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この記事では、2026年5月7日の日本株相場について、日経平均株価の動きだけでなく、寄与度上位銘柄、東証プライム市場の騰落状況、業種別動向、為替・米国株・金利の影響、個別決算・材料株の動きまで詳しく振り返ります。

要点を短く確認したい方は、通常版の「今日の日本株ノート」もあわせてご覧ください。

今日の相場サマリー

項目 数値・内容 コメント
日経平均株価 62,833.84円 最高値更新。前営業日(5月1日)比での続伸
日経平均 前日比 +3,320.72円(+5.58%) 上げ幅は過去最大(2024年8月6日の3,217円を超える)
TOPIX 3,840.49 大幅続伸
TOPIX 前日比 +111.76ポイント(+3.00%) 日経平均の騰落率(+5.58%)より低く、値がさ株主導の面あり
東証プライム 値上がり銘柄数 約1,190銘柄(全体の約75.6%) 市場全体にも買いが広がる
東証プライム 値下がり銘柄数 約349銘柄(約22.1%) 下落銘柄は全体の2割強にとどまる
売買代金 10兆8,448億円 プライム市場移行後の過去最大
東証33業種 上昇 30業種 ほぼ全面高
東証33業種 下落 3業種(鉱業・石油石炭製品・輸送用機器) 原油急落・円高方向の影響
ドル円 156円台前半 GW中の為替介入後、円高方向に振れた水準で推移
前日のS&P500 7,365.12(+1.46%) 高値圏から一段高
前日のNASDAQ総合 前日比+512ポイント(+2.02%) 連日最高値更新
前日のSOX指数 連日最高値更新 AMD好決算・エヌビディア急伸が追い風
WTI原油先物 前日比約▲7%の大幅下落 米・イラン戦闘終結観測で急落

GWの5連休明けとなった5月7日の東京株式市場は、歴史的な急騰で幕を開けました。日経平均株価の終値は前営業日(5月1日)比3,320円高の62,833円と、4月27日に記録した最高値(60,537円)を大きく上回り、最高値を更新しました。上げ幅は2024年8月6日(3,217円)を超え、過去最大となりました。売買代金も10兆8,448億円とプライム市場移行後の過去最大を記録し、連休中に溜まっていた買い意欲が一気に放出された一日となりました。

TOPIXも+3.00%の大幅続伸でしたが、日経平均の騰落率(+5.58%)と比べると上昇幅にやや差があります。これは指数寄与度の高いソフトバンクグループ(SBG)のストップ高など、値がさ株の上昇率が特に大きかったためです。ただし、東証プライムの値上がり銘柄数は全体の約75.6%に達しており、一部銘柄だけの上昇にとどまらず、市場全体に買いが広がった点は評価できます。

日経平均を動かした主な要因

米ハイテク株・半導体株高の連鎖

最大の上昇要因は、GW中に積み上がった米国株の上昇を一気に織り込む動きです。5月6日の米株式市場では、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が発表した決算でAI需要の強さが確認され、株価が急伸しました。エヌビディアもデータセンター向けの光ファイバーを手がけるコーニングとの提携を発表し、5%を超える急騰となりました。SOX指数とNASDAQはそろって連日最高値を更新しており、東京市場でもこの流れを引き継いでAI・半導体関連株に海外投資家を中心に強い買いが集まりました。

米国・イラン戦闘終結観測がリスクオンを加速

5月6日、米ニュースサイトAxiosが「米国とイランが戦闘終結に向けた合意に近づいている」と報じました。この報道を受けてWTI原油先物が前日比約7%の大幅下落となり、インフレ懸念の後退と米長期金利の低下が同時に進みました。中東情勢への警戒が急速に和らぎ、投資家のリスク選好姿勢が強まったことが、東京市場での幅広い買いにつながりました。

GW明けのキャッチアップ需要と需給的な追い風

東京市場が5連休中、海外市場ではAI・半導体関連株の上昇が続いていました。連休中に買いたくても買えなかった国内投資家や、出遅れを意識した海外の短期勢による「キャッチアップ買い」が寄り付きから集中し、先物主導で急騰が加速しました。始値がすでに60,241円と前営業日終値(59,513円)から大幅ギャップアップしてスタートしたことが、その規模の大きさを示しています。

3月期決算シーズンの好業績銘柄への物色

東証プライム市場銘柄の大半が4月下旬から5月中旬にかけて決算を発表する時期にあたります。DMG森精機が通期業績予想を上方修正するなど、好決算銘柄への選別的な買いも相場の地合いを支えた一因です。

日経平均寄与度から見る相場の中身

区分 銘柄 主な材料 日経平均への影響
押し上げ① ソフトバンクグループ(9984) AI・半導体関連への期待。一時ストップ高(+18.4%) 1銘柄で約804円押し上げ(寄与度1位)
押し上げ② アドバンテスト(6857) 米AMD好決算・SOX最高値更新 寄与度2位。SBGとの2銘柄合計で約1,263円
押し上げ③ 東京エレクトロン(8035) 半導体製造装置需要の拡大期待 寄与度上位として日経平均をけん引
押し上げ④ ファーストリテイリング(9983) 相場全体の強い買い 値がさ株として寄与度上位
押し上げ⑤ キオクシアHD(285A)・イビデン(4062)・フジクラ(5803) メモリー市況高・AI・データセンター関連 半導体・電子部品株として上位寄与
押し下げ① 中外製薬(4519) 利益確定売り 約15円押し下げ(マイナス寄与1位)
押し下げ② 三井物産(8031)・丸紅(8002) 原油急落による商社株への売り 軽微な押し下げ
押し下げ③ KDDI(9433)・テルモ(4543) 利益確定・個別要因 軽微な押し下げ

日経平均構成225銘柄の騰落内訳は、値上がり174銘柄・値下がり49銘柄・変わらず2銘柄でした。ソフトバンクグループ1銘柄だけで指数を約804円押し上げ、アドバンテストとの2銘柄合計で約1,263円分を押し上げた計算になります。これは今日の上昇幅(3,320円)の約38%に相当しており、値がさ株への集中的な買いが指数を大きく押し上げた面は否定できません。

ただし、マイナス寄与のトップが中外製薬の約15円にとどまっており、押し下げ要因は非常に限定的でした。225銘柄の約77%が上昇したことと合わせて考えると、AI・半導体株が主役を張りつつ、相場全体も底上げされた日と評価できます。

値上がり・値下がり銘柄数で見る市場の広がり

東証プライム市場では、値上がり銘柄数が約1,190銘柄(全体の約75.6%)に達し、値下がりは約349銘柄(約22.1%)にとどまりました。変わらずは約35銘柄です。

日経平均の上昇率+5.58%に対し、TOPIXの上昇率は+3.00%となっています。この差は、ソフトバンクGやアドバンテストなど指数寄与度の高い値がさ株の上昇率が特に大きかったためです。しかしながら、東証プライムの4分の3以上の銘柄が値上がりし、33業種のうち30業種が上昇という状況は、単なる指数寄与株主導の上昇を超え、市場全体に買いが波及したことを示しています。

売買代金が10兆8,448億円と2022年のプライム市場移行後で過去最大となった点も、参加者が幅広く買いに動いた証左といえます。連休中に積み上がった潜在的な買い意欲が、この日一気に放出されたと考えられます。

業種別・テーマ別の動き

AI・半導体関連株:相場の主役

非鉄金属、金属製品、情報・通信業、電気機器がセクター上昇率の上位に並びました。特にソフトバンクグループ(+18.4%でストップ高)、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアHD(ストップ高・+19.2%)、イビデン、フジクラなど、AI・半導体・電子部品に関連する銘柄が相場をけん引しました。米AMDの好決算でAI向け半導体の需要拡大が改めて確認されたことが、世界的なメモリー・半導体株への資金流入を加速させました。

エネルギー・商社株:原油急落の逆風

WTI原油先物の前日比約7%急落を受け、鉱業・石油石炭製品・商社株(三井物産・丸紅など)には売りが優勢となりました。相場全体が急騰する中で唯一下落した3業種のうち2業種がエネルギー関連であり、原油安の影響が鮮明でした。

輸送用機器(自動車):円高方向が重し

ドル円が156円台前半と円高方向で推移したことが、トヨタ自動車など輸出関連の自動車株の重しとなりました。相場全体が大幅高でも輸送用機器が下落した点は、為替の影響を改めて確認できる動きでした。

メモリー関連:キオクシアを中心に急騰

韓国サムスン電子の時価総額が1兆ドルを突破し、米サンディスク(SNDK)の好決算がGW中に+28%超の急騰を記録していた流れを受け、キオクシアHDは寄り付き前から買い気配が殺到し、終日値が付かないまま比例配分でストップ高(+19.2%)となりました。世界的なメモリー相場の活況が国内株にも波及した象徴的な動きです。

為替・米国株・金利の影響

ドル円:円高方向も株高の主役は米株高

ドル円は東京市場クローズ時点で156円台前半で推移しました。GW中(5月6日のNY市場)には、出所不明とされる大規模な円買いにより157円80銭台から155円付近まで約2.8円急落する場面があり、時事通信などによると政府・日銀が連休中に4〜5兆円規模(市場推計)の追加円買い介入を実施した可能性があります。5月7日の東京市場では156円台前半で動意が薄い展開となりましたが、輸送用機器(自動車)は円高を嫌気した売りに押されました。

注目すべきは、今日の株高が為替主導ではなく、米株高と先物主導によるものだったという点です。円高方向でも日経平均が+5.58%の大幅高となったのは、AI・半導体関連株への強い需要と中東情勢緩和というグローバルなリスクオン要因が、為替のマイナス影響を大きく上回ったためとみられます。

米国株:マグニフィセント7全面高

5月6日の米国株式市場では、S&P500が+1.46%・7,365.12ポイントで取引を終えました。NASDAQ総合は+2.02%と2%を超える大幅高で連日最高値を更新し、SOX指数も最高値を更新しました。マグニフィセント7(アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット・メタ・エヌビディア・テスラ)は全面高となりました。AMDとウォルト・ディズニーなどの好決算も市場のセンチメントを改善させ、11セクター中9セクターが上昇しました。

金利・原油:インフレ懸念が後退

米・イラン戦闘終結観測を受けてWTI原油先物が前日比約7%急落したことで、インフレ懸念が後退しました。米長期金利も低下する方向に動いたとみられ、ハイテク・グロース株に対するバリュエーション面での追い風が生まれました。原油安は空運・陸運・電力・化学などのコスト削減期待にもつながりましたが、エネルギー・商社株への売りとの両面が出た一日でした。

決算・個別材料で動いた銘柄

銘柄 材料 株価反応 コメント
キオクシアHD(285A) GW中の米サンディスク好決算・サムスン時価総額1兆ドル突破によるメモリー株高の波及 ストップ高(+19.2%・43,410円)。終日値付かず比例配分 GW中に買えなかった投資家の買いが殺到。連休明けキャッチアップの象徴的銘柄
ソフトバンクグループ(9984) AI・半導体関連株高の波及。ARM保有・投資ポートフォリオ評価の上昇期待 一時ストップ高(+18.4%・6,424円) 1銘柄で日経平均を約804円押し上げ。過去最大の上げ幅に最大貢献
DMG森精機(6141) 1〜3月期(1Q)連結決算発表とともに通期業績予想を上方修正(売上高300億円増額・最終利益45億円増額) 6連騰・大幅高 受注拡大・円安基調継続を反映し想定為替レートを見直した好決算の典型例
エムスリー(2413) 27年3月期純利益予想が市場予想を下回る内容 一時1年3カ月ぶり安値 相場全体が急騰する中で逆行安。決算ミスが厳しく評価された日
三菱ケミカルグループ イランとの戦闘終結観測による原油急落でナフサ調達コスト懸念が後退 一時+5.5%高 原油安の化学株への恩恵が表れた動き
東ソーなど74銘柄 相場全体の強い買い 上場来高値更新 74銘柄が上場来高値を更新。相場の強さを象徴

なお、8日(翌営業日)はIHI・トヨタ自動車など231社が決算を発表する予定です。特にトヨタ自動車の決算内容と為替前提・通期ガイダンスは、自動車株および日経平均の方向性に大きな影響を与えるとみられます。

テクニカル面ではどの水準が意識されるか

日経平均は終値62,833円と、今年(2026年)の年初来高値を更新しました。一時は62,931円まで上昇し、心理的節目の63,000円に迫る場面もありましたが、過熱感からの利益確定売りも出て63,000円の壁は超えられませんでした。

上値目線では、終値での63,000円超えができるかが次の節目として意識されます。一方で、日経平均は前営業日(59,513円)から約5.6%という急騰で、「一足飛びの過熱感」を指摘する声も出ています。経験則では短期的な調整を示唆するとの見方もあり、62,000〜62,500円近辺が短期的な下値メドとして意識されやすい水準といえます。

売買代金が過去最大の10兆8,448億円に達したことは、市場参加者の関与が非常に大きかったことを示しており、相場の節目となりやすい条件が重なっています。翌8日(金)の米雇用統計の結果によっては、方向感が大きく変わる可能性があります。なお、テクニカル面の判断はあくまで目安であり、実際の相場は様々な要因により異なる動きとなることがあります。

今後の日経平均見通し

時点 予想レンジ(目安) 主な前提 注目材料
翌営業日(5月8日) 61,500円〜64,000円 米雇用統計の結果次第で乱高下の可能性あり。過熱感からの利益確定売りが出やすい一方で、強い地合いが継続する場合は63,000円超えも想定される 米4月雇用統計(日本時間5月8日夜)、為替動向、決算発表(トヨタ・IHIほか231社)
1ヶ月後(6月初旬) 59,000円〜66,000円 AI・半導体相場の継続性と国内決算シーズンの評価が焦点。米中首脳会談の行方、為替介入問題、イラン停戦の定着度も影響 米中首脳会談(5月14〜15日)、ベセント財務長官訪日(5月11日〜)、5月日銀会合、企業決算出揃い後の評価
1年後(2027年5月) 55,000円〜75,000円 AI投資サイクルの持続性、日銀の金融政策正常化ペース、米景気・企業業績の行方、為替水準が中長期的な株価水準を左右する。不確実性が非常に高く、幅を持って見る必要がある 日銀利上げペース、FRBの利下げ時期、米中関係、日本企業のROE改善トレンド、AI需要の実需への転換

翌営業日(5月8日):日本時間夜に発表される米4月雇用統計の内容が最大の焦点です。強い雇用統計は利下げ期待を遠ざけ、ドル買い・円安が進む可能性がある一方で、金利上昇リスクがハイテク株の重しとなる場合もあります。いずれの結果でも乱高下しやすく、翌営業日のレンジは61,500〜64,000円の想定とします。過熱感からの短期的な調整リスクは意識しておく必要がありますが、地合いが継続していれば63,000円台での推移も想定されます。

1ヶ月後(6月初旬):5月14〜15日の米中首脳会談、ベセント財務長官の訪日(5月11日〜)による為替問題の行方、国内3月期決算の総評価などが焦点となります。AI・半導体相場が続くようであれば66,000円方向への上値余地もありますが、為替円高が進行したり、決算ガイダンスに失望感が広がれば59,000円台に押し戻される場面もありえます。1ヶ月後の予想レンジとしては59,000〜66,000円を想定レンジとして見ています。

1年後(2027年5月):1年後については不確実性が非常に高く、幅を持った見方が必要です。AIブームの持続・日銀の利上げペース・米景気の軟着陸可否など、多くの要因が絡み合います。55,000〜75,000円という広いレンジを目安とし、強気・弱気いずれのシナリオも念頭に置いておく必要があります。この予想は参考目安であり、実際の相場は大きく異なる可能性があります。

今日の結論

2026年5月7日の日本株市場は、「歴史的な一日」となりました。日経平均は上げ幅3,320円と過去最大を記録し、最高値を更新。売買代金もプライム市場移行後の過去最大となる10兆8,448億円に達しました。主役はソフトバンクグループ(一時ストップ高)、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアHD(ストップ高)といったAI・半導体関連株でしたが、東証プライムの約75.6%が値上がりし、33業種のうち30業種が上昇したことは、相場全体への波及を示しています。

背景には米AMDの好決算によるAI需要の再確認、米・イラン戦闘終結観測による原油急落とリスクオン加速、GW明けのキャッチアップ需要という3つの要因が重なりました。一方で、ドル円は156円台前半と円高方向での推移が続いており、輸送用機器(自動車)株が唯一の下落業種に含まれたことは、為替リスクが解消されたわけではないことを示しています。

翌営業日以降は、5月8日(金)の米雇用統計、5月11日からのベセント財務長官訪日(為替・通商問題)、5月14〜15日の米中首脳会談、トヨタ自動車をはじめとする主力企業の決算内容を確認しながら、日経平均が63,000円台を定着させられるかが焦点になります。急騰後の過熱感への警戒と、AI・半導体相場の持続力の両面を見ていく局面です。

要点を短くまとめた通常版の「今日の日本株ノート」もあわせてご覧ください。