日経平均は大幅3日続落、終値64,024円
6月8日(月)の東京株式市場で日経平均株価は前週末比2,563円52銭(3.85%)安の64,024円60銭で引けた。下げ幅は2026年で2番目(1位は3月9日の2,892円安)、史上5番目の大きさとなる記録的な急落だった。寄り付きから約640円安でスタートした後も売りが膨らみ、10時台半ばには下げ幅を3,100円超に広げる場面もあった。終盤に幾分持ち直したものの、終値ベースでの65,000円割れは5月28日以来となった。
相場を動かした主な材料
最大の要因は前週末5日に発表された米国の5月雇用統計だ。非農業部門の雇用者数が17.2万人増と市場予想(8.5万人増)を大幅に上回り、FRBの年内利上げが完全に織り込まれる展開となった。米長期金利の指標となる10年物国債利回りは4.53%まで上昇(一時4.55%)し、バリュエーションへの懸念からナスダックが4.18%安と急落。とりわけ主要半導体銘柄で構成するSOX指数は10%超の急落を記録し、2020年のコロナショック以来の大きさとなった。東京市場ではこの余波がAI・半導体株に直撃し、先物主導の断続的な売りが下落に拍車をかけた。加えて6月12日に予定されるスペースXのIPO(調達額約12兆円)に向けた換金売りも重荷となったとみられる。
指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄
値下がり寄与のトップは東京エレクトロン(終値55,020円・前日比−4,430円)、2位はアドバンテスト(同25,235円・−1,530円)で、この2銘柄だけで日経平均を約814円押し下げた。キオクシアHDも8%超の大幅安(71,880円・−6,260円)、ソフトバンクGも下落した。下落率トップはSUMCO(−12.84%)、2位は村田製作所(−10.15%)と半導体材料・電子部品にも売りが波及した。一方、値上がり寄与1位はKDDI、2位はリクルートHDだったが、2銘柄合計の押し上げはわずか約45円にとどまり、上昇寄与は極めて限定的だった。
市場全体の温度感
東証プライムの売買代金は11兆1,007億円と商いが膨らみ、値下がり銘柄数は1,072(全体の約68%)に達した。東証33業種のうち22業種が下落したが、10業種が上昇したことから全面安とは言えない。上昇した業種は保険業(+2.02%)、食料品(+1.10%)、小売業(+1.05%)といったディフェンシブ・内需中心で、リスクオフ局面における資金シフトが鮮明に表れた。東証REIT指数が+14.55と逆行高したのも同じ文脈だ。日経平均の下落率(−3.85%)がTOPIX(−2.45%)を大きく上回ったのは、指数への寄与が大きいハイテク大型株に売りが集中したためで、相場全体の実態よりも日経平均の数字がより深刻な印象を与えた一日だった。
今後の日経平均の見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日(6/9) | 63,000円〜65,500円 | 米CPI(10日)発表前の様子見。中東情勢の急変や夜間先物の反発があれば戻り試しも |
| 1ヶ月後(7月初旬) | 62,000円〜68,000円 | 日銀会合・FOMCの結果次第。タカ派の場合は下値圧力継続。スペースXのIPO通過後の需給改善も注目 |
| 1年後(2027年6月) | 60,000円〜78,000円 | AI需要の中長期成長が鍵。米利上げが1〜2回程度に収まり再び利下げへ転換すれば上値余地大 |
今日のまとめ
本日の急落は、4月以来の急上昇(日経平均で約1万円高)に対する過熱感修正という側面もあるが、FRBの利上げという「金利という重力」がAI・半導体株のバリュエーションに本格的に働き始めたことを示すシグナルとも受け取れる。企業業績のファンダメンタルズや160円台の円安は長期的な支援材料として健在であり、急落局面が逆張りの買い場になる可能性も残る。ただし明確な反転サインが出るまでは、慎重な姿勢が求められる局面だ。より詳しい分析は深掘りノートをご覧ください。
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