この記事では、2026年5月13日の日本株相場について、日経平均株価の動きだけでなく、寄与度上位銘柄、東証プライム市場の騰落状況、業種別動向、為替・米国株・金利の影響、個別決算・材料株の動きまで詳しく振り返ります。
要点を短く確認したい方は、通常版の「今日の日本株ノート」もあわせてご覧ください。
今日の相場サマリー
| 項目 | 数値・内容 | コメント |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,272.11円 | 続伸。初の63,000円台終値・最高値更新(5月7日の62,833円を更新) |
| 日経平均 前日比 | +529.54円(+0.84%) | 米CPI上振れ・ナスダック安を東京市場の独自の強さで吸収 |
| 日経平均 始値 | 62,398.02円 | 前日終値(62,742円)比▲344円のギャップダウンスタート |
| 日経平均 高値 | 63,347.91円(14時15分頃) | 後場に向けて急伸。一時最高値を更新 |
| 日経平均 安値 | 62,318.87円(9時03分) | 始値からさらに下落したが即座に切り返し |
| TOPIX | 3,919.48 | 3日続伸。年初来高値(3,938円)に接近 |
| TOPIX 前日比 | +46.58ポイント(+1.20%) | 日経平均(+0.84%)を上回る上昇率。市場全体の広がりを示す |
| 東証プライム 値上がり銘柄数 | 927銘柄(約58.9%) | 5月7日以来で最も広がりのある上昇。値下がりを明確に上回る |
| 東証プライム 値下がり銘柄数 | 593銘柄(約37.7%) | 前日の「53.9%が値下がり」から一転。地合いが改善 |
| 売買代金 | 10兆4,909億円 | 6営業日連続で10兆円超。活況水準が継続 |
| ドル円(15時30分前後) | 157円60〜70銭台 | ベセント訪日・会談後に一時156.80円まで急落も即座に買い戻し。「日米の暗黙の介入協調」との見方 |
| 前日の米国株(5月12日) | NYダウ+56ドル高・NASDAQ▲185ポイント安 | 米4月CPI上振れで半導体・AIハイテク株に利確売り。ディフェンシブ株がダウを支えた |
| 米4月CPI(前日発表) | 前年比伸びが一段と加速。コアCPI前年比+2.8%。ガソリン・食品が押し上げ | 「FRBの年内据え置き観測を正当化」との評価。ハイテク株の重しとなった |
| 原油価格(WTI) | 1バレル102ドル台 | 中東情勢悪化懸念で上昇継続。インフレ懸念の根本的な要因 |
| SBG決算(大引け後発表) | 前期最終4.3倍増・5期ぶり最高益。今期業績は非開示 | 好決算の一方で今期見通し非開示が翌日の株価の焦点に |
2026年5月13日の東京株式市場は、歴史的な節目を達成した一日となりました。日経平均株価は続伸し、終値は63,272円と初めて6万3,000円台に乗せるとともに、5月7日に付けた最高値(62,833円)を更新しました。注目すべきは、前日夜に発表された米4月消費者物価指数(CPI)がコアCPI前年比+2.8%と予想をやや上回り、ナスダックが▲185ポイント安となったにもかかわらず、東京市場が独自の強さを発揮したことです。
朝方は前日夜のCPIショックを受けて▲344円のギャップダウンでスタートしましたが、国内の決算シーズン佳境で個別好材料銘柄への積極的な買いが入り、急速に切り返しました。値上がり銘柄数(927銘柄・58.9%)が値下がり(593銘柄・37.7%)を明確に上回り、5月7日以降で最も「広がりのある上昇」となりました。売買代金は10兆4,909億円と6営業日連続で10兆円超を維持しています。
日経平均を動かした主な要因
米CPI上振れショックを吸収した「決算相場の底力」
前日(5月12日)の日本時間21時30分に発表された米4月CPIは、コアCPI(食料・エネルギー除く)が前年比+2.8%と市場予想をやや上回りました。ガソリン価格の上昇(イラン戦争に伴うWTI原油102ドル台)と食品の値上がりが全体を押し上げ、インフレ率が賃金上昇ペースを上回る状態(実質平均時給▲0.3%)が続いています。これを受けてナスダックは▲185ポイント安となり、シカゴ日経先物は一時61,800円まで売られました。
しかし東京市場は、この外部ショックを国内の決算好材料で吸収しました。朝方の62,318円(安値)から14時過ぎには63,347円(高値)まで約1,000円以上の急反発。「外部環境の悪材料よりも国内の好決算の方が重い」という市場のメッセージが明確に示されました。日経は「決算手掛かりに物色の裾野広がる」と表現しています。
キオクシアHDの「トヨタ超え」決算が相場の起爆剤に
キオクシアHDが本日発表した2027年3月期の業績見通しは、市場の期待を大きく上回る内容でした。「27年3月期営業益がトヨタ超え」という市場観測が現実のものとなり、1銘柄で日経平均を約59円押し上げました。AI需要によるメモリー市場の構造的拡大が確認され、半導体・AI関連全体への強気ムードを再点火させました。
トヨタ自動車の切り返しが輸送用機器業種を牽引
5月8日の決算発表後に3期連続減益見通しで売られていたトヨタ自動車が、本日は反発しました。改めて実績値(純利益3兆8,480億円・アナリスト予想平均を上回る)が評価され直したとみられ、輸送用機器業種全体の押し上げに寄与しました。自動車株の底打ち感が出てきたとすれば、相場全体の厚みが増すことになります。
ベセント訪日の「暗黙の介入協調」が円安を抑制
ベセント財務長官と片山財務相の会談後、東京時間に一時157.75円から156.80円まで急落する場面がありました。日本当局の為替介入観測が出たとみられますが、「160円に向かわないよう上値を抑えることに留めている」との市場の見方が広がりました。市場では「円相場の管理を巡る日米の暗黙の協調継続」との見方が意識されており、ドル円が一方的に上昇しにくい環境が確認されました。
米中首脳会談への期待が後場の買いを後押し
5月14〜15日に北京で予定されている米中首脳会談への期待感も、後場の上昇を後押ししました。日経は「米中会談、株式市場はイラン問題への協調に関心 前回は株価上昇」と報じており、米中が停戦問題で協調すれば原油安→インフレ懸念後退という大きな材料になりうるとの期待が相場の強気を支えました。
日経平均寄与度から見る相場の中身
本日の寄与度の最大の特徴は、キオクシアHDが「1銘柄で約59円押し上げ」というトップとなったことです。これは5月7日〜12日の相場ではSBGやフジクラが主役だったことと対比して、「メモリー株がAI相場の新たな主役」として台頭したことを示しています。
| 区分 | 銘柄 | 主な材料 | 日経平均への影響 |
|---|---|---|---|
| 押し上げ① | キオクシアHD(285A) | 27年3月期業績見通しが「トヨタ超え」の営業益を確認。AI需要によるメモリー市況の構造的強さ | 約+59円(最大のプラス寄与) |
| 押し上げ② | フジクラ(5803) | AI・データセンター向け光ファイバー需要の継続的拡大。4日連続の上昇 | プラス寄与上位 |
| 押し上げ③ | トヨタ自動車(7203) | 5月8日決算後の下落から切り返し。実績値の再評価と株主還元評価 | プラス寄与上位 |
| 押し上げ④ | イビデン(4062) | 好決算(27年3月期営業益45%増)の評価が継続 | プラス寄与の一角 |
| 押し下げ① | レーザーテック(6920) | 米CPI上振れによるハイテク株への利確売り | マイナス寄与上位 |
| 押し下げ② | TDK(6762) | 同上 | マイナス寄与 |
| 押し下げ③ | 塩野義製薬・清水建設など | 個別要因・前日上昇の反動売り | 追加の押し下げ |
注目すべきは、本日の相場がSBGやファーストリテイリングという特定の超大型値がさ株に依存せず、キオクシア・フジクラ・トヨタ・イビデンという異なる業種・テーマの銘柄群が押し上げ役となったことです。これは相場の主役が「特定1〜2銘柄への集中」から「テーマ別分散」に移行しつつあることを示唆しており、相場の健全性が増していると評価できます。
値上がり・値下がり銘柄数で見る市場の広がり
東証プライム市場では、値上がり銘柄数が927銘柄(58.9%)と、値下がり(593銘柄・37.7%)を明確に上回りました。5月7日(75.6%が値上がり)以来、5月8日(45.2%)・5月11日(確認中)・5月12日(42.8%)と徐々に低下していた値上がり比率が、本日は58.9%まで回復しました。
この「物色の裾野の拡大」は、単に指数が上昇したということ以上の意味を持ちます。前日まで「値下がり過半数での日経平均反発」という指数と実態のズレが続いていたのに対し、本日は「値上がり過半数での続伸」となっており、相場全体への買いの広がりが確認できます。
TOPIXの上昇率(+1.20%)が日経平均(+0.84%)を上回っていることも、市場全体の底堅さを示しています。TOPIXが3,919円と年初来高値(3,938円)に接近しており、TOPIXの年初来高値更新も視野に入ってきました。売買代金は10兆4,909億円と6営業日連続の10兆円超えが継続し、市場参加者の高い関与度が続いています。
業種別・テーマ別の動き
輸送用機器:トヨタ反発で業種全体が切り返し
輸送用機器業種は本日の上昇業種の一角となりました。5月8日の決算失望後に売られていたトヨタ自動車が切り返し、業種全体に見直し買いが波及したとみられます。円安方向(157円台)の為替も輸出関連株の支援材料となっています。ホンダも売りが一巡したとみられ、自動車株全体の底入れ感が出てきた可能性があります。
非鉄金属・光ファイバー関連:4〜5日連続の上昇継続
フジクラ・古河電気工業などの光ファイバー・AI関連株は4日連続前後の上昇を維持しています。AI・データセンター向けの光ファイバー需要拡大という構造的なテーマが継続しており、毎日のように買い材料が確認される状況です。フジクラは今週中の決算発表を控えており、業績確認が次の材料として待たれています。
半導体・AI関連:キオクシア主役に、一部に利確売り
キオクシアHDが「トヨタ超え」の業績見通しで一段高となり、半導体・メモリー株の代表格として相場をけん引しました。一方でレーザーテク・TDKなど一部の半導体関連株には米CPI上振れを受けた利確売りが続いており、まちまちの展開となっています。「キオクシア(メモリー)は強い・精密機器・部品株の一角は軟調」という選別が進んでいます。
建設株:前日の上昇から一転して利確売り
清水建設など建設株は前日の上昇を受けた利確売りが出ました。前日まで「バリュー物色でインフラ・建設株が買われる」という流れがあった一方で、本日は「決算銘柄への資金集中」という流れの中で一時的に資金が流出したとみられます。
為替・米国株・金利の影響
米4月CPI:インフレ加速で「FRBの据え置き長期化」が確定的に
前日(5月12日)夜に発表された米4月消費者物価指数は、インフレの継続的な加速を示しました。ブルームバーグは「CPIの伸び、4月に一段と加速」と報じており、ガソリン価格の上昇(WTI原油102ドル台)と食品価格の上昇が全体を押し上げました。コアCPI(食料・エネルギー除く)は前年比+2.8%上昇し、実質平均時給は前年比▲0.3%と3年ぶりに減少しました。
市場の評価は「FRBの年内利下げをほぼ完全に織り込み済みからゼロに戻した」というよりは、「年内の据え置き観測を正当化する内容」というものでした。ナスダックは▲185ポイント安となりましたが、ショックの程度は限定的で、東京市場はこれを吸収して反発しました。
ドル円:ベセント訪日が「日米暗黙の介入協調」を浮かび上がらせた
本日の為替市場の最大のトピックは、ベセント財務長官と片山財務相の会談後の動きです。会談終了後まもなく、ドル円は157.75円付近から156.80円付近まで約1円の急落を演じました。市場では「日本当局の為替介入(円買い介入)観測」が出ましたが、「下に押し込む介入までは行っていないようで、160円に向かわないよう上値を抑えることに留めている」という見方が広がりました。
注目すべきは「円相場の管理を巡る日米の暗黙の協調継続との見方が意識された動きだ」というストラテジストの指摘です。つまり、ベセント財務長官の訪日を通じて、日米が「ドル円を155〜160円程度のレンジで管理する暗黙の合意」を確認したとの見方が市場に広がっています。これはドル円が一方的に上昇しにくい環境が続くことを示唆しており、輸出関連株のバリュエーション面での評価に影響する可能性があります。
原油価格:102ドル台の高止まりがインフレの根本原因
WTI原油先物が1バレル102ドル台に達しており、イラン戦争に関連したホルムズ海峡の緊張が続く限り、インフレ圧力が収まりにくい状況が続いています。米中首脳会談(14〜15日)でイラン問題への協調が進展すれば原油安・インフレ懸念後退という大きな相場転換材料になりえます。一方で協議が難航すれば原油高継続・FRBの利下げ観測後退という逆風が続きます。
決算・個別材料で動いた銘柄
| 銘柄 | 材料 | 株価反応 | コメント |
|---|---|---|---|
| キオクシアHD(285A) | 27年3月期業績見通し:市場予想を大幅に上回る内容。営業益が「トヨタ超え」の水準を確認。AI需要によるメモリー市況の構造的拡大 | 大幅上昇。1銘柄で日経平均を約59円押し上げ | 「トヨタ超え」が現実のものとなり、キオクシアが日本株における新たな象徴的銘柄としての地位を確立しつつある |
| ソフトバンクグループ(9984) | 本日15時30分に決算発表。前期最終利益が前期比4.3倍増で5期ぶり最高益。今期業績見通しは「未確定な要素が多く困難なため非開示」。OpenAIへの投資でSVF投資残高20兆円超。配当1株5.5円(分割前換算22円相当) | 場中は上昇。大引け後のPTSでの反応が翌日の焦点 | 「前期最終4.3倍増」という圧倒的な好決算の一方で、今期見通し非開示がどう評価されるか。AI投資の収益化ストーリーへの信認が問われる |
| トヨタ自動車(7203) | 5月8日の決算後下落から切り返し。実績純利益(3兆8,480億円)がアナリスト予想平均を上回ることが再評価される | 反発(フジクラ・トヨタ・イビデンが上昇と日経が報道) | 3期連続減益見通しへの失望が一巡し、自社株買いなどの株主還元が改めて評価されたとみられる |
| フジクラ(5803) | AI・データセンター向け光ファイバー需要拡大の継続。今週中の決算発表への期待 | 4日連続の上昇(続伸) | 光ファイバー関連株の象徴として相場をけん引し続けている。今週の決算内容が次の重要な材料 |
| 三菱重工業(7011) | 今期最終14%増・4期連続最高益・4円増配(株探で確認) | 上昇 | 重工・防衛関連の好業績継続。株主還元の積極化も評価 |
| レゾナック(4283) | 上期最終を90%上方修正 | 上昇(株探サプライズ決算に登場) | 化学・半導体材料株への物色が継続していることを示す |
テクニカル面ではどの水準が意識されるか
本日の最大のテクニカル的な出来事は、日経平均が終値で初めて63,000円台に乗せたことです。63,272円という水準は、直近で最も意識されてきた「63,000円の壁」を終値で超えた初日となります。前日(5月12日)の高値63,347円、そして本日の高値63,347円が「上値の壁」として機能していましたが、それを超えて終値63,272円となったことで、次の節目として63,500円〜64,000円が視野に入ってきます。
下値メドとしては、63,000円前後が「初めて超えた節目」として強いサポートとなることが期待されます。仮に63,000円を割り込む場面があっても、62,700円台(前日終値水準)が次の支持水準として意識されやすいでしょう。
TOPIXが3,919円と年初来高値(3,938円)に約20ポイントまで接近したことも注目です。TOPIXが年初来高値を更新すれば、「日経平均だけでなく市場全体が高値圏に」というより強いシグナルとなります。なお、テクニカル面の判断はあくまで目安であり、米中首脳会談の結果・SBG決算の市場反応・原油価格の動向次第で大きく変わりうることには留意が必要です。
今後の日経平均見通し
| 時点 | 予想レンジ | 主な前提 | 注目材料 |
|---|---|---|---|
| 翌営業日(5月14日・木曜) | 62,000円〜64,500円 | SBGの大引け後決算(今期業績非開示)への市場反応がPTSから翌朝の先物に影響する。米中首脳会談(14日から開始)の初日の雰囲気も重要。上下どちらにも振れやすい局面 | SBGの株価反応・米中首脳会談(14〜15日)の初日・原油価格の動向・フジクラ決算発表 |
| 1ヶ月後(6月中旬) | 61,000円〜67,000円 | 米中首脳会談の結果(イラン問題への協調→原油安)が最大の材料。決算シーズン総評価と国内長期金利の動向(29年ぶり高水準)も重要な変数。順調なら67,000円方向も、原油高継続・金利急上昇なら調整も | 米中首脳会談の成果・フジクラ・SBG決算市場反応・国内長期金利の方向性・日銀の金融政策見通し |
| 1年後(2027年5月) | 57,000円〜77,000円 | AIブームの持続性・イラン情勢の長期的解決・日銀の利上げペース・米景気の軟着陸可否・為替水準が中長期の株価水準を規定する。不確実性が非常に高い | 日銀利上げ判断・FRBの政策方向・AI需要の実需化・中東情勢の解決・日本企業の構造的改善 |
翌営業日(5月14日・木曜):最大の焦点はSBGの今期業績「非開示」への市場反応です。前期最終4.3倍増という圧倒的な好決算の一方で、今期見通しを開示しないという判断に市場がどう反応するかがPTSと翌朝の先物に反映されます。また、米中首脳会談(14日から北京で開催)の初日のトーンも重要です。イラン問題への協調が示唆されれば原油安期待でリスクオン、難航すれば逆風となります。不確実性が高く62,000〜64,500円という広めのレンジを設定します。
1ヶ月後(6月中旬):米中首脳会談の成果(イラン問題への協調度合い)と原油価格の動向が1ヶ月後の相場水準を大きく規定します。原油が100ドルを下回るような展開になればインフレ懸念が後退し、67,000円方向への上値余地も出てきます。逆に原油高継続・国内長期金利のさらなる上昇(29年ぶり高水準からの一段高)が重なれば61,000円方向への調整もあります。想定レンジは61,000〜67,000円とします。
1年後(2027年5月):1年後については不確実性が非常に高く、幅を持った見方が必要です。AIブームの持続性・イラン情勢の長期的解決・日銀の利上げペースという三つの変数がこの水準での株価を大きく規定します。57,000〜77,000円という広いレンジを目安として示しますが、実際の相場は大きく異なる可能性があります。
今日の結論
2026年5月13日の東京株式市場は、日経平均が初めて6万3,000円台の終値を達成し最高値を更新するという歴史的な一日となりました。前日夜の米4月CPIがインフレ加速を示し、ナスダックが▲185ポイント安となったにもかかわらず、東京市場は独自の強さで吸収しました。
その原動力は「決算シーズン佳境での選別物色の拡大」です。キオクシアHDの「トヨタ超え」業績見通し、トヨタ自動車の切り返し、フジクラ・イビデンの続伸が重なり、値上がり銘柄比率(58.9%)が5月7日以来の水準まで回復しました。「指数主導・特定銘柄集中」から「広範な銘柄への分散物色」への変化は、相場が健全なステージに移行しつつあることを示唆しています。
翌営業日以降の最大の焦点は、SBGの今期業績「非開示」への市場反応と、5月14〜15日の米中首脳会談(北京)の成否です。米中がイラン問題への協調を示せば原油安→インフレ懸念後退という大きな相場転換材料となり、日経平均が64,000円以上を試す可能性が高まります。一方で難航すれば原油高継続とインフレ懸念が重しとなります。63,000円台を維持しながら次のステージへ進めるかどうかが、今週後半から来週にかけての相場の焦点です。
要点を短く確認したい方は、通常版の「今日の日本株ノート」もあわせてご覧ください。