日経平均は小幅3日ぶり反発、終値64,217円——実態は1800円超急落からの劇的切り返し

6月11日(木)の東京株式市場で日経平均株価は前日比37円00銭(+0.06%)高の64,217円27銭と小幅に3日ぶり反発して引けた。ただし、終値の数字が示す「小幅プラス」という表現は、本日の激しい相場を著しく過少評価している。前日夜のホルムズ海峡完全封鎖宣言・米株953ドル安・植田日銀総裁の入院報道という三重の悪材料を受けて、朝方から売りが殺到。前場には下げ幅が1,800円を超え、約3週間ぶりに63,000円を割り込む場面があった。その後、翌日(12日)のメジャーSQ(株価指数先物とオプションの清算日)に向けたショートカバー買いと、キオクシアHD・TOPPANなど一部銘柄への集中的な押し目買いが重なり、午後にかけて急速に切り返しプラス圏に浮上した。「安値から約2,000円戻す」という電光石火の反転劇だった。TOPIXは17.25ポイント(0.45%)安の3,830.35と続落し、日経平均との乖離が目立った。

相場を動かした主な材料

前日夜(日本時間)に複数の重大ニュースが相次いだ。米軍がイランの複数の標的への攻撃を開始し、イランがホルムズ海峡の完全封鎖を宣言。WTI原油先物は前営業日比+2.60ドル(+2.92%)の91.78ドルに急騰し、暖房用油先物は2022年6月以来の高値まで上昇した。これに先立ち発表された米5月消費者物価指数(CPI)は総合前年比4.2%と2023年4月以来の高水準まで加速し、NYダウは953.33ドル安(49,918ドル)、ナスダックも509ポイント安と主要3指数が揃って大幅下落した。さらに植田日銀総裁が肝嚢胞感染症で入院し、来週の金融政策決定会合を欠席する意向が伝わった。

反発のきっかけとなったのは、SQ前日という特殊需給だ。株価指数先物とオプションの清算日を翌日に控えた海外投機筋のショートカバーが、急速な下げ渋りに影響したとみられる。また米5月CPIのコア指数(食品・エネルギー除く)の前月比が予想を下回ったことで、「インフレのピークが近い」との見方が一部の押し目買いを後押しした面もある。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

値上がり寄与では、キオクシアHDが前場後半に急伸して指数を支えた。TOPPAN(+15.65%)はAI・データセンター向け高機能パッケージ基板への需要拡大期待で急騰し値上がり率プライム2位となった。大真空(+11.28%)・日電波(+11.03%)も半導体関連として上昇。日銀利上げ観測を受けた楽天銀行(+7.18%)や、ディフェンシブ物色を受けた味の素(+7.51%)も高かった。一方、TDK・フジクラ・リクルートHDが値下がり寄与の上位となり、住友電工やトヨタ自動車、レーザーテクも前場時点で下落した。

市場全体の温度感

東証プライムの売買代金は11兆2,563億円と引き続き高水準。しかし内実は値上がり538銘柄(34%)に対して値下がり987銘柄(63%)と市場の6割超が下落しており、日経平均の小幅プラスとは対照的な厳しい内容だった。前場の前引け時点では値下がりが1,263銘柄と実に全体の約80%に達していた。日経平均の反発はキオクシアHD・TOPPANという一部の大型株への集中買いが演出したものであり、「市場全体の回復」とは言い難い。TOPIXが続落(−0.45%)していることも、この構造的な歪みを映している。

今後の日経平均の見通し

期間 想定レンジ 主な前提条件
翌営業日(6/12) 62,500円〜66,000円 メジャーSQ算出日。SQ値とスペースXのIPO初値・初日の動向次第でレンジが大きく変動し得る
1ヶ月後(7月中旬) 60,000円〜69,000円 日銀会合・FOMC通過後の地合い次第。ホルムズ封鎖の長期化なら下値リスク大。CPI鈍化と封鎖解除なら大幅回復も
1年後(2027年6月) 60,000円〜80,000円 中東情勢の収束と利上げサイクルの終了が前提。原油100ドル超が長期化した場合の下値リスクは60,000円割れもあり得る

今日のまとめ

終値64,217円は25日移動平均線(64,062円)をわずか155円上回る水準で、「ギリギリ25日線を守り切った」という格好だ。SQと大型IPOが重なる明日、続いて日銀会合・FOMCが控える来週と、今後の相場を左右するイベントが目白押しだ。悪材料が出尽くした後の反発力が試される局面を迎えている。詳しい分析は深掘りノートをご覧ください。

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【2026年6月11日】今日の日本株 深掘りノート|ホルムズ封鎖・米株953ドル安・植田総裁入院の三重悪材料で1800円超急落、SQ前のショートカバーで辛うじて小幅プラスに切り返した攻防の一日
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