9日の東京株式市場で日経平均株価は小幅続落し、前日比126円55銭(0.19%)安の6万5142円78銭で取引を終えました。米コーニングの光ファイバー大型受注を受けて古河電気工業やフジクラといった電線株が急騰した一方、アドバンテストとファーストリテイリングの2銘柄で約382円押し下げられています。日経平均採用銘柄では値上がりが113銘柄と値下がりの110銘柄を上回っており、前日までとは違う形の「指数と中身のズレ」が生じた一日でした。

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相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価65,142.78円▲126.55円▲0.19%
TOPIX4,046.64pt▲3.69pt▲0.09%
東証グロース市場250指数確認できず確認できず確認できず

始値は6万5087円22銭、取引開始直後に6万5076円19銭まで下げた後、前場中盤には6万5794円03銭までプラス圏を回復しました。しかし買いは続かず、後場はマイナス圏で軟調にもみ合っています。東証プライム市場の売買代金は9兆2303億円と3営業日連続で増加し、売買高は23億29万株でした。

日経平均を動かした主な要因

米コーニングの光ファイバー大型受注

今日最大の材料は、米コーニングがベライゾンと光ファイバーの長期供給契約を結んだという発表です。2027年から2032年にかけて8000万マイルを超える高密度光ファイバーを供給する、数十億ドル規模の受注とされています。これを受けてコーニング株は7.5%高となり、米国の光通信関連銘柄が軒並み上昇しました。

東京市場でもこの流れが波及し、古河電工が12.63%高、フジクラが8.07%高、住友電気工業が5.72%高と電線株が急騰しています。AIインフラ投資の対象が半導体だけでなく光ファイバーにも及ぶという見方が、新たなテーマとして意識された格好です。

原油6日続伸で資源関連に資金流入

前日8日のWTI原油は1バレル93ドル03銭と6営業日続伸し、終値としては約3カ月ぶりの高値を付けました。イランのカーグ島での爆発報道を受けた供給懸念が背景です。これを受け、非鉄金属、石油・石炭製品、鉱業が業種別上昇率の上位を占めました。

上値を抑えた要因

前日8日の米国市場は続落し、NYダウは628ドル18セント安と1%を超える下げとなりました。原油高によるインフレ再燃が警戒され、長期金利の上昇も売りに拍車をかけています。東京市場でも、中東情勢の悪化を受けた原油高に加え、日銀の利上げペースが加速するとの観測が投資家心理の重荷となりました。

寄与度分析

今日の特徴は、値上がり銘柄の方が多いにもかかわらず指数がマイナスで終わったことです。値上がり113銘柄の寄与度合計が575円20銭だったのに対し、値下がり110銘柄は701円75銭。銘柄数はほぼ拮抗していますが、下げた銘柄の株価水準が高かったため、指数はマイナスになりました。

区分銘柄終値騰落率寄与度
押し上げ1位ソフトバンクG〈9984〉6,810円+3.87%+204.35円
押し上げ2位フジクラ〈5803〉5,493円+8.07%+82.46円
押し上げ3位イビデン〈4062〉21,420円+2.93%+40.90円
押し下げ1位アドバンテスト〈6857〉32,840円▲2.84%▲231.70円
押し下げ2位ファーストリテイリング〈9983〉66,860円▲2.72%▲150.45円
押し下げ3位リクルートHD〈6098〉15,305円▲2.45%▲38.72円

アドバンテストとファーストリテイリングの2銘柄だけで約382円の押し下げです。この2銘柄がなければ日経平均はプラスで引けていた計算になります。ソフトバンクグループは3営業日連続でプラス寄与のトップとなり、3日間の合計では約750円分を押し上げました。

AI関連が「装置」と「光通信」に分かれた

今日の寄与度で見逃せないのが、AI・半導体関連が一枚岩ではなくなった点です。光通信・電線(古河電工、フジクラ、住友電工)と基板・部品(イビデン、村田製作所、TDK)が買われる一方、検査・装置(アドバンテスト、東京エレクトロン、SCREEN)は売られました。セクター単位ではなくテーマ単位で選別が進んでいることを示す動きです。

東証プライム騰落状況

項目9月9日9月8日9月7日
値上がり銘柄比率38%23.2%40.7%
値下がり銘柄比率59%74.5%56.9%
日経225 値上がり/値下がり113/11059/165105/120
売買代金9兆2,303億円8兆4,774億円8兆377億円

東証プライム全体では値下がりが59%と依然として優勢ですが、前日の74.5%からは大きく改善しました。東証33業種も上昇16業種・下落17業種とほぼ拮抗しています。年初来高値を更新したのは11銘柄、年初来安値を更新したのは17銘柄でした。

売買代金が3営業日連続で増加し9兆円台に乗せた点も注目です。指数は膠着していますが、資金の入れ替えはむしろ活発になっています。

業種別・テーマ別動き

上昇:非鉄金属・石油石炭・鉱業

原油高を受けて資源関連が上昇上位を占めました。住友金属鉱山が6.17%高、三井金属鉱業が5.20%高、出光興産が7.58%高、東海カーボンが9.27%高です。商社にも波及し、三菱商事が2.25%高、三井物産が1.24%高となりました。なお電気・ガス業も上昇業種に入っていますが、原油高がコスト増要因となる業種であり、上昇の背景は確認できていません。

下落:証券・サービス・小売・保険・医薬品

下落側は証券・商品先物取引業、サービス業、小売業、保険業、医薬品の順でした。リクルートHDが2.45%安、野村総合研究所が3.04%安、東京海上HDが2.16%安。医薬品はアステラス製薬が1.91%安、塩野義製薬が1.76%安と続落しています。

前日の円高メリット株が一斉に反落

前日に買われた内需・ディフェンシブが今日は売られました。ニトリHDは前日の5.47%高から3.10%安へ、キッコーマンは0.72%高から2.53%安へと反転しています。円相場が153円台前半で膠着したことで、円高メリットという買い材料が一日で剥がれた形です。

為替・米国株・金利の影響

項目水準時点
ドル円153.29円9月9日 東京15時
NYダウ52,786.07ドル(▲628.18)9月8日終値
NASDAQ総合26,421.41(▲85.58)9月8日終値
米10年債利回り上昇(数値は確認できず)9月8日
WTI原油93.03ドル(+1.55)9月8日終値

ドル円は12時時点の153円51銭から15時には153円29銭へじり安となりました。午前に153円25銭まで下げた後の戻りが153円88銭付近にとどまり、上値の重さが確認されています。前日のような急変はなく、153円台前半での膠着です。トヨタ自動車は0.08%高とわずかにプラスを確保しました。

米国市場では8日にレーバーデー休場明けの取引が再開され、NYダウが1%を超す下落となりました。原油高によるインフレ再燃の警戒と長期金利の上昇が背景です。ただしナスダックの下落率は0.32%程度にとどまり、ハイテクは相対的に底堅い動きでした。

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
アルビス〈7475〉ライフコーポレーションによるTOB。買付価格3,780円は前日終値比51%のプレミアム。非公開化を企図し、TOB期間は9月9日から11月10日+20.00%(ストップ高比例配分)
古河電気工業〈5801〉米コーニングとベライゾンの光ファイバー長期供給契約を材料視+12.63%
住友ベークライト〈4203〉材料は確認できず+11.01%
Fスターズ〈3687〉NTTPCコミュニケーションズらと水冷GPUコンテナのワンパッケージ提供を開始小幅続伸
協和キリン〈4151〉材料は確認できず▲5.88%
ミライアル〈4238〉前日に上半期決算を発表大幅続落

決算発表の閑散期が続いており、指数を動かすような決算はありませんでした。アルビスのTOBは、買収する側のライフコーポレーションにとって同業の買収が初めてとされ、スケールメリットの追求が目的とみられます。

テクニカル面

引き続き25日移動平均線と75日移動平均線を下回って推移しており、この2本が上値抵抗線として意識されました。9月7日に25日線を上抜けたものの、8日に割り込み、9日も回復できていません。上抜けが定着しなかったことが2日続けて確認された形です。

一方で下値は堅く、安値は6万5076円19銭と心理的節目の6万5000円を割り込みませんでした。当面はこの6万5000円と25日線に挟まれたレンジでの推移が想定されます。年初来高値は6月22日の7万2831円73銭、年初来安値は3月31日の5万558円91銭です。

今後の見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日64,400円〜66,000円米CPIへの警戒と原油価格の水準。65,000円を維持できれば戻りを試すが、割り込めば下値模索
1ヶ月後61,500円〜68,500円日銀会合とFOMCの結果、中東情勢の帰趨。日米同時の引き締め観測が強まれば調整も
1年後57,000円〜79,000円AIインフラ投資の裾野の広がり、エネルギー価格の落ち着きどころ、為替の中期水準

いずれも断定的な予測ではありません。今週は米消費者物価指数の発表が控えており、インフレ再燃が確認されるかどうかで地合いが変わりやすい局面です。

今日の結論

今日の相場を一言で表すなら、「値上がり銘柄の方が多いのに、値がさ2銘柄に負けて指数はマイナスだった日」です。

9月7日は値下がり銘柄が過半でも指数が大幅高、8日は値下がり4分の3の全面安、そして今日は値上がり銘柄が優勢でも小幅安。3日連続で「銘柄数と指数が一致しない」相場が続いています。いずれも原因は同じで、株価水準の高い銘柄が指数を左右する仕組みにあります。保有銘柄の値動きと日経平均の数字がかみ合わないと感じたなら、それは相場を正しく見ている証拠かもしれません。

より簡潔にその日の相場をつかみたい方は、通常版の記事もあわせてご覧ください。前日までの流れは9月8日の深掘りノートで確認できます。

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短く確認する(約3分)
【2026年9月9日】今日の日本株ノート|光ファイバー受注で電線株が急騰、値上がり銘柄が優勢でも値がさ2銘柄に押されて126円安
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