10月14日の東京市場で、日経平均株価は前日比33.23円安の67,744.29円と、小幅ながら5日続落しました。前日までの急落の反動で、一時は630円超上昇して68,400円台に乗せました。しかし14時ごろに発表されたオランダASMLの決算をきっかけに半導体株が失速し、終盤にマイナス圏へ沈んでいます。指数はファーストリテイリングに支えられて小幅安にとどまりましたが、東証プライムでは値下がり銘柄が約6割を占め、TOPIXは3日ぶりに反落しました。前日とは逆の「指数小幅安・中身は軟調」となった一日を掘り下げます。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均67,744.29円−33.23円−0.05%
TOPIX4,096.78−13.89−0.34%
東証グロース250781.58−15.46−1.94%
項目(東証プライム)数値
売買代金約7兆4,507億円
売買高約21億8,982万株
値上がり/値下がり/変わらず604/892/56銘柄

日経平均は始値67,942.23円、高値68,408.14円、安値67,533.10円でした。日中の値幅は約875円で、終値は高値から約660円押し戻されています。10月6日の終値(70,683.98円)からの5日間の下げは、約2,940円(−4.16%)になりました。

日経平均を動かした主な要因

①売られ過ぎ感からの自律反発

前日までの4日続落で約2,900円下げていたため、寄り付きから短期的な戻りを狙う買いが入りました。前日に急落したAI・半導体株にも買い直しが入り、後場中盤には上げ幅が600円を超えています。前日の米国でウィリアムズNY連銀総裁が「2027年の利上げは現時点で不要」との考えを示し、利上げへの警戒がやや和らいだことも支えになりました。

②ASML決算で半導体株が失速

14時ごろ、ASMLが7〜9月期決算を発表しました。売上高は過去最高の116.6億ユーロ、純利益は前年同期の2.3倍で、10〜12月期の売上高見通しも市場予想を上回る内容でした。ただ、売上高は市場予想をわずかに下回り、年初来の大幅高で期待はすでに織り込まれていました。ASML株は米国の時間外で約3%下落し、東京エレクトロンやレーザーテックも下げに転じています。

③米CPIを前にした様子見

日本時間今夜は米9月CPIの発表が控えていました。市場予想は総合が前年比+3.6%、コアが+2.5%です。コアが大きく上振れすれば追加利上げ観測が再燃しかねないため、上値を追う動きは限られました。米国のSOX指数が5日続落していたことも、半導体株の戻りを鈍らせました。

寄与度分析

押し上げ上位3銘柄

銘柄寄与度株価騰落率
ファーストリテイリング+165.86円+2.78%
ソフトバンクグループ+33.17円+0.77%
リクルートHD+28.32円+1.55%

押し下げ上位3銘柄

銘柄寄与度株価騰落率
東京エレクトロン−159.28円−2.73%
オリンパス−36.88円−13.46%
キオクシアHD−34.69円−3.23%

ファーストリテイリングは2日連続で最大の押し上げ役となり、東京エレクトロンの押し下げをほぼ相殺しました。日経平均の採用銘柄では値上がり100、値下がり124で、寄与度の合計は値上がり側が+441.91円、値下がり側が−475.14円です。アドバンテストは後場に指数を大きく押し上げる場面がありましたが、ASMLの決算後に伸び悩み、前日比20円安とほぼ横ばいで引けました。

※騰落率は株価と前日比から算出しています。

東証プライム騰落状況

東証プライムの値上がりは604銘柄、値下がりは892銘柄、変わらずは56銘柄でした。値下がりが全体の約6割を占め、33業種中19業種が下落しています。売買代金は約7兆4,507億円と前日(約7兆9,640億円)から減り、様子見ムードがうかがえます。

前日は「日経平均が大幅安でも値上がり7割」でしたが、この日は逆に、日経平均の小幅安に対して市場全体が弱い展開でした。NT倍率は16.49倍から16.54倍へ小幅に上昇しています。値がさ株のファーストリテイリングが指数を下支えした分、日経平均の見た目は実態より底堅く映った一日といえます。

業種別・テーマ別動き

上昇セクター:石油・石炭、非鉄金属、卸売

上昇が目立ったのは石油・石炭、その他製品、非鉄金属、卸売、化学です。イランによるタンカーへの攻撃などでホルムズ海峡の通航懸念が再燃し、WTI原油先物は94ドル台と3日続伸しました。これを受けて資源関連に買いが続いています。非鉄金属は前日の急落からの反動でフジクラ(+2.56%)が反発し、電子部品の太陽誘電(+3.59%)や信越化学(+1.70%)も上昇しました。

下落セクター:銀行・証券、精密機器・医薬品

下落の筆頭は銀行です。米国で大手銀行の決算が始まりましたが、シティグループ(−5.6%)やウェルズ・ファーゴ(−3.1%)など株価の反応は総じてさえず、国内でもみずほFG(−2.87%)や三菱UFJ(−1.94%)が売られました。精密機器ではオリンパスが急落し、テルモ(−3.18%)も下落しています。医薬品も軟調で、前日の米国でヘルスケア株が売られた流れが日本にも波及しました。

テーマ:半導体は「買い直し→失速」

半導体関連は前場に買い戻されましたが、ASMLの決算後に東京エレクトロン、SCREEN、KOKUSAI ELECTRIC、レーザーテックが下げに転じました。前日に13%安となったキオクシアHDも続落(−3.23%)し、中国メモリーメーカーの台頭への警戒は残っています。

為替・米国株・金利の影響

指標水準前日比・備考
ドル円(15時時点)158.32円前営業日NY終値比0.01円の円高
NYダウ(10月13日)51,670.10ドル−180.45ドル(−0.35%)
ナスダック総合(10月13日)27,204.38−41.52(−0.15%)
S&P500(10月13日)7,805.45−1.79(−0.02%)
SOX指数(10月13日)12,208.80−27.99(−0.23%)、5日続落
米10年債利回り5.213%10月13日。東京時間は5.20%付近

13日の米国株は主要3指数がそろって下落しました。ダウは4営業日ぶりの反落です。銀行決算への反応がまちまちだったことに加え、J&Jの急落でヘルスケア株が売られました。SOX指数は5日続落し、この5営業日で8%超下げています。

ドル円は158円台前半でほぼ横ばいでした。米長期金利の低下で一時158.11円まで下げましたが、CPIを前にした買い戻しで戻し、株式への影響は限られました。国内の新発10年国債利回りは3.000%で横ばいです。

個別決算・材料株

銘柄材料内容株価反応
リソー教育グループ親会社ヒューリックがTOB(1株295円)を実施ストップ高(+37.2%)
東武住販カチタスがTOB(1株2,000円)を実施ストップ高
FIGグループ会社が半導体工場向けの移動型マニピュレータを開発ストップ高(+17.9%)
カーブスHD8月期の経常利益が16.8%増。今期も最高益の見通しで増配+5.1%
竹内製作所前日発表の上方修正・増配・自社株買いを好感続伸(+2.6%)
オリンパス米FDAから品質管理に関する警告書を受領−13.46%
イオン6〜8月期の営業利益が10.2%減。市場予想(約720億円)を下回る−6.21%
ディップ上期の営業利益が99%減。通期予想を下方修正大幅続落

オリンパスは販売制限や製品回収こそ求められていませんが、過去にも同様の警告を受けた経緯があり、市場は厳しく反応しました。TOB関連では、高いプレミアムを提示した案件が相次いでいます。

テクニカル面

日経平均は5日続落で、5日移動平均線を4日連続で下回りました。高値68,408円から押し戻されて上ヒゲの長い足となり、68,000円付近では戻り売りが意識されやすいことが確認された形です。

移動平均線からの乖離率は25日線が+1.86%、75日線が+1.65%で、乖離は前日より縮小しています。逆算すると、25日線は約66,510円、75日線は約66,640円です。25日線は上向きを維持している一方、5日線と75日線は下向きです。

上値のメドは68,000円、本日高値の68,408円、13日高値の68,711円です。下値のメドは本日安値の67,533円、13日安値の67,058円で、その下に9月14日安値から10月6日高値までの上昇幅の半値押し(66,762円)と、25日線・75日線が集まる66,500〜66,650円近辺が控えます。RSIは確認できず。

見通し

翌営業日は、今夜の米9月CPIの結果と15日のTSMC決算への反応が焦点です。CPIが予想並みに落ち着けば半導体株の戻りを試す余地がありますが、上振れれば米長期金利の上昇を通じて、再び下値を探る可能性があります。

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日67,000円〜68,700円米CPIの結果と米長期金利の反応、TSMC決算への期待感
1ヶ月後64,500円〜71,000円米金融政策の見通し、国内企業の中間決算、中東情勢と原油価格
1年後58,000円〜80,000円AI投資の持続性と企業業績の拡大、日米の金融政策、為替水準

※想定レンジは足元の値動きと材料をもとにした目安で、将来の株価を示すものではありません。

今日の結論

「600円高の反発が幻に――ASML決算とCPI待ちで、値がさ株頼みの5日続落」

ASMLは内容こそ好決算でしたが、「期待以上」でなければ買われにくい半導体株の現状が浮き彫りになりました。日経平均の小幅安はファーストリテイリングの支えによるもので、市場全体では値下がりが優勢でした。今夜の米CPIと15日のTSMC決算が、5日続落の流れを変えるかどうかの分かれ目となりそうです。

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