2026年5月20日(水)の東京株式市場で、日経平均株価は前日比746円18銭安の59,804円41銭で引けました。5営業日続落で、今年1月以来初めて5連続安となりました。節目の6万円を割り込むのは、5月1日以来およそ3週間ぶりです。

日経平均は5日続落、終値59,804円と6万円割れ

5月14日に年初来高値の63,799円をつけてからわずか数営業日で、日経平均はおよそ4,000円(約6%)を失いました。下げ幅は一時1,200円を超えましたが、大引けにかけてやや持ち直し、終値は59,804円台となりました。

TOPIXも前日比59.02ポイント(▲1.53%)安の3,791.65と反落。日経平均の下落率(▲1.23%)よりもTOPIXの方が大きく下げており、一部の値がさ株だけでなく市場全体が広く売られた一日でした。

相場を動かした主な材料

①世界的な金利急騰がAI相場を直撃

前日19日の米国市場で、30年物国債の利回りが5.198%と2007年7月以来の高水準に達しました。10年物も4.687%と2025年1月以来の高さです。国内でも長期金利が一時2.800%まで上昇し、29年半ぶりの水準をつけました。

金利が上昇すると、将来の利益を現在の価値に換算したときの評価額が下がります。これが、高い将来性への期待で買い進められてきたAI関連株・電線株・半導体株の売りにつながりました。

②サムスン電子ストライキ懸念がアジア株全体に波及

韓国の半導体大手サムスン電子の労働組合が、報酬交渉の決裂を受けて21日からのストライキを決定しました。韓国市場でサムスン株に売りが出て韓国総合株価指数(KOSPI)も下落。アジア全体のモメンタム重視の買い手が慎重になり、東京市場にも波及しました。

③前日の米国株3日続落を引き継ぐ

19日のニューヨーク市場ではダウ平均が322ドル安(▲0.65%)、ナスダック総合が0.84%安と3日続落。米国とイランの戦闘を発端としたインフレ長期化懸念から、金利が上がり株が売られる構図が続いています。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

下落の主役はソフトバンクグループ(SBG)と東京エレクトロンの2銘柄です。SBGは1銘柄だけで日経平均を約259円、東エレクは約107円押し下げ、この2銘柄で746円の下落の半分近くを占めました。フジクラも400円安と3日連続で大幅下落し、80円分を押し下げました。

一方、ファーストリテイリング(ユニクロ)・KDDI・良品計画・テルモなど内需系・ディフェンシブ銘柄には一部買いが入り、相場の下支えとなりました。

市場全体の温度感

東証プライム市場で値下がりした銘柄は1,283銘柄、全体の約81%に達しました。値上がりはわずか16%(263銘柄)です。売買代金は9兆5,429億円と依然として高水準でしたが、前日(10.4兆円)よりは縮小しました。

数字が示すとおり、特定の銘柄だけが売られたのではなく、ほぼ全面安の展開でした。不動産株(金利上昇の逆風)、商社株(景気敏感)、精密機器など幅広いセクターに売りが広がり、「リスクオフ」モードへの切り替わりを感じさせる一日でした。

今後の日経平均の見通し

期間 想定レンジ 主なポイント
翌営業日(5/21) 58,600円〜61,000円 エヌビディア決算次第で大きく振れる可能性
1ヶ月後(6月下旬) 56,000円〜63,000円 金利動向・中東情勢・日銀政策が焦点
1年後(2027年5月) 50,000円〜72,000円 不確実性が高く幅を持って見る必要がある

最大の注目は、日本時間21日早朝に発表される米エヌビディアの2〜4月期決算です。AI投資の象徴的な存在であるエヌビディアが市場予想を上回る内容であれば、半導体関連への買い戻しとともに相場が反発する可能性があります。逆に期待に届かなければ、AI相場そのものへの疑念が広がりかねません。

中期的には、世界的な金利上昇が続くかどうかが最大の変数です。米・イラン情勢が進展して原油価格が落ち着けばインフレ懸念が後退し、金利の低下とともに相場の下支えになり得ます。1年後については不確実性が特に高く、幅を持った見方が必要です。

今日のまとめ

5月14日の年初来高値から5営業日で4,000円超の下落。「AI相場」を積み上げてきた金利の低さという前提が、世界的な金利急騰によって崩れ始めた一日でした。SBG・東エレク・フジクラという相場をけん引してきた3銘柄が軒並み急落し、値下がり銘柄8割超という全面安を演じました。

ただし、大引けにかけて下げ渋ったことも事実です。翌朝のエヌビディア決算が、この調整が一時的なものに終わるか、さらに続くかを左右する転換点になりそうです。

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