8月18日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比1759円52銭安の6万7460円73銭となり、6営業日ぶりに大幅反落しました。下げ幅は一時1800円を超えています。国内の長期金利が一時2.945%と30年ぶりの高水準に上昇し、中東情勢を背景とした原油高も重なって、PER(株価収益率)の高い半導体関連が集中的に売られました。

ただし東証プライムで値上がりした銘柄は722、値下がりは783。値上がり比率は46.4%です。指数が0.74%上昇した前日の値上がり比率が40%だったことを思えば、指数が2.5%下げた日のほうが、値上がり銘柄は多かったことになります。この記事では、その一見奇妙な数字が何を意味するのかを掘り下げます。通常版の記事はこちらからご覧いただけます。

相場サマリー

指数終値前日比騰落率
日経平均株価67,460.73円▲1,759.52円▲2.54%
TOPIX4,140.22pt▲43.89pt▲1.05%
JPXプライム1501,726.94pt▲24.94pt▲1.42%
JPX日経40037,340pt▲449pt確認できず

日経平均は始値6万8847円35銭と372円安で寄り付き、前引けは6万8098円54銭。後場も下げ止まらず、終盤に安値6万7368円96銭まで下押ししました。高値は確認できていませんが、寄り付き付近が実質的な高値圏だったとみられます。東証グロース市場250指数は3営業日ぶりに反落しました(終値は確認できず)。

項目数値
東証プライム 売買代金概算10兆1,564億円(前日8兆9,492億円)
東証プライム 売買高22億1,462万株
値上がり/値下がり/横ばい722/783/51
値上がり比率46.4%
ストップ高/ストップ安8銘柄/0銘柄

日経平均を動かした主な要因

最大の要因は国内長期金利です。新発10年物国債の利回りは一時2.945%まで上昇し、2日連続で30年ぶりの高水準を更新しました。円安を背景にしたインフレへの対応として、日銀が早ければ9月の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの見方が金利の先高観につながっています。金利上昇は、将来利益の割引率を引き上げる形でPERの高い銘柄に効きます。半導体関連が集中的に売られたのは、この経路によるものです。

第二に、中東情勢の再悪化です。米国とイランが6月に署名した戦闘終結に向けた覚書は、60日の交渉期間内に最終合意に至らないまま期限を迎えました。トランプ米大統領が延長を求めていないと述べたと伝わり、17日のWTI原油先物は2.6%高の1バレル84.50ドルまで上昇。ホルムズ海峡の開放も見通せず、インフレ圧力の高まりが警戒されました。

第三に、前日の米国株安と時間外の先物安です。17日の米国市場はダウが272ドル安、ナスダックが84ポイント安と続落。さらに東京時間の午後、朝方は堅調だった韓国総合株価指数(KOSPI)がマイナスに転じ、時間外のナスダック100先物も下げ幅を広げたことで、日経平均は終盤にかけて水準を切り下げました。

寄与度分析——上位2銘柄で下落幅の半分

区分銘柄寄与度株価騰落率
押し下げ1位アドバンテスト(6857)▲463.41円▲5.08%
押し下げ2位東京エレクトロン(8035)▲373.10円▲6.17%
押し下げ3位ファーストリテイリング(9983)▲145.62円▲2.36%
押し上げ1位KDDI(9433)約+8円確認できず
押し上げ2位三菱商事(8058)確認できず確認できず
押し上げ3位武田薬品工業(4502)確認できず確認できず

アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで約836円分。指数の下落幅1759円52銭の約48%にあたります。ここにファーストリテイリング、キオクシアHD(▲110.05円)、村田製作所(▲63.88円)を加えた上位5銘柄では合計約1156円となり、下落幅の約66%を占めました。

値上がりした80銘柄の寄与度合計はわずか+103.76円、値下がりした142銘柄の合計は▲1863.28円。押し上げトップのKDDIでさえ約8円で、上昇銘柄には指数を支える力がまったくありませんでした。

東証プライム騰落状況——下げたのは「一部の値がさ株」

ここが本日の核心です。指数は2.54%下げましたが、値上がり銘柄は722で全体の46.4%。ストップ安に至っては1銘柄もありませんでした。

前日8月17日と並べると構図がはっきりします。

項目8月17日8月18日
日経平均+0.74%▲2.54%
TOPIX▲0.31%▲1.05%
プライム値上がり比率約40%46.4%
上位5銘柄の寄与度約+708円(上昇幅の140%)約▲1156円(下落幅の66%)
NT倍率16.54倍16.29倍

指数が上がった日より、指数が下がった日のほうが値上がり銘柄が多い。これは矛盾ではなく、日経平均が値がさ株の株価単純平均型指数であることの当然の帰結です。詳しくは前日の深掘りノートもあわせてご覧ください。

業種別・テーマ別の動き

上昇したセクター

海運業、鉱業、石油・石炭製品が上昇上位。原油高が直接の追い風となり、商船三井などが買われました。医薬品も強く、武田薬品、第一三共、アステラス製薬、大塚HD、塩野義製薬が揃って上昇。前日に売られたディフェンシブ株が、そのまま買い戻された形です。商社も三菱商事、三井物産、伊藤忠商事が上昇しました。

下落したセクター

電気機器、金属製品、ガラス・土石製品が下落上位。マイナス寄与上位20銘柄のうち13銘柄が半導体・電子部品関連という極端な集中でした。太陽誘電は約11.5%安、村田製作所は約9.6%安と、指数寄与度以上に個別の下げがきつくなっています。

注目したいのは銀行です。三菱UFJや地銀株は金利上昇を追い風に堅調でした。前日は同じく金利が30年ぶり高水準をつけたにもかかわらず三菱UFJが▲1.00%と冴えなかったことを思うと、金利上昇を「割高感」と読むか「利ざや改善」と読むかが、市場のなかで2日連続で入れ替わっていることになります。

為替・米国株・金利

ドル円は東京時間15時時点で1ドル=159円73銭。前日の159円08銭から65銭ほど円安が進みました。ただし本日は、円安が輸出株の支援材料としてではなく「円安→インフレ→日銀利上げ→金利上昇」という経路で株式のバリュエーション圧迫要因として働いた点が特徴的です。160円の節目を前に、為替介入への警戒感も残っています。

指標水準基準日
NYダウ53,459.78ドル(▲272.63ドル、▲0.51%)2026-08-17
NASDAQ総合26,644.91pt(▲84.25pt、▲0.32%)2026-08-17
S&P5007,745.06pt(▲40.70pt、▲0.52%)2026-08-17
米10年債利回り4.72%台へ上昇2026-08-17
日本10年債利回り一時2.945%(30年ぶり高水準)2026-08-18
WTI原油先物84.50ドル(+2.6%)2026-08-17

米国では17日、半導体セクターがむしろ買われる一方で長期金利の上昇が相場全体を押し下げました。つまり日米ともに、本日の下げの主因は「半導体の業績懸念」ではなく「金利」です。ここは切り分けて理解しておきたいところです。

個別決算・材料株

銘柄材料株価反応
太陽誘電(6976)ヘッジファンドが8月に持ち株を大幅削減との報道約▲11.5%(9,991円)
村田製作所(6981)電子部品への金利高・割高感約▲9.6%(7,496円)
キオクシアHD(285A)前日+15.07%の反動約▲7.6%(57,150円)
三井金属・JX金属増産発表注目集める(騰落率は確認できず)
北川精機(6327)今期経常14%増で2期連続最高益、前期3円増額・今期2円増配確認できず
商船三井(9104)中東情勢の緊迫化と原油高上昇(騰落率は確認できず)

企業の決算発表は一巡し、物色は中小型の材料株に移っています。指数が2.5%下げた日にストップ高が8銘柄あり、ストップ安がゼロだったのは、地合いの悪さが市場全体に及んでいなかったことの裏づけといえます。

テクニカル面

日経平均は6万8000円の節目を明確に割り込みました。テクニカルアナリストの伊藤智洋氏は本日朝の時点で、6月22日の高値7万2831円が当面の壁になっているならば8月14日の高値6万9608円が7月29日以降の上昇の限界であり、下げる場合は6万8000円を目指す動きになる公算だと指摘していましたが、実際にその水準を下抜けた形です。

上値のメドは6万9608円(8月14日高値)と7万円、下値のメドは本日安値6万7368円と6万7000円。25日移動平均線からの乖離率は前日の5%前後から大きく縮小しているとみられますが、具体的な数値は確認できませんでした。日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は大幅に上昇しています(数値は確認できず)。

今後の見通し

期間想定レンジ主な前提条件
翌営業日66,500円〜68,500円長期金利が3%に接近すれば半導体関連への売りが続きやすい一方、原油が落ち着けば自律反発の余地もある
1ヶ月後63,000円〜70,000円8月21日の7月全国CPI、9月の日銀会合と米FOMC、概算要求をめぐる財政懸念の推移
1年後58,000円〜80,000円AI関連投資の持続性と企業業績、日銀の利上げペース、中東情勢と原油価格の動向

今日の結論

「下げたのは指数であって、市場ではない」——上位2銘柄で下落幅の半分を作った一日。

1759円安という数字のインパクトは大きいものの、値上がり銘柄は46.4%、ストップ安はゼロでした。売られたのは金利上昇に弱いPERの高い値がさ半導体株であり、資源・医薬品・銀行・商社には資金が向かっています。前日とこの2日間を並べれば、日経平均という指数が何を映していて何を映していないかが、はっきり見えてきます。焦点は企業業績ではなく、長期金利3%の攻防と中東情勢です。

1日の値動きを手早く押さえたい方は、通常版の日経ノートもあわせてご覧ください。

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【2026年8月18日】今日の日本株ノート|1759円安で6日ぶり大幅反落、長期金利は30年ぶり高水準
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