国株急落が引き金となった8連騰後の全面安

日経平均を毎日チェックするなら、見やすい証券アプリを選ぶことも大切です。相場確認に使いやすいアプリの選び方をまとめた記事も、参考にしてみてください。