日経平均は続伸・最高値更新、終値は63,272円——初の63,000円台

5月13日(水)の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、終値は前日比529円54銭高の63,272円11銭となりました。5月7日に付けた最高値(62,833円)を更新し、終値で初めて6万3,000円台に乗せました。前日夜に発表された米4月消費者物価指数(CPI)がインフレの加速を示し、ナスダックが下落してシカゴ日経先物も一時売られましたが、東京市場は決算シーズン佳境での選別買いを拠りどころに独自の強さを発揮しました。

東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、終値は前日比46.58ポイント(1.20%)高の3,919.48でした。年初来高値(3,938円)まであと約20ポイントに迫り、日経平均と並んで市場全体の強さを示しています。

相場を動かした主な材料

朝方の売り先行の原因は、前日夜の米4月CPIです。コアCPI(食料・エネルギー除く)が前年比+2.8%とやや予想を上回り、ガソリンや食品の値上がりがインフレを押し上げていることが確認されました。これを受けてナスダックが▲185ポイント安となり、東京市場も▲344円のギャップダウンで始まりました。

しかし、国内企業の決算好材料がこの外部ショックを吸収しました。最大の材料はキオクシアHDの業績発表です。2027年3月期の営業利益見通しが「トヨタ超え」と話題となる水準を示し、AI需要によるメモリー市況の構造的な強さを改めて確認させました。また大引け後にはソフトバンクグループが前期最終利益4.3倍増・5期ぶり最高益という好決算を発表しており、翌日への期待感も相場を後押ししました。

また、ベセント米財務長官と片山財務相の会談後、ドル円が一時的に急落する場面があり「日米の暗黙の為替協調」が意識されました。一方的な円安が進みにくい環境が改めて確認されたことは、相場の安定にとってプラスに作用したとみられます。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

今日の最大の押し上げ役はキオクシアHDで、1銘柄だけで日経平均を約59円押し上げました。「トヨタ超えの業績見通し」という圧倒的な好材料が評価され、AI・メモリー相場の新たな主役として注目を集めました。フジクラも4日連続の上昇で光ファイバー・AI関連の底流の強さを示し、5月8日以降に下落していたトヨタ自動車も本日は反発し輸送用機器業種全体を押し上げました。

一方でレーザーテク・TDKなど一部の半導体・電子部品株には米CPI上振れを受けた利確売りが出たほか、前日に上昇していた清水建設など建設株の一角にも反動売りが出ました。ただし今日はこれらのマイナス要因を上回る数の銘柄が上昇しており、相場の地合いとしては明確に改善しています。

市場全体の温度感

本日の東証プライム市場では値上がり銘柄数が927銘柄(約58.9%)と、値下がり(593銘柄・約37.7%)を明確に上回りました。5月7日以降、値下がり銘柄が過半数を占める日が続いていましたが、本日は「値上がりが過半数」に転換しました。日経が「決算手掛かりに物色の裾野広がる」と評した通り、特定の値がさ株だけでなく幅広い業種・銘柄への分散物色が進んだ一日でした。

TOPIXの上昇率(+1.20%)が日経平均(+0.84%)を上回ったことも、市場全体の底堅さを示しています。売買代金は10兆4,909億円と6営業日連続で10兆円超えを維持しており、高値圏での活発な売買が続いています。相場が「特定銘柄への集中」から「広範な分散物色」へとステージを移しつつある兆しが出てきました。

今後の日経平均の見通し

翌日以降の最大の焦点は二つです。一つはSBGの今期業績見通しが「非開示」であることへの市場反応です。前期4.3倍増という好決算の一方で今期を開示しないという判断が買い材料となるか、売り材料となるかが翌日の先物・株価に影響します。もう一つは5月14〜15日に北京で開催される米中首脳会談です。イラン問題への協調が示されれば原油安・インフレ懸念後退という大きな相場転換材料となり、63,000円台の定着から次の節目挑戦が視野に入ります。

時点 予想レンジ 見方
翌営業日(5月14日) 62,000円〜64,500円 SBGの今期業績非開示への市場反応と米中首脳会談初日のトーンが方向性を左右する。上下どちらにも振れやすく広めのレンジを設定する
1ヶ月後 61,000円〜67,000円 米中首脳会談の結果(イラン問題への協調→原油安)が最大の材料。順調なら67,000円方向も、原油高継続や金利急上昇が重なれば61,000円台前半への調整も
1年後 57,000円〜77,000円 AIブームの持続性・イラン情勢の長期的解決・日銀の利上げペースなど多くの変数が絡む。不確実性が非常に高く、幅を持って見る必要がある

翌営業日以降は、SBGの株価反応、米中首脳会談(14〜15日)の成果、フジクラ決算発表の内容、そして63,000円台を終値で安定的に維持できるかを確認していく局面です。63,000円台の定着が確認されれば、次の節目として63,500〜64,000円への挑戦が視野に入ります。

今日のまとめ

前日夜の米CPI上振れというネガティブ材料を、国内の決算好材料が上回った一日でした。キオクシアHDの「トヨタ超え」業績見通しを起爆剤に、フジクラ・トヨタ・イビデンなど幅広い銘柄が上昇し、日経平均は初の63,000円台終値・最高値更新を達成しました。値上がり銘柄数が約59%と「指数主導・特定銘柄集中」から「広範な分散物色」への転換が感じられる相場でした。

米中首脳会談(14〜15日)でイラン問題への協調が進むかどうかが、63,000円台の定着と次のステージへの移行を占う最大の試金石となります。

寄与度上位銘柄や業種別の動き、米CPI・ベセント訪日の詳細、SBG決算の内容をより詳しく確認したい方は、詳細版の「今日の日本株 深掘りノート」もあわせてご覧ください。