日経平均は3日ぶり反落618円安、終値は62,654円——安値引け

5月14日(木)の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、終値は前日比618円06銭安の62,654円05銭となりました。前場は前日夜の米国ハイテク株高を受けて買いが先行し、日経平均は一時63,799円と取引時間中の史上最高値を更新する場面がありました。しかし14時にフジクラが発表した決算が市場予想を大幅に下回る内容でストップ安まで急落し、AI・光ファイバー関連株を中心に利益確定売りが波及。日経平均はマイナス圏に転落し、62,654円の安値で引けました。高値から終値にかけての下落幅は約1,145円という激しい乱高下の一日でした。

東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反落し、終値は前日比40.21ポイント(1.03%)安の3,879.27でした。

相場を動かした主な材料

本日の相場を大きく動かしたのは、14時に発表されたフジクラの2027年3月期業績見通しです。売上高は前期比5.1%増の1兆2,430億円と増収を見込んだものの、最終利益は前期比0.7%減の1,560億円と微減益の見通しを示しました。AI・データセンター向け光ファイバーの急速な増産により、水素などの一部原材料の調達が追いつかなくなるリスクを保守的に見込んだ内容です。株価はストップ安まで急落し、日中取引として過去最高となる2兆円超の売買が集中しました。

この「フジクラショック」は光ファイバー・電線株にとどまらず、AI関連株全般への利益確定売りを誘発しました。前日までの急騰局面で買い上げられていた銘柄群を中心に「期待先行相場の現実確認」が起きた形です。また、国内長期金利が一時2.635%と約29年ぶりの高水準を記録したことも、グロース・ハイテク株のバリュエーション面での重しとなりました。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

フジクラのストップ安が最大の押し下げ要因となり、連鎖的にソフトバンクグループ・ファーストリテイリング・キオクシアHD・ソニーGなどに売りが波及しました。特にキオクシアHDは場中に53,490円と最高値を更新した直後にフジクラショックを受けて一時45,000円近くまで約8,000円急落するという、この日の乱高下を象徴する動きを見せました。

一方でフジクラショックの嵐の中でアドバンテストやファナック、TDK・スクリーンHD・村田製作所などが上昇しました。「フジクラ(光ファイバー)は崩れたが、半導体装置・電子部品は崩れていない」という選別が相場に起きており、AI相場の中での物色がより精緻な段階に入ったことを示しています。

市場全体の温度感

東証プライム市場では値下がり銘柄数が869銘柄(55.2%)と過半数を占め、値上がりは664銘柄(42.2%)にとどまりました。前日の「値上がり58.9%」という物色の広がりから一転して地合いが悪化しました。

売買代金は12兆376億円とプライム市場移行後の過去最大を更新しました。ただしこの数字はフジクラ1銘柄で2兆円超という異常な集中を含んでおり、パニック的な売りが膨らんだ結果としての過去最大という点には留意が必要です。フジクラを除いても依然として10兆円超という異例の高水準が続いており、市場参加者の高い関与度は変わっていません。

今後の日経平均の見通し

翌日以降の最大の焦点は二つです。一つは5月15日(金曜)に最終日を迎える米中首脳会談の結果です。初日(14日)は習近平国家主席が「中米はパートナーとなるべき」と発言し穏やかな滑り出しでした。最終的な合意内容によっては、イラン問題への協調→原油安→インフレ懸念後退というリスクオン材料になりえます。もう一つは来週予定される米エヌビディアの決算です。フジクラショック後に「AIの夢は終わったのか」という疑問に対する答えを出す最大の材料として、市場の関心が集まっています。

時点 予想レンジ 見方
翌営業日(5月15日) 61,500円〜63,500円 フジクラショックの後遺症が続くか押し目買いが入るかが焦点。米中首脳会談の最終結果次第では上振れ余地もあるが、週末前の手仕舞いが上値を抑えやすい。上下に振れやすく広めのレンジを設定する
1ヶ月後 60,000円〜66,000円 米エヌビディア決算(来週予定)がAI相場の方向性を決める最大の材料。国内長期金利の方向性(29年ぶり高水準からさらに上昇するか)も重要な変数となる
1年後 57,000円〜77,000円 AIブームの「期待から実績」への転換の行方・日銀の利上げペース・米景気の行方など多くの変数が絡む。不確実性が非常に高く、幅を持って見る必要がある

翌週以降は米エヌビディア決算を最大のイベントとして、フジクラショックによるAI関連株への選別が続くなか、62,000円台を維持できるかどうかを確認していく局面です。国内長期金利の動向と日銀の対応にも引き続き注目が必要です。

今日のまとめ

前場の最高値更新から後場の急反落へ——5月14日は「フジクラショック」という言葉が残る一日となりました。フジクラの今期微減益見通しはAI・光ファイバー相場における「期待から現実」への転換点として市場に強く意識されました。ただしアドバンテストやファナックが逆行高したことは、AI相場全体が終わったわけではなく「選別の段階」に入ったことを示しています。来週の米エヌビディア決算が、この選別をさらに進めるのか、それとも新たな強気材料を提供するのか——それが次の相場の方向性を決める鍵となります。

寄与度上位銘柄や業種別の動き、フジクラ決算の詳細、国内長期金利上昇の背景をより詳しく確認したい方は、詳細版の今日の「深掘りノート」もあわせてご覧ください。