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日経平均は+3,320円、終値62,833円で最高値を更新

2026年5月7日(木)、GW明けの東京株式市場は歴史的な急騰で幕を開けました。日経平均株価は前営業日(5月1日)比3,320円72銭高(+5.58%)の62,833円84銭で大引けを迎え、4月27日に記録した最高値(60,537円)を大きく塗り替えました。上げ幅3,320円は2024年8月6日の3,217円を超え、過去最大となりました。

東証株価指数(TOPIX)も前営業日比111.76ポイント高(+3.00%)の3,840.49と大幅続伸し、こちらも最高値を更新しました。始値は60,241円と大幅ギャップアップでスタートし、高値は一時62,931円と心理的節目の63,000円に迫りました。売買代金は10兆8,448億円とプライム市場移行後の過去最大を記録し、連休中に溜まっていた買い意欲が一気に放出された一日となりました。

相場を動かした主な材料

今日の急騰を引き起こした主な材料は3つです。

第一に、米ハイテク株・半導体株の強さです。東京市場が5連休中、米国ではAI・半導体関連株の上昇が続きました。5月6日の米国市場では半導体のAMDが決算でAI需要の強さを示し株価が急伸。エヌビディアもデータセンター向け光ファイバーを手がけるコーニングとの提携を発表し5%超の急騰となりました。SOX指数とNASDAQはそろって連日最高値を更新しており、東京市場もこの流れを全面的に引き継ぎました。

第二に、米・イラン戦闘終結観測と原油急落です。5月6日に米ニュースサイトが「米・イランの戦闘終結合意が近い」と報じ、WTI原油先物が前日比約7%急落しました。インフレ懸念の後退と投資家のリスク選好姿勢の強まりが、全面的な買い気流を生み出しました。

第三に、GW明けのキャッチアップ買いです。5連休中に積み上がった米株の上昇分を一気に織り込む動きが、寄り付きから先物主導で加速しました。

一方で上値を一部抑えた要因としては、ドル円が156円台前半と円高方向で推移したこと、急ピッチな上昇に対する過熱感からの利益確定売り、翌8日(金)の米雇用統計を前にしたポジション調整などが挙げられます。なお、GW中に政府・日銀が4〜5兆円規模(市場推計)の円買い介入を実施したとみられており、為替介入への警戒感も引き続き意識されています。

指数を支えた銘柄と重荷になった銘柄

日経平均への寄与度トップはソフトバンクグループで、1銘柄だけで約804円を押し上げました。後場に入って一時ストップ高水準(+1,000円・+18.4%)となる場面があり、AI・半導体関連への期待が集まりました。寄与度2位はアドバンテストで、この2銘柄の合計だけで約1,263円分を押し上げた計算になります。

キオクシアホールディングスは、GW中に米サンディスクの好決算や韓国サムスン電子の時価総額1兆ドル突破というメモリー株高を受け、ストップ高(+19.2%)で終日値付かずの比例配分となりました。他にも東京エレクトロン、ファーストリテイリング、イビデン、フジクラなどが上昇をけん引しました。

一方、マイナス寄与のトップは中外製薬(約15円の押し下げ)にとどまり、三井物産・丸紅など商社株の一部も原油急落を受けて軟調でした。ただし、押し下げ要因は全体としては非常に限定的でした。

市場全体の温度感

東証プライム市場では、値上がり銘柄が約1,190銘柄と全体の約75.6%に達し、値下がりは約349銘柄(約22.1%)にとどまりました。33業種のうち30業種が上昇し、下落はわずか3業種(鉱業・石油石炭製品・輸送用機器)のみでした。

日経平均の上昇率+5.58%に対し、TOPIXは+3.00%にとどまっており、ソフトバンクGなど指数寄与度の高い値がさ株の上昇が特に大きかったことがわかります。ただし、値上がり銘柄が全体の約4分の3を占め、売買代金が過去最大に膨らんだことは、一部の銘柄だけが動いたわけではなく、市場全体に買いが広がったことを示しています。本日の相場は「AI・半導体株が主役を張りつつ、相場全体も底上げされた」一日と評価できます。

なお、原油急落の影響でエネルギー関連の2業種が下落し、円高方向への動きを嫌気して輸送用機器(自動車株)も売りに押された点は、相場全体の強さの中でも留意すべき点です。

今後の日経平均の見通し

時点 予想レンジ(目安) 見方
翌営業日(5月8日) 61,500円〜64,000円 米雇用統計の結果次第で乱高下しやすい。過熱感からの調整リスクと、強い地合い継続の両面を見ておく必要がある
1ヶ月後(6月初旬) 59,000円〜66,000円 米中首脳会談(5/14〜15)・ベセント財務長官訪日(5/11〜)・企業決算の評価が焦点。為替の方向感も重要
1年後(2027年5月) 55,000円〜75,000円 AI投資サイクルの持続性・日銀の利上げペース・米景気の行方など不確実性が高く、幅を持った見方が必要

翌8日(金)は日本時間夜に米4月雇用統計が発表されます。強い結果なら利下げ期待が後退してドル高・円安が進む可能性がある一方、金利上昇リスクがハイテク株の重しとなる場面も想定されます。いずれにせよ乱高下しやすく、61,500〜64,000円の広めのレンジを目安として想定しています。

1ヶ月後にかけては、5月11日からのベセント米財務長官の訪日(為替・通商問題が議題)、5月14〜15日の米中首脳会談、国内3月期決算の総評価が方向性を左右します。AI・半導体相場の継続性があれば66,000円方向への上値余地も見込まれますが、円高進行や決算失望が重なれば59,000円台に押し戻される場面も想定され、59,000〜66,000円を1ヶ月後の目安として見込んでいます。

1年後については不確実性が非常に高く、55,000〜75,000円という幅のある見通しにとどまります。あくまで参考目安としてご覧ください。

今日のまとめ

2026年5月7日の日本株市場は、GW5連休分の米株高・中東情勢緩和を一気に織り込み、日経平均が史上最大の上げ幅で最高値を更新しました。AI・半導体株が主役を担いつつ、市場全体への買いの広がりと過去最大の売買代金が、相場の強さを裏付けた一日でした。

翌営業日以降は、米雇用統計(5月8日)、ベセント財務長官の訪日(5月11日〜)、米中首脳会談(5月14〜15日)、トヨタ自動車をはじめとする主力企業の決算内容など、重要材料が続きます。急騰後の過熱感への警戒を忘れずに、一つひとつの材料を確認していきたいところです。

寄与度上位銘柄や業種別の動き、為替・米国株・金利の影響をより詳しく確認したい方は、詳細版の「今日の日本株 深掘りノート」もあわせてご覧ください。