9月28日〜10月2日の東京市場で、日経平均株価は前週末比1,945.26円高の68,309.46円となり、週間で2.93%上昇しました。週前半は6連騰後の利益確定売りと9月末配当の権利落ち、中東情勢の緊迫化で続落しましたが、週半ばにサウジアラビアのパイプライン復旧で原油が急落すると流れが一変しました。

10月1日には米マイクロン・テクノロジーの好決算を受けて歴代11位となる2,203円高を記録し、約1か月半ぶりに68,000円台を回復しています。一方、TOPIXは週間で0.91%下落しており、半導体株が日経平均だけを押し上げた「一極集中」の1週間でした。

今週の数字を一目で振り返る

日次の値動き(日経平均)

曜日日付終値前日比騰落率
月9月28日65,877.62円▲486.58円▲0.73%
火9月29日65,481.27円▲396.35円▲0.60%
水9月30日66,753.72円+1,272.45円+1.94%
木10月1日68,956.72円+2,203.00円+3.30%
金10月2日68,309.46円▲647.26円▲0.94%

週間サマリー

指数前週末終値今週末終値週間騰落週間騰落率
日経平均66,364.20円68,309.46円+1,945.26円+2.93%
TOPIX4,128.594,091.00▲37.59▲0.91%

週間の高値は10月1日の68,995.30円、安値は9月29日の64,699.49円で、週間の値幅は約4,300円に達しました。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は前週末の16.07倍から16.70倍へ大きく上昇しています。

今週の主要テーマ

中東・原油と米長期金利の綱引き

今週の相場の方向を最も左右したのは、中東情勢を起点とする原油価格と、それに連動する米長期金利でした。週初はトランプ米大統領がイランの提案を拒否したことで原油が上昇し、韓国株安も重なって日経平均は75日移動平均線に跳ね返されました。

流れが変わったのは週半ばです。サウジアラビアの主要パイプラインの一部が復旧し、WTI原油は9月29日に88ドル台まで急落しました。中東リスクの後退で9月30日は全33業種が上昇する全面高となりましたが、週末には米国の中東での軍備増強が伝わり、原油は再び92ドル台へ戻っています。この間、米10年債利回りは9月30日に一時5.3%台と約19年ぶりの高水準をつけ、10月1日には一時5.34%まで上昇するなど、金利の高止まりが相場の上値を抑え続けました。

マイクロン好決算と半導体一極集中

週後半の急伸を主導したのは半導体株です。マイクロンが9月30日に発表した決算は、9〜11月期の売上高見通しが市場予想を上回り、AI向けメモリー需要の強さを示しました。10月1日はアドバンテスト1銘柄で日経平均を約723円押し上げ、寄与度上位5銘柄で上げ幅の約73%を占めています。

一方で、10月1日の東証プライムは値上がりと値下がりがほぼ同数、週間ではTOPIXが下落しており、上昇は値がさの半導体株に集中しました。週末にはソフトバンクグループがOpenAIへの追加出資発表後に5.8%安となる一方、アドバンテストは続伸するなど、半導体・AI関連の中でも明暗が分かれ始めています。

9月末配当落ちと日銀の利上げ観測

9月29日は9月末配当の権利落ち日で、配当落ちによる日経平均の押し下げは約380円と試算されました。高配当株の多いTOPIXは1.72%安と大きく下げ、銀行・商社・鉄鋼などが売られています。

10月1日の日銀短観では大企業製造業の業況判断DIが約8年半ぶりの高水準となった一方、予想はわずかに下回りました。日銀9月会合の「主な意見」も10月利上げを強く示唆せず、早期利上げ観測が後退して銀行・保険株が売られ、円安が進みました。ただし週末に発表された9月の東京都区部コアCPIは前年比2.7%と大きく伸びており、利上げ観測は再び揺れ動く可能性があります。

注目銘柄——明暗を分けたもの

銘柄週間騰落率材料コメント
アドバンテスト確認できず(参考:9/25→10/1で+10.6%)マイクロン好決算、AI向けHBM需要10月1日に約723円の押し上げ寄与。週末も続伸
東京エレクトロン確認できず(参考:9/28→10/1で+11.7%)半導体製造装置への買い週後半の上昇を主導、週末は利益確定で下落
ソフトバンクグループ+2.6%OpenAIへの100億ドルの追加出資日々の寄与度が大きく、週末は材料出尽くしで5.8%安
太陽誘電確認できず(9/30は+4.31%)TDKとAIサーバー向け部品の共同開発で基本合意同業の村田製作所は競争環境の変化を警戒して下落
フジクラ確認できず(9/30は+5.94%)電線・光ファイバー関連、米コーニング高半導体以外のAIインフラ関連として資金が流入
ニデック確認できず(参考:9/25→10/1で▲26.1%)社長解任・巨額減損の報道、監査意見の不表明ストップ安を含め大幅安。ガバナンスへの懸念が続く
第一三共確認できず(参考:9/25→10/1で▲6.5%)肺がん治療薬の米FDA申請を取り下げ医薬品株の下落を主導

来週の注目点5選

1. 米9月雇用統計と米長期金利の反応

10月2日夜に発表される米雇用統計は、非農業部門雇用者数が10万人増、失業率が4.1%と予想されています。雇用が強ければFOMC(10月27〜28日)の利上げ観測が再燃し、5.3%前後の米長期金利がさらに上昇する可能性があります。逆に弱ければ金利低下を通じてハイテク株の支えとなりやすく、週明けの日本株は結果次第で方向感が変わりうる局面です。

2. 中東情勢と原油価格

米国とイランの協議、ホルムズ海峡やサウジアラビアのパイプラインをめぐる報道が、今週と同様に原油価格を大きく動かす可能性があります。原油が上昇すればインフレ懸念と金利上昇を通じて株式の重荷となりやすく、下落すれば今週半ばのような全面高の展開も想定されます。中東関連のニュースが注目されます。

3. 日銀の利上げ観測と円相場

東京都区部コアCPIの上振れを受けて、日銀の10月利上げ観測が再び強まるかが焦点です。利上げ観測が強まれば円高と銀行株高、弱まれば円安と輸出株高につながりやすい構図です。ドル円は158円台で日米の協調介入への警戒もあり、為替の急変動にも注意が必要です。

4. 半導体一極集中は是正されるか

NT倍率は16.70倍まで上昇しており、半導体株への資金集中が続くのか、ほかの業種に買いが広がるのかが注目されます。半導体株の上昇が続けば日経平均の上振れ余地がある一方、利益確定が強まれば指数の下げが大きくなりやすい点には注意が必要です。

5. 国内政治と米国の景気指標

10月5日には臨時国会が召集され、食料品の消費税をめぐる議論が予定されています。財政への影響が意識されれば国内金利の動きにつながる可能性があります。米国では来週、ISM非製造業景況指数も発表され、米景気の強さを測る材料として注目されます。

来週の日経平均シナリオ

シナリオ想定レンジ主な前提条件
強気シナリオ70,000円〜73,500円米雇用統計を受けて米長期金利が低下、原油安定、半導体株の上昇がほかの業種にも広がる
基本シナリオ66,000円〜70,500円米金利・原油は高止まりしつつ大きな波乱はなく、半導体株の物色と利益確定が交錯
弱気シナリオ63,000円〜66,000円強い雇用統計で米利上げ観測が再燃、中東情勢の緊迫化で原油が急騰、半導体株の利益確定が加速

今週の相場を一言で総括

「原油と金利に揺さぶられ、マイクロンが点火した半導体一極高の1週間」

週前半は中東懸念と配当落ちで続落しましたが、原油の急落とマイクロンの好決算をきっかけに日経平均は急反発し、週間で約1,945円上昇しました。ただしTOPIXは週間で下落しており、相場全体の強さは日経平均の数字ほどではありません。来週は米雇用統計後の金利動向と、半導体以外に買いが広がるかが注目されます。

日々の詳しい分析は、各日の深掘りノート(9月28日、9月29日、9月30日、10月1日、10月2日)をご覧ください。

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