日経平均は小反落、終値は66,311円
8月31日の日経平均株価は、前週末比93円63銭安の66,311円93銭と反落しました。ただ「93円安」という数字は、この日の値動きをほとんど表していません。
朝方は前週末比1,500円を超える下落となり、心理的節目の6万5,000円を割り込む場面がありました。安値は9時6分の64,832円10銭。そこから約1,480円戻し、終値は当日の高値というかたちで引けています。一方でTOPIXは9.58ポイント高の4,156.29と8日続伸しており、指数間で方向が分かれた一日でした。
相場を動かした主な材料
最大の材料は、ジャクソンホール会合でのウォーシュFRB議長の講演です。議長はインフレが目標に向けて十分なスピードで改善すると確信する必要があるとし、そうでなければやるべきことがあると述べました。市場はこれを追加利上げの示唆と受け止め、9月15〜16日のFOMCでの利上げ織り込みは50%を超える水準まで高まったとみられています。
その結果、前週末28日の米市場ではSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が3.47%安と大きく下落しました。東京市場はこの流れを直接引き継ぎ、指数寄与度の大きい半導体関連株に売りが集中しています。加えて月末を迎えた機関投資家のリバランス売りが重なり、前引けにかけては下げ幅が1,000円を超えました。
後場に入ると、売られすぎ感からの押し目買いが広がり、下げ幅は急速に縮小しています。
指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄
押し下げの中心はアドバンテストで、1銘柄で日経平均を約381円押し下げました。株価は1,580円安の33,690円と4.48%の下落です。TDKを加えた上位2銘柄だけで、押し下げは約398円に達しました。
逆に指数を支えたのはファーストリテイリングで、寄与度は約95円のプラス。株価は1.67%高の72,450円でした。続いてキオクシアホールディングスが4.36%高、フジクラが3.07%高と、同じAI・半導体の括りの中でも買い戻される銘柄が明確に分かれています。
市場全体の温度感
東証プライム市場では値上がり銘柄が約57%、値下がりが約41%でした。日経平均を構成する225銘柄で見ても、値上がり131に対して値下がり91と、値上がりが優勢です。年初来高値を更新した銘柄は113、年初来安値の更新は1銘柄にとどまりました。
業種別では、原油高を背景に鉱業や石油・石炭製品が上昇し、電気・ガス業も買われました。一方で海運業、空運業、機械などが下落しています。売買代金は9兆3,583億円と高水準でした。
つまりこの日は、市場全体が売られたわけではありません。指数寄与度の大きい一部の値がさ半導体株が突出して下げ、それ以外は底堅かったという構図です。時価総額加重で算出されるTOPIXが8日続伸となったのは、この実態を反映した結果といえます。
今後の日経平均の見通し
| 期間 | 想定レンジ | 主な前提条件 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 65,500円〜67,000円 | 米ISM製造業景況指数などの内容次第。半導体株の戻りが続くかが焦点 |
| 1ヶ月後 | 62,000円〜69,500円 | 9月4日の米雇用統計と9月FOMCが最大の変数。日銀の追加利上げ判断も影響 |
| 1年後 | 60,000円〜80,000円 | 企業業績の拡大が続くか、金利上昇がバリュエーションをどこまで圧迫するか |
米国の利上げ観測が続けば値がさハイテク株には逆風となりやすい一方、内需・資源・金融には追い風が働きやすい局面です。指数と個別で評価が分かれる展開が想定されます。
今日のまとめ
終値の「93円安」という見出しの裏で、実際には1,573円安から1,480円戻すという振れ幅の大きい一日でした。売られたのは一部の値がさ半導体株であり、市場全体では6割近い銘柄が値上がりしています。指数の数字だけを追うと、この日に何が起きたかを見誤ることになりそうです。
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