2026年9月21日から25日までの東京株式市場を振り返ります。今週は21日から23日までが祝日で休場となり、取引は24日(木)と25日(金)の2営業日だけでした。日経平均株価は週末25日に6万6364円20銭で引け、前週末比1345円25銭高と2週連続の上昇です。

わずか2日間でしたが、中身は対照的でした。24日は半導体株だけが指数を押し上げ、TOPIXは安値引けでした。25日は一転して31業種が上昇する全面高です。その背景では、日米の長期金利がそろって歴史的な水準まで上昇していました。

今週の数字を一目で振り返る

日経平均の日次値動き

曜日日付終値前日比騰落率
月9月21日休場(敬老の日)
火9月22日休場(国民の休日)
水9月23日休場(秋分の日)
木9月24日65,513.99円+495.04円+0.76%
金9月25日66,364.20円+850.21円+1.30%

週間サマリー

項目数値
週初の起点(前週末9月18日終値)65,018.95円
週末終値(9月25日)66,364.20円
週間騰落+1,345.25円
週間騰落率+2.07%
週間の高値・安値(日中)高値66,410.27円(25日)/安値65,407.37円(24日)
TOPIX4,091.14 → 4,128.59(+37.45pt、+0.92%)

市場全体の温度感の推移

日付日経平均TOPIX東証プライムの値上がり比率売買代金
9月24日+495.04円−15.84pt(安値引け)43.3%9兆2,038億円
9月25日+850.21円+53.29pt71%7兆8,008億円

日経平均は2日とも上昇しましたが、市場全体の温度はまったく違いました。24日は値下がり銘柄が過半で、25日は7割が値上がりしています。週間で見ても日経平均の2.07%高に対し、TOPIXは0.92%高にとどまりました。

今週の主要テーマ

連休明けの「まとめ買い」は半導体に集中し、翌日に全面高へ広がった

東京市場が休んでいた5日間に、米国ではAI・半導体株が上昇しました。SOX指数は23日に下落したものの、東京の前回取引日の前夜(17日)と比べると8%あまり高い水準にありました。24日の東京市場は、この上昇分をまとめて織り込む形で始まっています。

ただ、その買いは半導体株に集中しました。24日はアドバンテストとイビデンの2銘柄で日経平均を約434円押し上げ、上げ幅495円の9割近くを占めています。TOPIXは安値引けでした。前週に続き、指数と市場全体がずれた一日です。

25日は様子が変わりました。東京エレクトロンとアドバンテストが引き続き指数をけん引する一方、銀行株や中間配当の権利取りの買いが幅広い銘柄に入り、33業種中31業種が上昇しました。TOPIXの上昇率は日経平均とほぼ同じ1.31%で、前週から続いていた指数と市場全体のずれが、週末にようやく解消された形です。

日米の長期金利がそろって歴史的な水準へ

今週もう一つの主役は金利でした。米国では23日発表の9月PMI速報値が市場予想を大きく上回り、FRBが10月に追加利上げするとの観測が強まりました。米10年債利回りは24日に一時5.22%と、2007年6月以来の高水準に達しています。

国内の新発10年国債利回りも24日に3.075%と約30年ぶりの水準を更新し、25日には3.100%(10時36分時点)まで上昇しました。欧米の金利上昇が国内債にも波及した形です。

興味深いのは、同じ金利上昇が2日間で正反対に作用したことです。24日は金融株や内需株の重荷となり、日経平均は高値から700円あまり上げ幅を縮めました。25日は利ざや改善への期待から、銀行業が業種別上昇率のトップになっています。金利上昇を「割高株の重荷」と見るか「金融株の追い風」と見るかで、物色の方向が切り替わりました。

AI関連の中で明暗がはっきり分かれた

AI関連の中でも、銘柄ごとの評価の差が目立ちました。イビデンは、エヌビディアのフアンCEOが同社社長と会談し増産に期待を示したとの報道や、9月30日に効力が発生する株式分割を材料に、24日に14.57%高、25日も4.20%高と急伸しています。

一方、ソフトバンクグループは25日に3.18%安となり、1銘柄で日経平均を162円押し下げました。米オラクルがAIデータセンターの稼働遅れに備えて支払いを先送りする通知を送ったと報じられ、同じ「スターゲート」計画に参加するSBGに売りが波及したためです。キオクシアHDも24日は一時4.80%高から失速するなど、AI関連がひとまとめに買われる局面ではなくなりつつあります。

注目銘柄——明暗を分けたもの

銘柄週間騰落率材料コメント
イビデン<4062>+19.38%エヌビディアCEOとの会談報道、9月30日効力発生の株式分割19,555円→23,345円。2日間で最も大きく上げた指数寄与銘柄
東京エレクトロン<8035>+6.42%米半導体株高の織り込み25日に+4.82%で寄与度トップ(+261円)
アドバンテスト<6857>+6.08%同上2日連続で寄与度上位。24日は1位、25日は2位
レーザーテック<6920>+4.66%半導体製造装置への買い2日連続で上昇(+1.77%、+2.84%)
キオクシアHD<285A>+2.22%メモリ関連への資金の出入り24日は一時+4.80%から失速し+0.02%。上値の重さが目立った
ソフトバンクG<9984>−2.61%米オラクルのAIデータセンターを巡る報道25日に1銘柄で日経平均を162円押し下げ、マイナス寄与の約8割
リクルートHD<6098>−5.85%材料は確認できず24日に−7.78%で日経平均を135円押し下げ。25日は反発

週間騰落率は、前週末18日と今週末25日の終値から算出しています。上位は半導体製造装置と基板で占められ、AIインフラへの投資を担う側のSBGとの差が際立った一週間でした。

来週の注目点5選

1. 28日の権利付き最終売買日と29日の配当落ち

3月期決算企業の中間配当は、28日(月)が権利付き最終売買日です。今週25日には権利取りの買いが幅広い銘柄に入りました。翌29日は配当落ち日となり、日経平均は配当落ち分だけ押し下げられやすくなります。権利取りの買いと、配当落ち後の再投資の需給がどちらに傾くかが注目されます。

2. 75日移動平均線を上抜けられるか

日経平均は5日続伸で、66,600円台に位置する75日移動平均線に迫っています。25日の高値66,410円はその手前でした。上抜ければ6月につけた年初来高値72,366円に向けた戻りが意識されやすくなり、跳ね返されれば心理的節目の66,000円や、24日の安値65,407円が下値の目安になりそうです。

3. 米長期金利と10月FOMCの利上げ観測

米10年債利回りは一時5.22%まで上昇し、東京時間の25日には5.17%台に低下しました。10月の追加利上げ観測が強まるか後退するかで、米金利の方向は変わりえます。金利がさらに上がれば割高なハイテク株の重荷になりやすく、低下すれば半導体株への買いが続きやすい構図です。10月初めに発表が予定される米国の雇用関連指標も、この観測を左右する材料として注目されます。

4. ドル円158円台と為替介入への警戒

ドル円は18日の156円台から、今週は158円台まで円安が進みました。先週末には日銀によるレートチェックがあったとされ、158〜159円台では為替介入への警戒感が意識されています。介入や当局者の発言で円高に振れれば、輸出株の重荷になる可能性があります。

5. 米中首脳会談の評価とAIインフラ投資への懸念

トランプ米大統領と習近平国家主席は24日、ホワイトハウスで4カ月ぶりに会談しました。貿易やAIを巡る合意内容の詳細と市場の受け止めが、週明けの注目材料になりそうです。あわせて、オラクル報道をきっかけとしたAIインフラ投資への懸念が他の銘柄に広がるかどうかも、AI関連の選別を占ううえで注目されます。

来週の日経平均シナリオ

シナリオ想定レンジ主な前提条件
強気シナリオ67,500円〜70,500円75日線を上抜け、米長期金利が5%台前半で落ち着く。半導体株への買いに加え、銀行株など幅広い銘柄への資金流入が続く
基本シナリオ64,000円〜68,000円配当落ちで一時的に押し下げられつつ、75日線近辺で一進一退。日米金利と為替介入警戒をにらみ、方向感が出にくい
弱気シナリオ61,100円〜64,300円米10月利上げ観測がさらに強まり、米長期金利が一段高。AIインフラ投資への懸念が半導体株に波及し、円高方向への急変動も重なる

基本シナリオの上限は、75日線をやや上抜けた水準に置きました。下限は、配当落ち分と24日の安値65,407円を割り込む展開を想定しています。

今週の相場を一言で総括

「2日だけの短い週に、半導体集中から全面高への転換と、日米金利の歴史的上昇が詰まっていた」

連休明けの24日は前週と同じく一部の値がさ株頼みでしたが、25日は銀行株と配当取りの買いが加わり、相場全体に買いが広がりました。一方で日米の長期金利はそろって歴史的な水準にあり、その影響が株式市場のどこに向かうかは、来週以降も変わりやすい局面です。

各営業日の詳しい分析は、9月24日の深掘りノートと9月25日の深掘りノートでご覧いただけます。寄与度の内訳やセクター別の動きは、日ごとの記事のほうが細かく追えます。

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