日経平均は大幅続落、終値は61,409円——2日間で最高値から1,862円急落

5月15日(金)の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、終値は前日比1,244円76銭安の61,409円29銭となりました。前日(5月14日)の米国株式市場でNASDAQが最高値を更新したことを受けて寄り付きは62,878円と224円のギャップアップでスタートしましたが、買いはまったく続きませんでした。国内長期金利が一時2.7%と約29年ぶりの高水準に達したことでAI・半導体関連の主力株に利確売りが殺到し、後場には下げ幅が一時1,500円を超える場面もありました。5月13日につけた最高値(63,272円)からわずか2日間で▲1,862円という急落となりました。

東証株価指数(TOPIX)も続落しましたが、終値の下落率は▲0.39%程度にとどまりました。日経平均(▲1.99%)との大幅な乖離が、本日の相場の特徴を端的に示しています。

相場を動かした主な材料

本日の最大の売り材料は、国内長期金利の急上昇です。10年物国債利回りが一時2.7%に達し、前日の2.635%からさらに上昇して約29年ぶりの高水準を更新しました。前日夜に発表された米4月生産者物価指数(PPI)が前月比+1.4%と市場予想(+0.5%)を大幅に上回ったことでインフレ懸念が一段と強まり、その影響が国内金利にも波及しました。金利の上昇は株式の割高感を意識させ、特に高いバリュエーションで買われてきたAI・半導体関連株の重しとなりました。

加えて、前日(5月14日)のフジクラのストップ安に端を発した「フジクラショック」の余波も続きました。アドバンテスト・東京エレクトロン・フジクラ・イビデン・キオクシアHDなど、前週来の主役銘柄群への利確売りが止まらず、これらの銘柄への集中的な売りが指数を大きく引き下げました。ドル円が158円50銭台と「為替介入ライン」とされた158円台を突破したことも、市場の警戒感を高める一因となりました。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

最大の押し下げ役はアドバンテストで、前引け時点だけで1銘柄が約307円分の押し下げとなりました。東京エレクトロン(▲110円)・フジクラ(▲85円)・イビデン(▲82円)・キオクシアHD(▲65円)がこれに続き、前引け時点での上位5銘柄の押し下げ合計だけで約650円に達しました。先週の急騰時の主役銘柄が、今週は最大の重しへと転落した格好です。

一方で逆行高となったのはメガバンク株です。三菱UFJフィナンシャル・グループが今期最終11%増・4期連続最高益・10円増配という好決算を発表し、みずほフィナンシャルグループも前期純利益が初の1兆円超となりました。長期金利上昇は銀行の利ざや拡大期待につながるという、教科書どおりのセクターローテーションが見られました。

市場全体の温度感

本日最も注目すべき点は、日経平均(▲1.99%)とTOPIX(▲0.39%)の約5倍の乖離です。アドバンテストをはじめとする値がさハイテク株への集中的な売りが日経平均を大きく押し下げた一方、メガバンク・内需株などは底堅く推移しました。日経平均の数字ほど市場全体は崩れていなかったといえます。

今週(5月7〜15日)を振り返ると、7日の歴史的急騰から始まり、13日に63,000円台初の終値・最高値更新というクライマックスを迎えた後、「フジクラショック」と「長期金利ショック」という2つの下落材料で最高値から1,862円急落して週を終えました。週間では前週末比▲1,304円安と、2週ぶりの週間反落となっています。株探の週末コメントは「中東情勢を無視した株高は続かない」と総括しており、来週は調整しやすい局面が続くとの見方もあります。

今後の日経平均の見通し

来週の最大の転換材料は2つです。一つは大引け後に発表されたキオクシアHDの決算です。4〜6月期の純利益が前年同期比48倍の8,690億円になる見通しで、市場予想平均(4,056億円)を約2倍上回る内容でした。PTSで一時+23%超の急騰となっており、来週月曜(18日)の東京市場での反応が最注目です。もう一つは来週予定される米エヌビディアの決算です。AI需要の「実績」が「期待」に追いついているかを示す最大の材料として、日本のAI・半導体相場の方向性を決めることになります。

時点 予想レンジ 見方
翌営業日(5月18日) 60,500円〜63,500円 キオクシア好決算(PTS+23%超)を受けてギャップアップでのスタートが見込まれる。ただし国内長期金利の高止まりが上値を抑えやすく、上下に振れやすい不安定な局面が続く見込み
1ヶ月後 59,000円〜65,000円 国内長期金利の方向性と米エヌビディア決算が最大の変数。順調なら65,000円方向も、金利のさらなる上昇や円高急進が重なれば59,000円方向への調整も想定される
1年後 55,000円〜75,000円 国内長期金利の「正常化」がバリュエーションに与える影響・日銀の利上げペース・AIブームの実績化など多くの変数が絡む。不確実性が非常に高く、幅を持って見る必要がある

来週以降は、キオクシアHDの株価動向、国内長期金利の安定化の有無、米エヌビディア決算、ドル円の介入警戒感を順次確認していく局面です。61,000円台を維持できるかどうかが当面の焦点となります。

今日のまとめ

「国内長期金利2.7%という29年ぶりの高水準が日本株のバリュエーションを直撃した一日」でした。好材料の米国株高をギャップアップで受けたにもかかわらず、国内発の売り材料がそれを上回りました。アドバンテスト1銘柄で307円の押し下げという集中的な利確売りが日経平均を大きく引き下げる一方で、TOPIXは▲0.4%にとどまり、市場全体の崩壊ではないことを示しています。

大引け後に発表されたキオクシアHDの純利益48倍という好決算は、「フジクラが失望させた後にメモリー株が期待に応えた」という展開として来週の相場に大きな影響を与えそうです。米エヌビディア決算とともに、AI相場の次のステージを決める材料として注目が集まります。

寄与度上位銘柄や業種別の動き、長期金利上昇の背景、キオクシア決算の詳細をより詳しく確認したい方は、詳細版の今日の「深掘りノート」もあわせてご覧ください。